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外国人技能実習生の実習実施者に対する労働基準監督署による監督指導、送検等の状況が公表され、
- 調査対象の72.6%の事業場(6,556事業場)
で労働基準関係法令違反が認められたということです。6,556事業場が法令違反とは、ものすごい数です。
そもそも外国人技能実習制度は、
- 技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護を図ることにより、企業などでの人材育成を通じた技能等の母国への移転により国際協力を推進すること
を目的としています。
たまに「人手不足だからそろそろ技能実習生を雇おうか・・・」と寝惚けたことを言う人がいるそうですが、目的は「企業などでの人材育成を通じた技能等の母国への移転」「国際協力」であり、人材不足解消のための制度ではありません。
主な労働基準法令の違反事項
違反事項を多い順に並べると、
- 使用する機械等の安全基準:24.4%
- 割増賃金の支払:16.0%
- 労働時間:14.9%
- 年次有給休暇:12.6%
- 賃金の支払:10.0%
- 就業規則:8.6%
- 衛生基準:7.1%
- 労働条件の明示:6.8%
- 賃金台帳:6.0%
- 健康診断:5.8%
- 時間把握:4.0%
- 法令等の周知:3.5%
いずれも、労働基準法令、労働安全衛生法令の基本的なことばかりです。
おそろしいことに、第1位の違反は「使用する機械等の安全基準」となっており、監督指導の事例の中に、
食品製造を行う事業場において、ベルトコンベヤーの回転部分に指が挟まれる労働災害が発生したため、立入調査を実施したところ、ベルトコンベヤーの掃除を行う際に機械の運転を停止していなかったことが認められた。
とあります。安全対策の基本すらできていない事業場が人を雇ってはいけません。指の切断といった事態になっていなければ良いのですが・・・
労働基準監督機関と出入国管理機関等との相互通報の状況
発表資料の中で興味深かったのが、以下の労働基準監督機関と出入国管理機関等との相互通報の状況の状況です。
相互通報とは、技能実習生の労働条件の確保を図るため、労働基準監督機関、出入国管理機関・外国人技能実習機構との間で、相互に通報し、合同監督・調査を実施するものです。
以下は本来であればグラフが表示されます。
もしグラフが表示されていない場合はページの更新をしてください。
外国人技能実習生の実習実施者から見たら、労働基準監督署なんて怖くないかもしれません。
しかし、出入国管理機関や外国人技能実習機構に問題を知られれば外国人技能実習生の受け入れが不可能になり、ビジネスとして致命傷になります。
当事務所の顧問先の中にも技能実習生を受け入れている会社がありますが、まじめにやっている会社がバカが見るのは許せません。本当に行政機関が連携して対応するのは良いことです。
- 毎年のように改正される労働法令への対応に頭を悩ませている
- 総務や経理などの他の業務を兼務しているので、人事労務業務だけに時間を割けない
といった悩みを抱える企業の経営者・人事労務担当者向けに、公開型のブログでは書けない、本音を交えた人事労務に関する情報・ノウハウ、時期的なトピックに関するメールマガジンを「無料」で配信しています。
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