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副業・兼業の希望者は増加中
厚生労働省が平成30年1月に作成した「副業・兼業の促進に関するガイドライン」では、
- 副業・兼業を希望する者は年々増加傾向にある
ことが以下の調査により紹介されています(総務省:就業構造基本調査)。
以下は本来であればグラフが表示されます。
もしグラフが表示されていない場合はページの更新をしてください。
多くの企業は副業・兼業を認めていない
その一方、多くの企業は以下のように副業・兼業を認めていません(中小企業庁委託事業「平成26年度兼業・副業に係る取組実態調査事業」)。
- 副業・兼業を推進していないが容認している:14.7%
- 副業・兼業を認めていない:85.3%
副業・兼業に対する法規制はない
しかし、実は、昔も今も、副業・兼業自体への法的な規制はありません。
では、なぜ多くの企業が副業・兼業を認めていないのでしょうか? それは企業による以下の懸念からです。
- 自社での業務がおろそかになる
- 情報漏洩のリスクがある
- 競業・利益相反になる
また、副業・兼業に係る就業時間や健康管理の規制の取扱いルールが分かりにくいため、企業として躊躇してしまうということも理由でしょう。
しかし、労働者が副業・兼業を行うことは原則として自由です。
副業・兼業に関する裁判例
実際、裁判例では、労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは基本的には労働者の自由であり、各企業においてそれを制限することが許されるのは、
- 労務提供上の支障となる場合
- 業務上の秘密が漏洩する場合
- 競業により自社の利益が害される場合
- 自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合
とされています。簡単に言い換えると、
- 本業での労働時間以外にどんな仕事をしても基本はOK
- ただし、その仕事が本業に悪影響を及ぼしてはダメ
ということです。
副業・兼業は原則自由
以上をまとめると、
- 国は、従来から副業・兼業を禁止するために規制をかけていたことはない
- 裁判例では、むしろ企業による副業・兼業の制限を限定的に認めていたにすぎない
- 一律に副業・兼業を禁止していたのは企業独自の判断
というのが事実です。こうして見ると「国が副業・兼業を解禁」といった報道がいかに間違いなのか、よくわかります。
2020/9/4追記
令和2年9月に改定された「副業・兼業の促進に関するガイドライン」について以下の記事で解説しています。
- 毎年のように改正される労働法令への対応に頭を悩ませている
- 総務や経理などの他の業務を兼務しているので、人事労務業務だけに時間を割けない
といった悩みを抱える企業の経営者・人事労務担当者向けに、公開型のブログでは書けない、本音を交えた人事労務に関する情報・ノウハウ、時期的なトピックに関するメールマガジンを「無料」で配信しています。
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