年間休日の平均が105日や120日は間違い(統計)

「会社の年間休日数は何日ですか?」という質問にすぐに回答できますか? 年間休日の平均は105日や120日と言われますが、それが間違いであることを統計を用いて解説します。

年間休日数の平均は何日?

思い込みやイメージではなくデータで説明するのが当事務所のスタンスなので、今回は「平成30年就労条件総合調査結果」を用います。

同調査の「年間休日総数」をグラフにしたのが以下の図です。

まず、全体的な結果として、最も多い年間休日数は100〜109日の34.0%、次に120〜129日の23.8%となっています。

規模別に見ると、

  • 300人以上の規模の企業では120〜129日
  • 299人以下の企業では100〜109日

が最も多くなっています。

そして、1企業平均年間休日総数、労働者1人平均年間休日総数は以下のとおりです。

1企業平均年間休日総数(日) 労働者1人平均年間休日総数(日)
平成30年調査計 107.9 113.7
1,000人以上 114.9 118.0
300-999人 112.5 114.4
100-299人 110.3 111.9
30-99人 106.4 107.9

つまり「年間休日数の平均は何日?」と聞かれたとき「誰から見たときの平均なのか」ということで以下のように回答は変わるということです。

  • 1企業平均では107.9日
  • 労働者1人平均では113.7日

業種別の年間休日数

規模別に整理したのが以下のグラフです。こうして見ると、全体的には100-109日の業種が多いのですが、

  • 電気・ガス・熱供給・水道業
  • 情報通信業
  • 学術研究、専門・技術サービス業

は120-129日が多いことがよくわかります。

会社の年間休日数は何日?という質問が重要な理由

冒頭で「会社の年間休日数は何日ですか?」という質問にすぐに回答できますかという質問をしましたが、なぜこの質問が大事なのでしょうか。

それは、残業代の計算には、所定労働日数が必要であり、また法定帳簿である賃金台帳に記載する義務があるからです。

年間休日数は、以下のように計算すればすぐにわかります。

  • 365日(または366日) - 年間所定労働日数 = 年間休日数

つまり、会社の年間休日数を質問されて、会社で作成している業務カレンダーがあれば素晴らしい会社ですし、賃金台帳が適切に作成されていれば、それを見ればすぐに回答できます。

意地悪な言い方ですが、もし質問に対して、一般のカレンダーを用いて数え始めたら、人事労務初心者とみなされますし、現状として法違反の可能性すらあります。

この理由については以下の記事で詳しく解説しています。

関連:割増賃金の基礎となる1時間当たりの賃金の計算方法を詳細解説

なお、法定帳簿である賃金台帳の記載項目については以下の記事で解説しています。

関連:賃金台帳とは? 記載事項・保存期間・書き方を解説(記入例あり)

カレンダー通りの年間休日数だと120日前後

驚いたことに、年間休日数の平均日数についてインターネットで調べてみると、平均105日やら平均120日やら妙な数字が飛び交っています。

で、内容を見てみると、どうもカレンダー通りに土日祝日が休みの場合の数字として平均120日と言っているようです。

ちなみに、2016年の年間休日数は121日、2015年は120日なのですが、それは平均とは言わないでしょ。。。。

先程の規模別の図によると、3〜5割の年間休日数が120〜129日となっていますが、カレンダー通りの休日数である120日前後に、盆や年末年始の特別な休暇が入ってこの数字になっているのでしょう。

労働基準法と年間休日の関係

たまに質問されますが、労働基準法の中で休日に関係する規定は以下の部分のみです。

年間休日数ではなく、1週間に1回の休日を与えなければならないとなっているだけです。

年間365日、または366日で考えると、52週に端数が生じるため、少なくとも53日の休日というのが最低限の年間休日となります。

労働基準法第35条(休日)
  1. 使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない。
  2. 前項の規定は、4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者については適用しない。

ただし、注意しなければならないのは、労働時間の規制、1日8時間、1週40時間という規制です。

年間の法定労働時間については以下のように計算することができます。

  • 365日 ÷ 7日 × 40時間 = 2085.7時間

時間外労働、いわゆる残業がないとして、法定の1日8時間労働として計算すると、年間所定労働日数は260日になるため、年間休日数は以下のようになります。

  • 365日(または366日) - 260日 = 105日(または106日)

この計算によって年間休日数が105日という数字が出てくるわけです。

まとめ

今回は、年間休日の平均が105日や120日と言われる理由、そしてそれが間違いであることを統計データを用いて解説しました。

統計や法律を踏まえた上で実態を見てみると、意外と面白い発見があると思いませんか?

法律を読むのが好きと言ったら変態と言われたことがありますが、実は統計データを見るのも大好きです。

当事務所がコンサルを行うときは、思い込みやイメージではなくデータを必ず用います。 最近は働き方の見直しということで休暇や休日に関するご相談もありますが、その際にはこのような客観的なデータを用いてください。

なお、休暇と休日について混同している方がたまにいますが、休暇と休日は法的にまったく違います。以下の記事で詳しく解説していますのでご参考ください。

参考:休日と休暇の違い・混同すると割増賃金に影響が・・・

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