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従業員43.5人以上の企業は、毎年6月1日時点の障害者の雇用に関する状況(障害者雇用状況報告)をハローワークに報告する義務があります。
この障害者雇用状況報告を踏まえて、障害者雇用率(実雇用率)の低い事業主はハローワークから行政指導(障害者雇用率達成指導)が行われます。
障害者雇用率達成指導の流れ
障害者雇用率達成指導の大きな流れは以下の図のとおりですが、最終的には企業名の公表まであるため要注意です。

1. 障害者雇用状況報告
障害者雇用状況報告の用紙は、毎年ハローワークから対象の企業に送付されるので、必要事項を記載の上、7月15日までに返信する必要があります。
2. 障害者雇入れ計画作成命令
障害者雇用状況報告をもとに、障害者雇用率の低い事業主に対して、翌年1月を始期とする2年間の計画を作成するよう、ハローワークが命令を発出することができます。
なお、「令和2年 障害者雇用状況の集計結果」によると、障害者雇入れ計画を実施中の企業は、296社となっています。
3. 障害者雇入れ計画の適正実施勧告
障害者雇入れ計画の実施状況が悪い企業に対しては、ハローワークが適正な実施を勧告します。これは障害者雇入れ計画の1年目の12月に行われます。
4. 特別指導
雇用状況の改善が特に遅れている企業に対し、公表を前提とした特別指導がハローワークにより実施されます。
これは障害者雇入れ計画期間終了後に9か月間行われます。
5. 企業名の公表
特別指導を実施しても改善されない場合に、企業名(社名、本社所在地、代表者氏名)が公表されます。
また、障害者雇用の不足数が特に多い企業については、その企業の幹部に対し、厚生労働省本省による直接指導も実施されることになっています。
なお、過去に企業名を公表された数は以下のとおりです。
- 平成18年度:2社
- 平成19年度:1社(再公表)
- 平成20年度:4社
- 平成21年度:7社(うち1社は再公表)
- 平成22年度:6社(うち2社は再公表)
- 平成23年度:3社(うち1社は再公表)
- 平成24年度:0社
- 平成25年度:0社
- 平成26年度:8社
- 平成27年度:0社
- 平成28年度:2社
- 平成29年度:0社
- 平成30年度:0社
- 令和元年度:0社
すべてのリンクは貼りませんが、最近公表された事案ということで、平成28年度の公表事案のリンクを貼っておきます。きちんとした専門家の支援を受けていれば・・・
参考:平成28年度 障害者の雇用の促進等に関する法律に基づく企業名公表等
まとめ
今回は、ハローワークによる障害者雇用率達成指導の流れを紹介しましたが、知っておいていただきたいことは障害者雇用率が低いからといって、すぐに企業名が公表されるわけではないということです。
ある経営者から相談を受けて知ったのですが「すぐに顧問契約をしないと企業名を公表されてしまいますよ」と半ば脅すような営業をかける社労士がいるそうで・・・困ったものです。
企業側としても、法違反をするつもりはなくても、はじめての障害者雇用となると不安がいっぱいになるのは当然です。ただ、きちんと法を遵守しようとする企業に対しては行政は支援してくれます。
実際、まさに当事務所の顧問先も先日はじめての障害者の雇用を行ったのですが「ハローワークの印象が大きく変わった」と言うほど、専門の担当者から丁寧な支援を受けていました。
悪質な企業にとっては行政は敵かもしれませんが、普通の企業であれば、今は驚くほど行政機関は親切なのでぜひ相談してみましょう。
なお、障害者雇用義務に関する制度については、以下の記事で解説しています。
関連:障害者雇用義務と障害者雇用率の基礎知識:令和6年4月から40人以上に
また、労働法全体としては労働者数が50人以上になると様々な法的義務が発生するため要注意です。
- 毎年のように改正される労働法令への対応に頭を悩ませている
- 総務や経理などの他の業務を兼務しているので、人事労務業務だけに時間を割けない
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