年俸制のよくある誤解、そして読み方は「ねんぼう」でなく「ねんぽう」

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カテゴリー: 賃金

ある労務関係のそこそこ有名な本を読んでいたら「棒給」と書いていて驚きました。

正しくは「俸給」です。著者も編集者も気づかないものなのでしょうか・・・

年俸制の読み方は「ねんぽう」

さて、そんなに頻繁ではありませんが、たまに年俸制に関する相談を受けることがあります。

ただ、相談を受けるときに「えっ」と思うのが、割合多くの人が「ねんぼうせい」と読むんですよね。

正しくは「ねんぽうせい」、ほに丸をつけて「ぽ」です。読み方を間違えているから「年棒」とか「棒給」とか書いてしまうのでしょう・・・

年俸制の意味

さて、年俸制の意味についてですが、Wikipediaの「年俸」によると以下のとおりです。

年俸(ねんぽう)とは、1年単位で支払われる報酬のこと。または1年間の報酬総額のこと。年給。雇用契約においては労働の給与形態の一種である。

明確な定義は存在していない。まれに「年棒」との表記や「ねんぼう」との発音が見られるが、これらは誤りである。

プロ野球選手の契約更改に関する報道などでよく聞きますが、年間の報酬額のことです。

ちなみに、公務員の基本給は「俸給表」で定められており、級と号俸がわかれば、その人の基本給がわかります。そして読み方は、

  • 俸給表:ほうきゅうひょう
  • 号俸:ごうほう

これも「棒」ではなく「俸」です。

年俸制のよくある誤解

年俸制は賃金の話なので、当然賃金に関する誤解が多いのですが、最も多いのが割増賃金に関するものです。

割増賃金に関する誤解

年間の報酬額を決めて契約するのだから、

  • 時間外割増賃金は不要で良い
  • 年俸の中に割増賃金を含んでいる

と思い込んでいる人が多いのですが、これは間違い。

まず、年俸制にしたからといって、労働基準法に基づく時間外労働に対する割増賃金の支給義務は、免除されません。なので1つ目は明確に間違い。

そして、2つ目の「年俸の中に割増賃金を含んでいる」というのは、いわゆる固定残業代に関係します。

固定残業代とは、あらかじめ時間外の割増賃金を月の賃金に含めて支給する方法であり、年俸の中に、固定残業代を組み込んでおくこと自体は可能です。

しかし、年俸の中に含まれている固定残業代の額が何時間分の時間外労働なのかを明確にしておく必要があります

例えば、1か月30時間の時間外労働を含めた年俸制の額なのであれば、30時間を超えた時間外労働に対しては年俸とは別に割増賃金を支給する必要があります。

賃金の支給時期に関する誤解

さすがに割増賃金に関する誤解よりは少ないのですが、

  • 年俸制だから、年1回、まとめて賃金を支払えば良い

というのも間違いです。以下のように、労働基準法第24条第2項では、賃金の支払いは毎月1回以上、一定の期日を定めて支払うことが義務とされています。

そのため、年俸の総額を12分割にして支払う、または賞与込みの14分割等にして、毎月、一定の期日に支払わなければなりません。

労働基準法第24条第2項(賃金の支払)
賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。

まとめ

こうして見ると、年俸制にすることで、年間の報酬額が一目でわかるというメリットはあるものの、実務的にはそんなにメリットがある制度とは思えないところです。

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