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まず、育児休業の期間は、原則として、
- 1人の子につき1回、子が出生した日から子が1歳に達する日(誕生日の前日)までの間で、労働者が申し出た期間
です。この「子が出生した日から子が1歳に達する日(誕生日の前日)までの間」という原則について、要件を満たすことで「子が1歳2か月にまで延長できる制度」が、パパママ育休プラスです。
パパママ育休プラスの要件等の内容については以下の記事で解説しています。
関連:パパママ育休プラスの要件・特例期間・利用パターン等の基礎知識
では、実際の利用状況はどうなのか、思い込みやイメージではなく、データを踏まえて正しい状況を説明するのが当事務所のスタンスなので、今回は「令和3年度雇用均等基本調査(厚生労働省)」のデータを紹介します。
パパ・ママ育休プラス利用者の有無別事業所割合
令和2年4月1日から令和3年3月31日までの1年間に育児休業を終了し、復職した労働者がいた事業所のうち、パパ・ママ育休プラスを利用した労働者がいた事業所の割合は、以下のとおり。
利用者あり(女性) | 利用者あり(男性) | |
---|---|---|
平成27年度 | 2.9% | 5.1% |
令和3年度 | 2.7% | 0.7% |
パパ・ママ育休プラス利用者割合
あまりにも事業所調査の数値が低いので、労働者調査を確認してみたところ、以下のとおり。
利用者(合計) | 利用者(女性) | 利用者(男性) | |
---|---|---|---|
平成27年度 | 2.0% | 1.9% | 3.0% |
令和3年度 | 2.3% | 2.4% | 1.8% |
事業所に関係なく、パパ・ママ育休プラスの利用者がそもそも少ないということです。
まとめ
今回のような実態をデータで見ると、パパママ育休プラスはやはり理解しにくい・使いにくい制度であり、育児休業の延長や育児休業の分割制度ほどはニーズがない制度と言えるのかもしれません。
制度開始当初はニーズがあるという見込みだったのかもしれませんが、その後、育児休業関連の制度は着実に増えています。
新たな制度を作るときには、以前の制度のニーズを再調査し、きちんとスクラップ・アンド・ビルドをして欲しいものです。そうしないと企業の負担が増えるばかりですし・・・
なお、育児休業制度は、度重なる法改正の結果、全体像の理解が極めて複雑な難しい制度となっています。ご関心のある方は以下の記事をご参考ください。
- 毎年のように改正される労働法令への対応に頭を悩ませている
- 総務や経理などの他の業務を兼務しているので、人事労務業務だけに時間を割けない
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