高年齢者の雇用状況の調査結果と定年後の動向(グラフ)

政府の未来投資会議で70歳までの就労機会確保のための継続雇用年齢の引き上げが検討されていますが、現在の高年齢者の雇用状況はどうなっているのかデータをグラフにまとめました。

なお、利用したデータは厚生労働省が発表している「平成30年「高年齢者の雇用状況」集計結果」であり、本記事ではその一部を紹介します。

高年齢者の雇用状況のまとめ

  1. 65歳までの雇用確保措置のある企業は99.8%
  2. 65歳定年企業は16.1%
  3. 66歳以上働ける制度のある企業は27.6%
  4. 70歳以上働ける制度のある企業は25.8%
  5. 定年制廃止企業は2.6%

高年齢者の雇用確保措置

まず基本的な用語を解説しておきます。

高年齢者の雇用確保措置とは、65歳未満の定年の会社は65歳までの安定雇用確保のため、以下のいずれかの措置(高年齢者雇用確保措置)を講じなければならない、というものです(高年齢者等の雇用の安定等に関する法律9条1項)。

  1. 定年制の廃止
  2. 定年の引上げ
  3. 継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度等)の導入

継続雇用制度については以下の記事で解説しています。

関連:継続雇用制度とは? 継続雇用制度の2つの種類・企業の導入状況を紹介!

高年齢者雇用確保措置の実施状況(時系列)

なお、平成25年に大きく数値が落ち込んでいますが「平成25年4月に制度改正(継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止)があったため、平成24年と25年の数値は単純比較できない。」と調査結果資料に付記されています。

高年齢者雇用確保措置の内訳

高年齢者雇用確保措置の3つのうち、圧倒的に多いのが継続雇用制度の導入で、全体の7割を占めています。

なお、この調査では、従業員31人~300人規模を「中小企業」、301人以上規模を「大企業」と分類されています。

60歳定年に到達した人の継続雇用の動向

そして本調査で最も興味深かったのが、意外と「継続雇用を希望しない定年退職者」が多い点です。

「継続雇用を希望したが継続雇用されなかった者」は一定数いるとは思っていましたが。

割合が小さすぎて見えない部分もあるため、人数も示しておくと、60歳定年企業における定年到達者(338,591人)の内訳は以下のとおり。

  • 継続雇用された者は285,866人(84.4%)(うち子会社・関連会社等での継続雇用者は11,834人)
  • 継続雇用を希望しない定年退職者は52,168人(15.4%)
  • 継続雇用を希望したが継続雇用されなかった者は557人(0.2%)

なお、高年齢者雇用確保措置の話をすると誤解される方が多いのですが、高年齢者雇用確保措置では65歳まで安定して働ける制度を準備することを求めているのであり、どんな状況にあっても全員を65歳まで雇用しなさいというものではありません。

具体的には、以下の記事で解説していますが、就業規則に継続雇用しない事由を定めておき、その事由に該当すれば、会社は継続雇用を拒否することができます。

関連:継続雇用制度の対象者に関する誤解と正しい情報・継続雇用は拒否できる?

まとめ

冒頭にも書いたとおり、現在、政府では70歳までの就労機会確保のための継続雇用年齢の引き上げが検討されています。

当事務所の顧問先の多くが中小企業ですが、定年や再雇用の話になるとほぼすべての経営者が「優秀な人は年齢関係なく希望するまで働き続けて欲しい、でもそうでない人の継続雇用を求められても困る」と言っており、これが紛れもない本音でしょう。

ただ辞めて欲しい人がいるならそれは年齢の問題ではなく、能力や業務不適正の問題なので人事制度や就業規則の整備により対応する問題とも言えます。

いずれにしても、継続雇用制度の今後の動向は注視しておくべきです。

参考:平成30年「高年齢者の雇用状況」集計結果

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