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人事制度と人事規程・就業規則の関係

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人が集まれば一定の規律・ルールはどうしても必要です。

会社を効率的に運営していくために必要な規律・ルール、それが人事制度です。

人事制度とは?

人事制度は、役職、等級、評価、賃金テーブルなど、従業員に効率的・効果的に働いてもらうために会社が設定する制度の総称です。

一般的な会社にある人事制度は、

  1. 等級制度
  2. 評価制度
  3. 賃金制度(賞与・退職金を含む)

から構成されます。

等級制度により役職を定めたり、評価制度により定期的な評価の結果、昇給や賞与を決めたりします。

また、賃金制度と一口に言っても、能力に応じた賃金制度であれば職能給制度、職位に応じた賃金制度であれば職務給制度となり、様々な考え方・手法により人事制度は設計されます。

会社は、人事制度を整備することで、従業員のキャリアパスや人事評価基準を示し、従業員のモチベーションの維持・向上を図るわけです。

稀に「うちの会社に人事制度はない」と言う人がいますが、それは大間違いです

会社によって人事制度の簡単さ・複雑さの違いはありますが、人が集っている以上、規律・ルールは必ず存在しています。

「うちの会社に人事制度はない」と言う人は、単に、明示的・書面による人事制度がないというだけで、暗黙の了解、または社長の言動・顔色という形による規律・ルールは必ずあります。。。そう考えると、「うちの会社に人事制度はない」なんて言っているところは、ヤバイ会社かもしれません。

関連:経営に必須な労務管理の3要素とは?

人事制度を明文化するのが人事規程

情報を基にして適応することはできても、創造することは難しい。

創造の世界を開くのは、自分たちの思い(暗黙知)を言葉(形式知)にし、言葉を形に(実践)していくダイナミックなプロセスである。

繰り返しますが、人が集まり組織化されていれば、規律・ルール = つまり、人事制度は必ず存在します。

存在しないと思っているのは、それが明文化されていないだけです。

そして、人事制度を明文化したものが、人事規程です。

ただ、ここまで「人事規程」という表現を用いてきましたが、人事規程に関する法的な定義はなく、法的には「就業規則」となります。あくまで、人事規程は、就業規則の一部という位置付けになります。

なお、就業規則の法的な根拠については、以下の記事で解説しています。

関連:本当は怖い就業規則! よくある間違い・落とし穴を徹底解説!

主な人事規程一覧

就業規則に含まれる主な人事規程は以下のとおりです。

会社によっては、定めていない規程があったり、以下の規程以外にも多くの規程があるかもしれません。

いずれにしても、どんな名称の規程であっても、労働基準法に基づく就業規則との関係について整理が必要です。

人事関係
  • 人事評価規程
  • 育児・介護休業規程
  • フレックスタイム制規程
  • 労働安全衛生規程
  • セクハラ・パワハラ規程
  • 出向規程
  • SNS運用規程
  • 懲戒委員会規程
賃金関係
  • 賃金規程
  • 退職金規程
  • 旅費規程
  • 持株会規程
福利厚生関係
  • 慶弔見舞金規程
  • 社内貸付金規程
  • 社宅管理規程
  • 貯蓄金規程
  • 社有車管理規程

まとめ

たまに「自律した大人・社会人にルールは不要」と戯言を言う経営者がいます。

実際は、本人が自覚していないだけで、従業員は、社長の普段の言動から、暗黙のルールを作り上げていきます。そして社長の言動がコロコロ変わるたびに、暗黙のルールが複雑になっていきます。

暗黙のルールが存在する組織、社長のそのときの気分がルールになる組織では、従業員が振り回されます。極めて不健全な組織です。

もしかしたら、本当に何のルールもない自由な組織もあるかもしれません。しかし、それは自律ではなく、放置・放任の組織ではないでしょうか?

個人商店のような組織がそのまま大きくなってしまったら、どんな結果になるのか、「企業不祥事の研究 - 経営者の視点から不祥事を見る」という本で事細かに解説されています。

会社のルールが全員の頭の中に勝手に存在し、同床異夢になっていれば、それは大きなリスクです。だからこそ、頭の中に存在するルールを明文化することが重要です。

就業規則を公開し、採用や広報の武器としている会社がありますが、その経営者は記事の中で以下のように書いています。

無用な雇用トラブルを避け、かつ、従業員のことを考えるのであれば、ルールの明文化は必須で、それが正に就業規則そのものになります。

関連:就業規則をGitHubに公開し採用や広報の武器にしている会社の実例

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