社員のモチベーションを上げる科学的理論と非金銭的な報酬の活用

社員のモチベーションを上げる方法として賃金や賞与など金銭的な報酬を考えがちですが、それ以外にも様々な方法があります。

今回は、モチベーションの理論と非金銭的な報酬によるオススメの活用法を紹介します。

モチベーションの理論

モチベーションの理論として有名なのがマズローの欲求5段階説。

人の欲求は以下のように、自己実現欲求、尊厳欲求、社会的欲求、安全欲求、生理的欲求の5段階に分けられ、下位の欲求が満たされてはじめて上位の欲求に進んでいくというものです。

かなり有名な理論なのですが調べてみると古典派ということで、現代では様々な批判もあるようです。

ただ、詳しくは以下の記事で解説しているとおり、会社として人事制度の構築や見直しの実務を行う上では役立つ理論です。

関連:人事制度の構築に役立つマズローの欲求5段階説の利用法と注意点

仕事におけるモチベーション

社員のモチベーションを上げる方法を考えるときに、マズローの欲求5段階説に当てはめてみると、金銭的な報酬というのは生理的欲求や安全欲求に分類されるものですが、これらは下位に位置づけられているものです。

つまり、生理的欲求や安全欲求が満たされている人に対しては、効果が限定的ということです。

年間1,000万円を稼いで生活が安定している人に賞与・ボーナスを出しても、もちろん喜ぶでしょうが、会社が期待する以上に喜ばれることはないでしょう。

それよりも「あなたにしかできない仕事だからぜひともお願いしたい」、「あなたがいなければうちの会社は困る」といった尊厳欲求を満たす言動の方が喜ばれるでしょう。

社員のモチベーション管理を行う上で最も気をつけなければならない点は有能な人が「頑張っても意味がない」と思ってしまうことです。

有能な人が「他のたいして頑張っていない連中と同じ扱いしか受けてない」と思ってしまったら、モチベーション管理は失敗です。

最悪な場合、有能な人が退職するといった大損失になってしまいます。

つまり、モチベーション管理で注意すべきことは、社員一人一人の満たされている欲求・満たされていない欲求を把握しておくということです。言うは易しですが。

非金銭的な報酬の種類

では、金銭的な報酬以外にどんな報酬があるのでしょうか?

最近は、働きがい、働きやすさといった言葉で括られがちですが、分類してみると以下のようなものがあります。

  • 職場環境
    • 利便性の高い勤務場所・快適な勤務環境
    • 柔軟な勤務形態 - 有給休暇、育児・介護休業
    • 仕事上の広い裁量
    • 職場の良好な人間関係
    • 信頼できる上司・同僚
  • 他者からの承認
    • 公平・公正な評価
    • 会社の知名度
    • 社会貢献
    • 表彰制度
    • ボランティア休暇
  • 自己実現
    • やりがいのある仕事
    • 成長の実感がある仕事
    • キャリアパス
    • 社内公募制度
    • メンタリング制度

社員のモチベーションを上げるためにオススメな2つの方法

以上のように、非金銭的な報酬の種類というのはざっと挙げても15種類と意外と多くあるのですが、今回はその中でも導入しやすく、そしてお金もかからないオススメの2つの方法を紹介します。

これら2つの方法は、世界的に有名なコンサルタントであるブライアン・トレーシーの会社でも実際に行われている制度として、「人を動かせるマネジャーになれ!」の中で紹介されているものです。オススメして早速取り入れた当事務所のクライアントもあります。

特別な休暇

1つ目が特別な休暇制度です。

設定した目標を達成した社員に対し、期間を限定して休暇を認めるというものです。

1か月のすべての金曜日でも良いし、1週間連続の特別休暇としてもよいでしょう。もちろん有給で。

この制度のメリットは、特別休暇を与えたとしても、その社員が行う業務は何も変わらない点です。

特別休暇に入る前に、対象となる社員はすべての仕事を終わらせようとします、そして休暇明けの初日にすべての遅れを取り戻します。

特別休暇を与えたとしても生産性が犠牲になることは一切なく、会社にとって何のデメリットもありません。

そして、周囲の社員からは賞賛の目で見られます。これはマズローの欲求5段階説でいう尊厳欲求ですね。

特別な研修

2つ目が特別な研修です。

多くの会社ではスキルアップの研修などを外部に委託して受講させたりしますが、この特別な研修というのはそのようなものではありません。

受講料が20万円や30万円、効果が期待できるのであれば100万円程度必要な研修でも社員に受講させることです。

私も以前10万円の研修を受講したことがありますが、やはり自信を持って金額を取っている以上、想像を超えて素晴らしいものでした。

今の時代、巷に宣伝めいた無料セミナーがたくさんあります。

私も一時期スタートアップ関連の無料・低価格のセミナーや研修に参加したことがありますが、時間のムダとしか思えないようなものばかりでした。

特別な研修制度のポイントは以下の2つです。

  1. 社員自身の能力
  2. 会社・他の社員への貢献

もちろん、特別な研修を受講すれば、社員自身の能力が高まります。

人材育成というのは組織を成長させたい企業にとっては必要不可欠なものです。

日本企業は歴史的にOJTを重視してきましたが、人材育成を意識しながら毎日の業務をこなすのは限界があります。

そのため、この特別な研修はOff-JTにして、集中して学ばせるわけです。

そして、こちらの方が実は重要なのですが、特別な研修を受講した社員にフィードバックをさせます。

こうすることで、組織にも他の社員にも学びになります。

特別な研修に参加した社員が、講師として研修内容をプレゼンし、会社でどのように活かすことができるか案を提示します。その案を組織の中で検討するわけです。

この方法によって、その社員は講師、つまり先生としての立ち位置を得ることで尊厳欲求が満たされ、また自分自身のキャリアアップにもつながるという点で、自己実現欲求にもつながります。

まとめ

今回は、社員のモチベーションを上げる方法を紹介しましたが、色々な人に聞いてみると、意外と非金銭的な報酬というのは活用されていないようなので、ぜひ検討してみてください。

ちなみに、報酬を与えるときには、きちんと表彰といった形でお祝いしてください。会社として、社員の頑張り・成果に対して、感謝していることをはっきりと示し、名誉を与えることが重要です。

懲戒制度ばかり充実していて、表彰制度がないような就業規則を見た社員はどう思うでしょうか?

ダメなときはきちんと叱りつつも、良かったときは大げさなくらい認めましょうね。

関連:社員のモチベーションアップには会社の歴史を示すと良いという研究結果!

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