年次有給休暇の消化率は51%! 会社にも年休の消化が重要な理由

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最近は年次有給休暇の消化率を上昇させるように顧問先にはアドバイスしています。なぜ会社にとって有給休暇の消化が重要なのか、データを用いて解説します。

なお、思い込みやイメージではなくデータで説明が当事務所のスタンスなので、今回は「平成30年就労条件総合調査結果」を用います。

有給休暇消化率は51.1%:前年からわずかに上昇

労働者1人が取得した年次有給休暇の日数は9.3日、調査対象となった労働者1人平均付与日数は18.2日であったことから、平成29年の年次有給休暇の消化率は51.1% となっています。

年次有給休暇消化率の推移については以下の図のとおりですが、半分の50%を超えたのは、平成11年の50.5%以来の18年ぶりということです。

注意

以下は本来であればグラフが表示されます。
もしグラフが表示されていない場合はページの更新をしてください。

なお、調査対象に変更があり、H19以前の調査対象は「本社の常用労働者数が30人以上の民営企業」、H20以後は「常用労働者数が30人以上の民営企業」となっており、厳密な時系列の推移とは異なります。

規模別の年次有給休暇消化率:大規模ほど大きいように見えるが実は微差

次に、企業の従業員規模別の年次有給休暇消化率が以下のグラフです。

規模が小さくなるほど消化率が低くなり、999人以下になると50%を切っています。

割合だけ見ると会社の規模の違いによって大きな差があると思うかもしれませんが、実はそうではありません。

年次有給休暇を付与する日数の法的な最大値は年20日です。

以下のグラフでは割愛していますが、調査結果には労働者1人平均取得日数が掲載されており、1,000人以上の場合の消化日数は11.2日、30-99人の場合の消化日数は7.7日となります。

つまり、年次有給休暇の消化日数で考えると、1,000人以上の規模の会社と30-99人規模の会社でも、年間で3日程度の差しかない ということです。

産業別の年次有給休暇消化率:業種間で消化率の差が大きい

最後に、産業別(業種別)の年次有給休暇消化率が以下のグラフです。

最も年次有給休暇消化率が高かったのは、

  • 電気・ガス・熱供給・水道業:72.9%

そして最も年次有給休暇消化率が低かったのは、

  • 宿泊業、飲食サービス業:32.5%

どちらの業種も前年の調査結果と同様の結果となっています。

なお、年次有給休暇の消化率が50%を超えている業種は以下のとおりです。消化率の高い業種は意外と多く、その分、消化率の低い業種も多く、業種による差が大きいことがよくわかります。

  • 鉱業, 採石業, 砂利採取業
  • 製造業
  • 電気・ガス・熱供給・水道業
  • 情報通信業
  • 運輸業, 郵便業
  • 金融業, 保険業
  • 学術研究, 専門・技術サービス業
  • 医療, 福祉
  • 複合サービス事業

なぜ会社にとっても有給休暇の消化が重要なのか?

記事の冒頭で「最近は年次有給休暇の消化率を上昇させるように顧問先にアドバイスしている」ことを書きましたが、それはなぜでしょうか?

従業員の権利でもあり、年次有給休暇の取得を会社側が推進すれば従業員のためになります。

しかし、それ以上に会社にとっても年次有給休暇の消化の促進は以下の点から重要性が増しています。

  • 賃金以上に休暇への関心・要望が従業員に大きい
  • 退職時に年次有給休暇の消化に関するトラブルがよく起こる

実際にどんなトラブルが起きているのかについて、顧問先にはよくお知らせしているのでご存知かと思います。

年次有給休暇の法定付与日数は年20日間、月単位に換算すると1.6日/月と月に2日にも満たない休暇日数になります。

月にたった1日半程度の休暇日数を付与したくないと言っているような会社に人が定着すると思いますか?

しかも、ようやく取得率50%を超えるようなお寒い状況にあるのがこの国の姿です。

であれば、たかだか年20日程度の年次有給休暇については消化率100%を達成し、採用や従業員の定着に活かす方が良いと思いませんか?

まとめ

今回は、年次有給休暇消化率、10年程度の推移、規模別・産業別の消化率、そしてなぜ会社にとって年次有給休暇の消化が重要なのかという点をご紹介しました。

年次有給休暇に関してはいまだに許可する・許可しないといったトラブルも多いようですし、以下の記事で年次有給休暇に関する基本を詳細に解説していますのでご参考ください。

関連:年次有給休暇の詳細解説 - 対象、発生条件、付与日数、罰則

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