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育児休業は多くの方に認知されていますが、法的に義務付けられている「仕事と育児の両立支援制度」には他にも様々なものがあります。
今回はその1つである「育児短時間勤務制度」について解説します。
育児短時間勤務制度とは?
育児短時間勤務制度とは、正確に言えば、育児・介護休業法で定められている「育児のための所定労働時間の短縮措置」のことであり、簡単に言えば、
- 会社は、3歳未満の子を養育する従業員が希望すれば利用できる短時間勤務制度を設けなければならない
というものです。
そして、短時間勤務制度は、1日の所定労働時間を原則として6時間としなければなりません。
もちろん、会社に求められているのは制度を設けることであって、利用するかどうかは従業員次第です。
- 育児・介護休業法第23条(所定労働時間の短縮措置等)
- 事業主は、その雇用する労働者のうち、その3歳に満たない子を養育する労働者であって育児休業をしていないもの(・・・略・・・)に関して、・・・労働者の申出に基づき所定労働時間を短縮することにより当該労働者が就業しつつ当該子を養育することを容易にするための措置(育児のための所定労働時間の短縮措置)を講じなければならない。ただし、・・・(略)・・・
- 育児・介護休業法施行規則第74条
- 育児のための所定労働時間の短縮措置は、1日の所定労働時間を原則として6時間とする措置を含むものとしなければならない。
育児短時間勤務制度の対象となる従業員
育児短時間勤務制度の対象となるのは、以下のいずれにも該当する従業員です。男女ともに対象となります。
- 3歳未満の子を養育する従業員であって、短時間勤務をする期間に育児休業をしていない
- 日雇い労働者ではない
- 1日の所定労働時間が6時間以下でない
- 労使協定により適用除外とされた従業員でない
なお、労使協定は企業の労使が定めるものなので、当然労使協定を作成しないのも自由です。適用除外ができないだけですし。
労使協定により適用除外ができる従業員
労使協定により適用除外ができる従業員については、育児・介護休業法第23条のただし書きとして以下の要件が定められています。
- 当該事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない従業員
- 1週間の所定労働日数が2日以下の従業員
- 業務の性質又は業務の実施体制に照らして、短時間勤務制度を講ずることが困難と認められる業務に従事する従業員
ただし、3に該当する従業員を適用除外にした場合、代替措置として以下のいずれかの制度を講じる義務があります。
- 育児休業に関する制度に準ずる措置
- フレックスタイム制度
- 始業・終業時間の繰り上げ・繰り下げ(時差出勤の制度)
- 従業員の3歳に満たない子に係る保育施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与
まとめ
以上のとおり、育児短時間勤務制度の内容自体はシンプルです。
しかし、育児には想定できない場合が多くあるため、従業員からの要望は多岐に亘ります。
そのため、育児短時間勤務の開始時期・終了時期を含め、就業規則(育児・介護休業規程)を定める際には手続き面などの書き方に注意点が多いというのが実情であり、この機会に現在の規定をチェックしておきましょう。
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