賞与支払届の書き方を解説(平成30年版様式の記入例あり)

[2016/6/1公開、2018/6/28追記]

6月末は多くの会社の賞与の時期です。

今回は、賞与を支給したときの手続き、意外と記入間違いの多い賞与支払届の書き方について解説します。

平成30年3月からマイナンバー欄の追加等により様式が変更され、記載方法もかなり異なっています。本記事では新しい様式による記入例を解説しているのでご参考ください。

なお、賞与・ボーナスの基礎知識については以下の記事で解説していますのでご参考下さい。

賞与(ボーナス)の法的な意味、賃金との違い、支給時期の理由、人事労務上のメリット・デメリットを徹底解説します。
スポンサーリンク

賞与を支給したときの手続き

給与と同じく、賞与についても、健康保険・厚生年金保険の毎月の保険料と同率の保険料を納付しなければなりません。

対象となる賞与については以下のとおりです(参考:日本年金機構)。

賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対償として受けるもののうち、年3回以下の支給のものをいいます。

なお、年4回以上支給されるものは標準報酬月額の対象となり、また、労働の対償とみなされない結婚祝金等は対象外です。

ここでの注意点は「年4回以上支給されるものは標準報酬月額の対象」という点です。賞与という名目であっても、年4回以上支給されるものは給与として取り扱うという意味です。

そして、事業主が被保険者へ賞与を支給した場合には、支給日より5日以内に「被保険者賞与支払届」(以下「賞与支払届」)を提出しなければなりません

なお、社会保険料の対象となる報酬の範囲については以下の記事で詳しく解説していますのでご参考ください。

社会保険の対象となる報酬の範囲はわかりにくいと感じられがちなので、わかりやすく表にしてまとめてみました。

この届出の内容により、標準賞与額が決定され、賞与の保険料額が決定されることになります。

被保険者が将来受給する年金額の計算の基礎となるため、間違えてしまうと社員の将来の年金に影響してしまうため、責任重大です。

なお、標準賞与額の算定方法や賞与の保険料額については以下の記事で解説していますのでご参考下さい。

賞与計算と給与計算は全く異なります。30年度の最新の社会保険料率・実際の計算例を示して解説します。

賞与支払届の書き方

それでは賞与支払届の書き方について解説していきます。

まず、賞与支払届には以下の2種類があります。

  • 被保険者賞与支払届/厚生年金保険70歳以上被用者賞与支払届
  • 被保険者賞与支払届 総括表

作成手順としては、まず以下の賞与支払届から記入、その後総括表を作成していきます。

賞与支払届の新様式

被保険者整理番号

aの箇所に、被保険者整理番号を記入します。

以下は協会けんぽの被保険者証の例ですが、赤枠の番号が被保険者整理番号になります。

social-insurance-number

賞与支払年月日

賞与支払年月日については様式内にも説明がありますが、通常は共通のはずです。

もし社員によって支給日が異なる場合は、それぞれ支給した年月日を記入、全員共通であれば空白のままで結構です。

生年月日

bの箇所に、生年月日を記入します。以前の様式から書き方が大きく変更された箇所なので要注意です。

元号については以下の該当する番号を記入します。例えば、昭和35年12月5日の場合は「5-351205」と記入します。

  • 1. 明治
  • 3. 大正
  • 5. 昭和
  • 7. 平成

標準賞与額

cの箇所に、実際に支給した賞与額を記入します。

実際に支給した賞与額(社会保険料などの控除前の金額)が850,500円であれば、cの箇所には850,500円と記入します。

なお、⑥の項目に標準賞与額を記入します。

,000とすでに記入されているため迷わないと思いますが、標準賞与額は実際に支給した賞与額の1,000円未満を切り捨てた額です。

実際に支給した賞与額が850,500円であれば、標準賞与額は850,000円になります。

なお、標準賞与額を含めた賞与計算のポイントについては以下の記事で解説しています。

賞与計算と給与計算は全く異なります。30年度の最新の社会保険料率・実際の計算例を示して解説します。

個人番号(マイナンバー)

