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職場うつ病の原因に関する衝撃的な研究結果

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今年の12月から、50人以上の従業員を抱える事業場は、ストレスチェック制度の導入を義務づけられますが、準備は順調ですか?

対応が後手に回りがちですが、従業員1人当たりの業務への影響が大きい中小・零細企業こそ、メンタルヘルスへの対応は積極的に行うべきです。

今回は、定説を覆す衝撃的な研究結果である職場のうつ病の原因、中小企業こそメンタルヘルス対策に積極的に取り組むべき理由を解説します。

うつ病は、実は身近な病気

馴染みのない方だと驚きの数字かもしれませんが、厚生労働省が運営するポータルサイト「こころの耳」によると、

  • うつ病は、日本では約15人に1人が、一生のうちに一度はかかる病気

といわれており、実は「誰がいつなってもおかしくない」と言えるほど、身近な病気です。

うつ病の症状とは?

ポータルサイト「こころの耳」によると、うつ病の症状・サインは以下のとおりです。

体の面
  • 睡眠の変化:朝早く目が覚めてしまう、夜中に何度も目が覚めて眠れない、寝つきが悪いなど。
  • 食欲・体重の変化:食欲がない、食べてもおいしくない。食欲が急に増えた。体重が減った、または増えた。
  • 疲労がとれない:朝からぐったりと疲れきっている。疲労感がぬけない。
  • その他の変化:頭が重い、肩・首が重い。下痢や便秘が続く。
こころの面
  • 憂うつ感:気分が落ち込んでいる、何事にも悲観的になる。憂うつだ。
  • おっくう感:何事にも興味がもてない、何をするにもおっくうだ。
  • 焦り、不安感:イライラして落ち着きがない。不安だ。
行動の面
  • 遅刻・欠勤:会社に遅刻することが増えた、欠勤することが増えた。
  • 出社拒否:会社に行きたがらない。
  • 会話:口数が減る、「自分はだめな人間だ」など否定的な発言が増える。
  • 日常生活:新聞やテレビを見なくなった。人との接触を避けるようになった。

この中の1つ1つは、誰もが経験したことのあるものではないでしょうか? 私はあります・・・😰😰😰

これらの「サイン」が10日から2週間以上続く場合は、要注意のようです。

職場のうつ病の原因は、嫌な上司や職場環境

職場うつ病の原因は「嫌な上司」や「平等でない職場環境」にあることを示す研究結果があります。

この研究の中での興味深い発見というのは、

  • 「労働者が自身の職場環境をどう思っているのか」を把握し、職場環境を改善すること

が、労働時間の減少よりも職場うつ病のリスクを減らすことに効果的であるというものです。

これは、まさしくストレスチェック制度の目的である「労働者自身によるセルフケア及び職場環境改善を通じメンタルヘルス不調の未然防止を図る一次予防」と一致しています、というより、まさにそのものです。

長時間労働、いわゆる過労の影響の方が大きいと思っていたので、正直びっくりしました。職場環境というのは想像以上に重要なんですね。

参考:職場うつ病の原因が過労でなく上司や職場環境であることを示す研究が発表される

まとめ

研究を行ったGrynderup博士は

職場環境の改善が職業うつ病のリスク減少につながるとわかった今、透明性のある組織の仕組みをベースにした、労働者を対等に扱うマネジメントが職場うつ病を減らす上で重要になってくる。

と述べています。

この研究結果からも、ストレスチェック制度に対しては、法的な義務だからと後ろ向きに考えるのではなく、今まで管理職の属人的なマネジメントに頼っていた従業員一人一人のストレス把握を組織的に行う機会を得たと考えるべきです。

なお、私も管理職をしていたときに、うつ病の部下がいたことがあります。

といっても、私が着任したとき、既にその人はうつ病患者であり休職中という状態でした。管理職の職務の中に、毎日の連絡、定期的な部下との面談・通院の同行・主治医との面談が入っており、正直かなりの負担でした。もちろん、私1人で対応できるものでなく、多くの周囲のサポートがあって、日々なんとか乗り切る状態でした。

ただ、もし私がその部下のうつ病発症前に出会ったとして、サインを見逃すことなく対応できたかと考えると、その自信はありません。。。

私の経験から言えることは、うつ病は他人事ではなく、自分、親しい友人、職場の同僚・部下がなるかもしれないこと、そして既に身近な病気であり、日頃から意識を持って情報収集を欠かさないこと、サインが出たように感じるなら早めに病院に行きましょうということです。

関連:メンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者又は退職した労働者がいた事業所の割合は10.1%

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