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マイケル・E. ガーバーの名著「はじめの一歩を踏み出そう - 成功する人たちの起業術」では、経営の成功のためには、起業家、管理者、職人という3つの属性が必要不可欠であると指摘しています。
1人で事業を行うのであれば「起業家」「管理者」「職人」の3つの属性をバランス良く、状況に応じてまるで人格を変えるかのように変身することが成功の秘訣ということです。
集団による会社組織の場合は「起業家」「管理者」「職人」の3つの属性を1人で担う必要がなく、1つの属性に秀でた人を採用しバランス良く配置すれば良い、これこそが会社の利点と言えます。
つまり、マイケル・E. ガーバーが指摘する重要な点は求められている役割はそれぞれ異なるということです。逆にいえば、役割が重複するのであれば、そもそもその役割は不要ということであり、役割のバランスを崩しているとき組織はおかしくなっているということでしょう。
管理者の役割は具体性
ほぼ日本中のすべての会社で「効率的な仕事」が求められています。しかし、管理職が部下に対して「効率的に仕事をしよう」と言ってはダメです。
「効率的に仕事をしよう」という言葉は、管理者の役割ではなく経営者の役割として発すべき言葉だからです。
新規事業や業務改善など組織として成長するために新しいことにチャレンジしていかなければ、組織は停滞します。経営者は社員に継続して根気強くハッパをかけていかなければなりません。
経営者の役割はエネルギー注入
「何も言わなくてもみんなわかってくれる」というのは、もはや今の時代間違いです。
海外に進出した企業はこの問題を痛感します。
日本で日本人を相手に働いていると「何も言わなくてもみんなわかってくれる」という状態に慣れてしまい、しまいには「言われる前に気づきなさい」などと相手に責任転嫁すらしてしまう経営者や管理職ばかりになります。
こんな甘えた状態で海外に進出したときに痛感するわけです。「言わなきゃ誰もやってくれないんだ・・・」と。
新しいチャレンジには多大なエネルギーが必要です。だからこそ、経営者は言わば「かけ声」をかけ続けてエネルギーを注入し続ける必要があります。
管理職の役割は具体化し部下を動かす
そして、管理者はその「かけ声」を具体的なものに落とし込んでいかなければなりません。つまり管理者の役割は経営者の求める内容を具体化して部下に指示することです。
「自律的な働き方」「部下に業務の取捨選択を任せる」といった言葉は耳障りの良い言葉ですが、多くの場合、単なる「無管理」な状態となっています。
部下が持ってきた書類に印鑑を押すことだけが管理職の仕事ではありません。管理職が部下に「効率的に仕事をしよう」などと脳天気な言葉を言ってはいけません。
「できる管理職」と「できない管理職」の大きな違いは部下を動かせるかどうかです。仮にプレイヤーとして能力が低い人でも、部下を動かせるのであれば、それは優秀な管理職です。
管理職が言うべき言葉は「効率的に仕事をしよう!」ではなく、
- みんなが効率的に仕事をするのに、私が管理職としてできることは何だろうか?
という質問です。顧客からの現実の要望に対処している現場の社員が社内の煩雑な手続きに苦労しているなら、社員が働きやすいように改善するのが管理職の役割です。
管理職の権限と重い責任
そもそも管理職とは何か、なぜ部下がいるのか、法的に管理職はどのような位置付けなのかを理解しておくことも重要です。
中間管理職という名称のように管理職は経営者と従業員の間に入っていますが、労働法的には、管理職は使用者・労働者の双方の面を有する、法的には重い責任が課されています。
問題が起こったら経営者や人事の問題と思っている管理職が意外と多くいますが大きな間違いです。直接的な責任を負い、逃げることができないのは直属の管理職です。
以下の記事で詳しく解説していますが、管理職は、法的には企業経営権の分担行為者としての「利益代表者」、そして労働契約上の労働力の使用処分権限の分担行為者としての「使用者」と位置づけられています。
まとめ
管理職の役割や責任は時代とともに重くなっています。
国の調査によると「61%の人が管理職に昇進したくない」と思っているというデータがあるとおり、現代の管理職の悩みは多い状況です。
そのため、管理職は人事労務部門と緊密に連携することが重要であり、人事労務部門は現場の一人一人の管理職を積極的に支援する役割を担わなければなりません。
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