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業務上の目標設定や人事評価による目標管理の在り方と、仕事に対するモチベーションの関係性に関する国の調査をグラフを用いて紹介します。
業務上の目標設定や人事評価を行っている会社もあれば、無意味であると否定的な会社もあり、様々な議論はありますが、平成30年版の労働経済白書によると、業務上の目標設定や人事評価による目標管理の在り方は、仕事に対するモチベーションに影響することが明らかにされています。
目標設定の状況別及び人事評価制度に対する満足度別にみた仕事に対するモチベーションの状況
以下は本来であればグラフが表示されます。
もしグラフが表示されていない場合はページの更新をしてください。
まずグラフの見方を説明すると、横軸は、仕事に対するモチベーションが向上した割合として、
- モチベーションが上昇した人の割合 − モチベーションが低下した人の割合
が示されています。
ある意味、当然の結果とも言えますが、「従業員の目標設定があり、従業員が人事評価に満足している」と回答した人は、どの役職においても、仕事に対するモチベーションが向上していることがわかります。
一方、「従業員の目標設定があるが、従業員が人事評価に満足していない」「従業員の目標設定をしていない」の場合では、モチベーションが低下している割合の方が高くなっています。
この結果をまとめると以下のとおりです。
- 目標設定や人事評価を適切に行えばモチベーションは向上する
- 不満足な目標設定や人事評価を行えばむしろモチベーションは低下する
- 係長以上などの役職の人は目標設定がない場合が最もモチベーションが低下する
目標の管理・指導頻度別にみた正社員の仕事に対するモチベーションの状況
次に、目標管理・指導の頻度と仕事に対するモチベーションの関係性を示したのが上の図です。
「アメリカでは人事評価をもうしなくなった」という誤解が昨年広まっていましたが、正しくは年次評価を止め、短期間によるフィードバックを重視するようになったということです。
評価の目的を業績査定ではなく、育成にスライドさせたわけです。
この調査結果からも、目標指導・管理が実施されている頻度が多いほどモチベーションの向上が見られるということがわかります。
当事務所でも人事評価のご相談を受けるときにも、フィードバックをせずに書面だけで人事評価制度を行うのならムダだから止めた方が良いと言ってきましたが、この調査結果からもそれは明らかでしょう。
労力をかけて人事評価を行っても、フィードバックをしないならモチベーションが低下するわけですし・・・
関連:人事制度の構築手法としてアジャイル人事は検討の価値あり
人事評価制度に満足していない理由
最後に、従業員が人事評価制度に満足していない理由を示したのが上の図です。
最も多い理由が「評価が不明瞭で、恣意的になっている」で他の理由に比べても圧倒的に多い状況です。
会社として何を評価するのかを示し、従業員の行動を誘導していくのが目標設定・人事評価の目的です。
従業員が「不明瞭で恣意的」と感じてしまうのなら、制度の運用としては致命的な失敗と言えます。
制度の導入や運用を行う際には、従業員との共有を行うことが大事です。
たまに「意見を聞いてばかりいたら制度の導入はできない」という人がいますが、それは共有の仕方に問題があるだけの話です。
何を評価するのかも共有せずに、勝手に評価したところで満足を得られるはずがなく、モチベーションを上げるどころか、モチベーションが下がってしまうというのがこの調査結果からもわかります。
なお、当事務所では人事評価制度の導入・運用支援のコンサルを行っていますので、ご関心がありましたらご相談ください。最近は、特に100名以下の会社からのご依頼が多い状況です。
- 毎年のように改正される労働法令への対応に頭を悩ませている
- 総務や経理などの他の業務を兼務しているので、人事労務業務だけに時間を割けない
といった悩みを抱える企業の経営者・人事労務担当者向けに、公開型のブログでは書けない、本音を交えた人事労務に関する情報・ノウハウ、時期的なトピックに関するメールマガジンを「無料」で配信しています。
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