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経営者向けの雑誌でも紹介され、ようやくCHROという用語も、日本で知名度が増してくるかもしれません。
今回は改めてCHROについてご紹介します。
CHROとは?
CHROとは、Chief Human Resource Officerの略で、最高人材責任者という職務になります。
海外の比較的大きな組織になるとCEOやCFOと同様に設置されています。私の海外の友人でもCHROという役職に就いている人がいます。
以下の記事のとおり、CHROの役割を定義することは、CEOの重要な責務となりますが、一般的には「取締役会に入り、経営幹部職として人事機能を統括する存在」となります。
関連:戦略人事とCHROに求められる役割とは? ポイントはG3体制!
CHROと人事部長は何が違うのか?
一般的な人事部長は、管理業務を中心にして企業価値の最大化を目指します。具体的に言えば、報酬、福利厚生、従業員の満足度などです。
そのため経営や事業といった点に疎くなりがちであり、バックオフィスとして扱われることが多くなります。
しかし、本来、人事が求められる役割は違うはずです。
人事の仕事を私なりに定義すると、人事の仕事の目的は、
- 会社にとって必要な人を採用し、
- 働きやすい環境・働きがいのある場を提供した上で、
- 従業員の能力を開発し、
- 会社の成長に貢献する
ことです。ゴールは会社の成長に貢献すること、つまりCHROが求められる役割と同じになります。
CHROは、人的資源を統括する立場から経営戦略の立案に積極的に関与します。
事業を行うときに重要なのは「何を」よりも「誰が」です。
この点は、世界的名著である「ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則」のp66でも、過去の偉大な企業に関する検証から、以下のように結論づけています。
このバスでどこに行くべきかは分からない。しかし、分かっていることもある。
適切な人がバスに乗り、適切な人がそれぞれふさわしい席につき、不適切な人がバスから降りれば、素晴らしい場所に行く方法を決められる。
その「誰が」の部分を考えるとき、内部人材だけでなく、外部人材の活用を含め、最適な人材を考えるのがCHROの最大の役割と言えます。
だからこそ、CHROは、経営の全体像を描く立場であるCEOの右腕的存在として、経営戦略の具現化のために必要とされる人材戦略・人材マネジメントを行う存在として、必要とされるわけです。
新しい事業を考えるとき「何を」「どのように」はしっかりと議論するんですが、「誰が」の部分は後回しになりがちですよね。。。
CHROとCHO
今回調べて発見したのですが、日本では、最高人材責任者としてCHO/CHROという用語を用いて紹介されるケースが多いようです。
私の海外にいる友人はCHROという役職を使っていますし、先日のハーバード・ビジネス・レビュー(HBR)の記事でも、CHO/CHROではなく、CHROとしか使っていないのですが・・・
しかも、日本では、CHO(チーフヒューマンオフィサー)は、日本CHO協会の運営主体である株式会社パソナの登録商標になっており使用できないので要注意です。
人事や人材を英語で使うときは、Human ResourceやHuman Capitalという言い方をします。そのため、Chief Human Officerを日本語にすると、人事責任者でなく「人」責任者となり、意味がわからないんですが。
いずれにしても、申請する方も認める方も困ったものです。CEOやCFOも申請したら日本では商標として認められるんでしょうか? 余計なお世話でしょうが、日本の恥を見たような気分になりました。
- 毎年のように改正される労働法令への対応に頭を悩ませている
- 総務や経理などの他の業務を兼務しているので、人事労務業務だけに時間を割けない
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