※当サイトはリンクに広告ページが含まれている場合があります
似ているようで実は意味や使い方が異なる「規定」と「規程」。社労士でもよく間違っている「規定」と「規程」の違いを解説します。
規定と規程の違い
「規定」と「規程」、日常生活であまり使用する言葉ではありませんが、法律関係の用語や会社の文書でよく利用されていますが、とにかく誤用が多い用語です。
我々のような社労士の場合、就業規則の作成や修正の際に利用しますが、法令用語を用いる社労士が間違うのは致命的です。それほど「規定」と「規程」は全く異なるものです。
規定と規程の違いを、最も簡単に説明すると、以下のようになります。
- 規定:1つ1つの文章
- 規程:規定がまとまった1つの文書
人事労務の関係では、就業規則の他に、賃金規程、退職金規程、旅費規程など様々な会社のルールを定めた文書がありますが、文書のタイトルに使われるものが「規程」です。
そして「規定」は、その規程の中の1つ1つの文章・条文のことです。
つまり、1つ1つの規定が集まり、できあがった最終的な文書が「規程」であり、以下のようなイメージです。
- 規程 = 規定 + 規定 + 規定 +・・・・・
規定と規程の実例
では、以上の説明を踏まえて、規定と規程との実例として、絶対に間違いがない(はずの)文書を取り上げます。
まず、規程の実例として、参議院HPを見ると「両院協議会規程」というのがあります。両院協議会「規定」とはなっていませんよね?
次に、規定の実例です。
「日本国憲法」の中で「法律の規定を実施」という条文がありますが、これは、法律の条文1つ1つということを意味しています。ちゃんと「規程」ではなく「規定」になってますよね?
- 日本国憲法第73条第6項
- この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。但し、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。
ちなみに、私が国家公務員として働いていたとき、発出する文書・文章のチェックを二人一組で読み合わせしていましたが、規程を「きほど」、規定を「きさだ」と読み、その違いがきちんと反映されているか確認していました。
まとめ
御社の就業規則の中、または別規程として「賃金規定」「退職金規定」となっていませんか?
正しくは「賃金規程」「退職金規程」です。
もし、社労士に依頼したもので「規定」と「規程」の誤用があったら要注意です。
もちろん、私にも変換ミスや誤字脱字はあります。ただ、複数箇所で間違っていたらそれは「誤用」ではなく「誤認」であり、法令の読み方・解釈をきちんとできる社労士なのか確認した方が良いでしょう。
ちなみに「許可」と「認可」の違いもよく混同されがちです。 以下の記事で解説していますのでご参考下さい。
- 毎年のように改正される労働法令への対応に頭を悩ませている
- 総務や経理などの他の業務を兼務しているので、人事労務業務だけに時間を割けない
といった悩みを抱える企業の経営者・人事労務担当者向けに、公開型のブログでは書けない、本音を交えた人事労務に関する情報・ノウハウ、時期的なトピックに関するメールマガジンを「無料」で配信しています。
過去の配信分は公開しません。
情報が必要な方は、いますぐ以下のフォームから購読の登録をしてください。購読して不要と思ったら簡単に解除できますのでご安心ください。