※当サイトはリンクに広告ページが含まれている場合があります
休日とは
休日とは、労働契約上、あらかじめ「労働義務がない日」と定められている日のことです。
休日は、一般的に、就業規則等で以下のように規定されていますが、この意味は「以下の日には労働義務がない」ということです。
- 日曜日
- 国民の祝日に関する法律に定める日
- その他会社が指定する日
休日とよく混同されるのが休暇ですが、休暇は、もともと労働義務がある日について、後から労働者の申請により労働義務が免除される日または時間のことです。
休日と休暇の違いについては以下の記事で解説しています。
関連:休日と休暇の違い・多くの人事労務担当が知らない残業代への影響
労働基準法における休日とは
労働基準法における休日とは、暦日の0時から午後12時までのことです。継続して24時間の労働義務がない時間帯を作ったとしても、休日を与えたことにはなりません(昭23.4.5 基発第535号)。
そのため、以下の場合はいずれも労働基準法が求める休日を付与したことにはなりません。
- 前日の時間外労働が、法定休日とされている日の午前0時をまたいでしまった場合
- 法定休日の午後12時(24時)以前に労働が開始された場合
労働基準法における休日の例外
原則は上のとおり休日暦日制となりますが、以下のように一部例外的な措置が認められています。
8時間3交替連続勤務の番方編成の場合
番方編成による交替制の場合で次のいずれにも該当するときは、休日は継続24時間を与えればよいとされています(昭63.3.14 基発第150号)
- 番方編成による交替制によることが就業規則等に定められており、制度として運用されていること
- 各番方の交替が規則的に定められているものであって、勤務割表等により、その都度設定されるものではないこと
旅館業の場合
フロント係、調理係、仲番および客室係に限って、2暦日にまたがる休日となることやその時間帯が労働者に明示されており、正午から翌日の正午までの24時間を含む継続30時間(当分の間27時間)の休息が確保されれば、当面の取り扱いとして、休日を付与したと認められることになっています。
なお、この取り扱いを行う事業場に対しては、以下の行政指導が行われます(昭57.6.30 基発第446号、昭63.3.14 基発第150号、平11.3.31 基発第168号)。
- 年間の法定休日のうち少なくとも2分の1以上は暦日で与えること
- 年間に法定休日数を含めて60日以上の休日を確保すること
自動車運転者の場合
タクシー、トラック、バス等の自動車運転者については、
- 30時間以上の連続した時間(タクシーの場合は32時間以上)が休日
として認められています。
ただし、休日を2日連続で取得させる場合には、2日目については、連続24時間の休業で足りるとされています(平元.2.9 労働省告示7号、最終改正:平30.9.7 厚生労働省告示322号、平元.3.1 基発第93号)。
労働基準法による休日の日数
労働基準法では、会社に対して、週1日または4週間に4日以上の休日の付与を義務付けています。これが法定休日です。
労働基準法法令では、単に「休日」と書いていますが、これは法定休日を示すことに注意してください。
- 労働基準法第35条(休日)
-
- 使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない。
- 前項の規定は、4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者については適用しない。
労働基準法における休日の原則は、週に1回の付与です。ただし、4週間を通じて4日以上の休日の付与という「変形休日制」も労働基準法では認められています。
法定休日と所定休日の違い
労働基準法が求める法定休日に加え、会社が設定する休日、それが所定休日です。
休日に関する規定は、就業規則の絶対的必要記載事項です。そのため、就業規則には必ず所定休日を定めなければなりません。
法定休日と所定休日の違いをまとめると以下のとおりです。
- 法定休日:労働基準法第35条により義務付けられた休日
- 所定休日:就業規則等で会社が設定した休日
例えば、週休2日制の会社では、2日が所定休日、そのうちの1日が法定休日となります。
日曜や祝日を休日としなければならないか?
「日曜や祝日を休日としなければならないか?」という質問をたまに受けます。
労働基準法は、週1日の法定休日の付与を求めているだけで、日曜や国民の祝日を休日にすることまで求めてはいません。
そのため、企業は日曜や祝日を休日とする義務はなく、日曜や祝日を勤務日とし、それ以外の日を法定休日としても構いません。
法定休日を特定しなければならないか?
また、就業規則の作成支援をしているときなど、たまに「法定休日を特定する必要があるか?」という質問を受けます。
法定休日の特定は、法律上の義務ではありませんが、行政指導の対象になります。
ただし、割増賃金の計算で必要になりますし、実務的にも特定することが必要なはずです。
休日の振替
法定休日に出勤が必要となる場合は実務上あり得ます。
この場合、会社は休日と労働日の振替をする(振替休日)、休日労働の代わりに労働日に休ませる(代休)といった対応を行いますが、多くの会社が振替休日と代休を混同しています。
そしてこの混同により、意図せず法違反となっています。詳しくは以下の記事で解説しています。
関連:振替休日と代休の違い:運用により賃金額が異なるので要注意
休日の付与に関する罰則
休日の付与に関する労働基準法第35条に違反した場合、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金となります(労働基準法第119条第1号)。
労働者の自発的意思に基づいた休日労働であっても、労働基準法第35条に基づく休日の付与ができていない場合は、本条違反となるためご注意ください。
なお、会社の規模別、業種別の年間休日数の平均、完全週休2日制と週休2日制の違いなど、知っているようで意外と知らない点について、以下の記事で公的データをもとに、解説していますのでご参考ください。
- 毎年のように改正される労働法令への対応に頭を悩ませている
- 総務や経理などの他の業務を兼務しているので、人事労務業務だけに時間を割けない
といった悩みを抱える企業の経営者・人事労務担当者向けに、公開型のブログでは書けない、本音を交えた人事労務に関する情報・ノウハウ、時期的なトピックに関するメールマガジンを「無料」で配信しています。
過去の配信分は公開しません。
情報が必要な方は、いますぐ以下のフォームから購読の登録をしてください。購読して不要と思ったら簡単に解除できますのでご安心ください。