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愚痴1つ1つが人事の問題! 経営難の星野リゾートを救った強烈な方法

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星野リゾート代表・星野佳路氏のインタビューをもとにした記事は、人事労務面から見てもとても濃い内容です。

再生を成功させるプロセスとは?

Q: 経営難に陥った多くの施設の再建に成功されました。問題解決の秘訣は?

A: 実は、「再生」を成功させるには、順番、プロセスがあります。最初にすることは、「スタッフのモチベーションを上げること」です。スタッフにとって「いいニュース」から始めるんです。

(中略)

「いいニュース」というのは例えば、「会社の情報を皆さんに公開します」「言いたいことを直接、言いたい人に言ってもらえるようなフラットな組織にします」とスタッフに伝え、「いいチーム」の土台を作ることです。

人材あっての組織とは言いますが、まさしく名経営者というのは人材に目を向けるものなんですね。

まずは組織としての統制が必要と思いますが、最初からモチベーションを上げていくところがすごいです。

これは伝え方という点で説明されていますが、何よりもモチベーションが大事であると本心から思っているからできるのでしょう。

仕組みと組織文化が重要!

社内の情報共有を阻害する一番の要因は、役職の多さといった組織の仕組みではなく、組織文化です。

情報の行き来が悪い組織文化のままで、現場の声を吸い上げるための「仕組み」だけ作っても、大した効果は上がらない。

フラットでない組織、人間関係の下では、情報は隠される傾向にあります。隠された情報はどうなるか。愚痴になるんです。

これはまさにそのとおりで、経営者や管理者はよく言います。

「何でも言い合える組織になろう」とか「悪い情報こそ迅速に報告せよ」って。

で、実際に悪い報告や苦言を呈するとどうなるか? 不機嫌になったり、「お前のやり方が悪かったんじゃないか」と説教されたりするわけです・・・

引用した箇所では「仕組みではなく組織文化」といっていますが、内容を見る限り、仕組みと組織文化の両方の対応が必要ということでしょう。

組織の階層ではなく、組織文化として「フラット」という言葉を使っているのでしょうが、やはり階層もできるだけフラットに近づけておかないと難しいと思います。

課長や部長など役職が多ければ、その分、余計な遠慮が入りこみ情報が制限されていくのが現実の組織の姿です。

会社への愚痴は人事の問題

愚痴一つひとつが、人事の問題であり、設備投資の問題なのです。

そうした経営に関わる小さな課題を、愚痴という形で議論している。

いくら議論しても、その場に意思決定できる人がいないから、結局は結論がでないわけですが、そうした問題・課題が経営のテーブルに上るといいと、常々思っていました。

(中略)

愚痴がたまった結果、最後は辞めていくわけで、スタッフや従業員が会社を辞める本当の理由は「一身上の都合」ではなく「業務上の都合」だと思っています。

だからこそ、愚痴を直接、会議のテーブルに上げられるような風通しのいい会社にしたかった。

このインタビューでは、一言一言にグサッと来る名言が出てきます。

  • 会社への愚痴は人事の問題
  • 従業員が会社を辞める本当の理由は、一身上の都合ではなく「業務上の都合」

本当に一身上の都合かどうかは、辞めた後も連絡を取り合える関係かどうかです。同僚でなく、元上司とも連絡を取り合える関係かどうか、これでわかります。

おそらく大抵の場合、連絡を取り合うことはないと思います。それは一身上の都合ではないからです。ちなみに携帯番号が変わっていたら決定的でしょうね・・・

なお、会社の歴史を示すと忠誠心が増すという研究結果もあります。創業からの歴史や創業者の想いというのは、お客さんの立場になると意外と知りたいものです。

関連:会社の歴史を示すと従業員の忠誠心が向上する研究結果

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