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今や週休2日制なんて当たり前と言う人もいれば、週休2日制なんて大企業しか導入していないと言う人もいますが、実態はどうなんでしょうか?
思い込みやイメージではなく、データを踏まえて正しい状況を説明するのが当事務所のスタンスなので、今回は「令和5年就労条件総合調査結果」を用いて、週休2日制を導入している企業の割合、業種別の割合をグラフ化して解説します。
なお、以下の記事で解説していますが、「完全週休2日制」と「週休2日制」という用語は、似ているようで実はまったく異なるため要注意です。
関連:完全週休2日制と週休2日制の違い:1か月で3日も休日数が異なる?
完全週休2日制の企業の割合
それでは「週休2日制の企業は当たり前なのか?」という点に関する調査結果を紹介します。
まず、細かい点ですが「今や週休2日制は当たり前」といった発言をする人の意図は、今の時代「週に2日の休日は当然」ということなのでしょう。
そうすると、確認すべきデータは、完全週休2日制を導入している企業の割合はどうなのか? ということになります。
以下は本来であればグラフが表示されます。
もしグラフが表示されていない場合はページの更新をしてください。
このグラフから以下のことがわかります。
- 最新のR5調査では、完全週休2日制としている企業が53.3%と急激に上昇(R4調査では48.7%)
そして、このデータからわかることは、
- 完全週休2日制の企業はようやく半数を超えた程度であり、当然と言えるほどではない
であり、「今や完全週休2日制は当たり前」という認識は間違いのようです。
なお、平成27年の調査では、調査対象に「複合サービス事業」が加わったことにより、従来よりも数値が押し上げられました。
完全週休2日制を導入している企業の規模別の割合
次に、完全週休2日制を導入している企業の規模別の割合のグラフを紹介します。
規模が小さくなるにつれて、完全週休2日制の導入割合は減少し、100-299人、30-99人規模で、ようやく50%を超えている状況です。
ただ、300-999人規模を除き、すべての規模で昨年調査より大きく上昇しており、100-299人、30-99人規模の上昇は驚きです。
完全週休2日制を導入している企業の業種別の割合(平成29年調査)
最後に、完全週休2日制を導入している企業の業種別の割合もグラフで見ておきましょう。平均を超えている業種は黄色で示しています。
なお、令和5年の調査項目に業種別の割合がないため、以下は最新の結果である平成29年の調査データになります。
こうして見ると、業種間でかなり異なる状況にあることがわかります。
最も高いのは「金融業、保険業」の95.9%、そして最も低いのは「鉱業、採石業、砂利採取業」の24.7%、その差はなんと70%以上です。
金融業、保険業の方からすると、同業他社を見てもほとんど完全週休二日制でしょうから、今や週休2日制は当たり前と感じるでしょう。
逆に、鉱業、採石業、砂利採取業の方からすると、週休2日制の企業なんて見たことがない・・・となるでしょう。
もし、あなたの会社が完全週休2日制を導入しており、同業種の割合が低い(同業他社は完全週休2日制にしていない)のであれば、それは大きなアピール材料になるということです。
まとめ
冒頭で書いたように、今や週休2日制なんて当たり前と言う人もいれば、週休2日制なんて大企業しか導入していないと言う人もいるわけですが、
- 全体的に見るとようやく50%を超えた状況であり、少なくとも当たり前とは言えない
というのがデータからわかる事実です。
ただ、業種や規模によって大きく異なっているのも事実です。
金融業、保険業で働いている方にとっては、同業他社を見ても同じ状況なので、完全週休2日制が当たり前と思っても仕方のないところです。
しかし、何事もイメージでなく、数字で語るべきです。
そして、こういった調査結果や統計をもとに、あなたの会社が対外的にアピールできる点は何かという視点を常に持つことが大事です。
これは今後の採用だけでなく、従業員に対しても「他社に比べて我が社は頑張っている」というメッセージになります。人間、隣の芝生は青く見えるものですからね・・・
なお、今回は休日に関する統計を扱いましたが、そもそも休暇と休日を混同している方がたまにいます。
法的には休暇と休日はまったく違います。以下の記事で詳しく解説していますのでご参考ください。
- 毎年のように改正される労働法令への対応に頭を悩ませている
- 総務や経理などの他の業務を兼務しているので、人事労務業務だけに時間を割けない
といった悩みを抱える企業の経営者・人事労務担当者向けに、公開型のブログでは書けない、本音を交えた人事労務に関する情報・ノウハウ、時期的なトピックに関するメールマガジンを「無料」で配信しています。
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