中小企業の退職金制度の調査結果:退職金ありは65.9%

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カテゴリー: 退職金
タグ: 統計

退職金は、一般的に賃金や賞与と比べて高額であり、トラブルになりやすいことから、きちんと制度設計をしておく必要があります。

そして、制度設計の際には全体的な動向の把握も重要です。

今回は、従業員10〜299人の東京都内の中小企業を対象にした退職金制度の状況をまとめた調査結果を紹介・解説します。

中小企業に特化した退職金制度に関する調査は珍しいため、中小企業の人事労務担当者には大いに参考になるでしょう。

中小企業の退職金制度の有無

退職金制度について「制度あり」と回答した企業は65.9%、「制度なし」と回答した企業は20.9%です。

ウェブサイト上で追える最も古い調査結果となる平成22年の調査では「制度あり」と回答した企業は81.3%であり、以下のグラフのとおり退職金制度を有する中小企業の数は減少傾向にあると言えます。

注意

以下は本来であればグラフが表示されます。
もしグラフが表示されていない場合はページの更新をしてください。

ただ減少傾向にあるとは言え、まだ7割弱の中小企業に退職金制度があり、「退職金制度なんて大企業だけのもの」と思い込んでいる中小企業の社長がたまにいますが、それは誤解であることがこの調査結果からわかります。

なお、「制度あり」と回答した企業の71.8%が「退職一時金のみ」と回答しており、23.3%が「退職一時金と退職年金の併用」と回答しています。

中小企業における退職金の積立

退職一時金制度の積立方法としては、「社内準備」と回答した企業が60.3%で最も多く、次いで、「中小企業退職金共済制度」と回答した企業が46.6%です。

また、退職年金の場合は、確定拠出企業年金(企業型)、確定給付企業年金の2つで8割以上を占めています。

退職金の算出方法

退職一時金の算出方法として、圧倒的に多いのが「退職金算定基礎額 × 支給率」で43.1%。

大きく引き離されて、次が「勤務年数に応じた一定額」の22.6%、いわゆる定額制と言われるものです。

退職金制度を人事制度の一部として考えたときに最も効果があるのはポイント制なのですが、まだまだ一般的ではないようです。

退職金算定基礎額の算出方法

前述のとおり、退職金の算出方法として圧倒的に多かったのが「退職金算定基礎額 × 支給率」ですが、その退職金算定基礎額は、

  • 退職時の基本給:41.4%
  • 退職時の基本給 × 一定率:28.9%

と約7割の状況です。

「基本給を上げると退職金が増える」とよく言われますが、この調査結果からもそのような実態になっているのがわかります。そもそも基本給と退職金を連動させる必然性はなく、そのように会社が退職金制度を設定しているだけなのですが・・・

退職金受給のための最低勤続年数

退職一時金受給のための最低勤続年数、つまり何年目から退職金の支給対象となるのかという点ですが、調査結果によると「3年」と回答した企業が、自己都合退職(47.4%)、会社都合退職(28.6%)ともに、最も多くなっています。

当事務所でも多くの退職金規程を見ていますが、ほとんどの企業で退職金の対象として最低勤続年数を3年としており、経験的にも同じ状況です。

退職金の特別加算制度

退職金の特別加算制度とは、退職金規程によって定められた退職金の計算方法にプラスして、会社が特別に支給するものです。

退職一時金の特別加算制度をみると、特別加算企業制度がある企業は32.5%となっています。

また、特別加算企業制度があると回答した企業の77.7%が「功労加算」、23.3%が「役付加算」となっています。

当事務所がこれまで見てきた退職金規程では、ほとんどの企業で功労加算の規定があったのですが、特別加算企業制度がある企業が5割を切るほど少ないというのは正直驚きました。

参考:中小企業の賃金・退職金事情(令和2年版)(東京都労働相談情報センター)

まとめ

賃金や退職金の制度設計の際には、同一業種や同一規模の企業の賃金水準等を参考に検討することが基本です。

といっても、多くの統計が大企業中心となっており、中小企業に特化した調査結果というのは珍しいのが実情です。

今回の調査結果は、東京都内の中小企業を対象にしていますが、東京都以外の会社にも大いに参考になるものでしょう。

以下の記事で、学歴別・勤続年数別・自己都合/会社都合による退職金の相場の支給額についてまとめているので、併せてご参考ください。

関連:中小企業の退職金相場の調査結果:定年時は学歴に関係なく約1千万円以上

また、退職金に関する基礎的な内容については、以下の記事で解説していますのでこちらもご参考ください。

関連:退職金の対象、発生時期等の基礎知識を詳細解説

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