dの箇所に、個人番号(マイナンバー)を記入します。

この箇所が今回変更された部分ですが、70歳以上の社員のみが対象であり、70歳未満の社員については記入の必要はありません。

総括表の書き方

総括表の書き方はそれほど難しくありません。

ただし、賞与を支給しなかった場合でも、この総括表は提出する必要がありますのでご注意ください。

賞与支払届総括表の新様式

被保険者人数

aの箇所に、被保険者人数、つまり社会保険の加入者の数を記入します。

賞与支給人数

bの箇所に、実際に賞与を支給した人数を記入します。

賞与0円だった人は人数にカウントしないため、aの数と同じ、または少なくなります。

賞与の名称

cの箇所に、賞与、決算手当、期末手当など、会社によって支給した賞与の名称を記入します。

賞与支払届の手続き時期・提出先・提出方法

提出時期 賞与支払日から5日以内
提出先 事業所所在地を管轄する事務センター(事業所の所在地を管轄する年金事務所)
提出方法 電子申請、電子媒体(CDまたはDVD)、郵送、窓口持参

提出先の「事業所所在地を管轄する事務センター事務センター」というのは日本年金機構が設置している組織で、郵送による受付業務を行なっています。賞与支払届を郵送する場合は、事務センターに送ります。

なお、賞与支払届は、電子媒体(CDまたはDVD)などによる届出が認められていますが、総括表については電子媒体による届出ができません。電子申請の届出の際には、総括表はPDF形式やJPG形式による添付データとして提出することができます。

賞与の保険料の納付方法・納付時期

賞与支払届を提出すると、年金事務所から納入告知書(口座振替の場合は、納入告知額通知書)が送られてきます。

賞与への保険料は、毎月の保険料と合算されて賞与支払月の翌月末までに納入(月末に口座から振替)します。

まとめ

今回は、賞与を支給したときの手続き、意外と記入間違いの多い賞与支払届の書き方について解説しました。

実際に取り掛かるとそれほど難しいわけではありませんが、従業員数の多い会社になると一苦労です。

従業員10名程度の会社であれば、年金事務所から送付される紙に記入して届出をしてもよいですが、年金事務所に事前に希望すれば、賞与支払予定月の前月に被保険者氏名等の基本情報を収録した電子媒体(CD-RW)を送付してくれます

参考 従業員に賞与を支給したときの手続き(日本年金機構ウェブサイト)

ただ、給与計算と同様に、繰り返し行う作業を人力に頼るのは止めた方がいいです。

ヒューマンエラーは頑張ってもなくならないため、ミスをしないような本質的な仕組みづくり、給与計算ソフトに投資した方が、時間を効率化でき、結局は得になります。

当事務所ではよくオススメの給与計算ソフトを教えて欲しいという質問を受けますが、その際は以下の2つをご紹介しています。

当事務所のクライアントに、利用してみた感想を聞いてみると、給与計算の仕組みをあまり考えずに利用できること、そして給与計算以外の人事労務管理の中で最も手続きが必要となる入退社手続きまでカバーしている人事労務freeeの方が好評のようです。

クラウドサービスの場合、出張時など離れた場所でも利用できますし、毎年のように変わる税率や社会保険料率のアップデートも無料で対応されるため、とても便利になったと喜んでいます。

どちらのサービスも無料で利用を開始できるため、まずは試しに登録して使い勝手を試してみた上で判断してはいかがでしょうか?

本記事以外の人事労務情報も満載の
Facebookページを、
いいねしてチェックしよう!
スポンサーリンク

フォローする

人事の秘訣を知りたくありませんか?

人事の秘訣を知りたくありませんか?

毎月1回、第1月曜日に、人事に悩む経営者や人事担当者向けに、公開型のブログでは書けない本音を交えた人事の秘訣をお伝えしています。

また、人事担当者が対応すべき時期的なトピック、購読者限定のお得なサービスのご案内などを配信していますので、ご関心があれば登録ください。不要な場合もすぐに解除できます。

注意
*は必須項目を示しています。なお、氏名の欄には本名を漢字で入れてください。「たこ」など明らかにふざけた名前を登録している方がいますが、見つけ次第削除しています。


この記事を書いた人


安部敏志

あべ社労士事務所代表・社会保険労務士

福岡県を拠点に、中小企業の人事担当者育成が自ら就業規則や人事関連の規程を作成・修正できるようになるための指導に従事。その他、専門記事の執筆も積極的に対応。

あべ社労士事務所の業務案内

error: Content is protected !!