アルバイトの雇用時に注意すべき厚労省作成の21のチェック項目

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分類: 採用

昨今、学業に支障が出るブラックバイト問題が社会問題となっています。

この社会問題化を受けて、厚生労働省が実態調査を行ったところ、法令違反となる事案が多数出てきたことから、厚生労働省と文部科学省は、学生アルバイトを雇う際のチェックリストを作成し、学生アルバイトの多い業界団体に対し要請を行っています。

今回は、厚生労働省が作成したアルバイトの雇用時に注意すべき21のチェック項目を紹介します。

法令違反となる要注意事項

以下の14のチェック項目はいずれも法令による必須事項です。1つでも守ってなければ法令違反となりますので、優先順位の最も高い項目になります。

  1. 雇い入れる際、賃金や労働時間などの労働条件を記載した書面を交付していますか。
  2. アルバイトを含め常時10人以上の労働者を使用する場合、就業規則を作成し、所轄の労働基準監督署長に届け出ていますか。
  3. 就業規則をアルバイトに周知していますか。
  4. 所定の労働時間は、週40時間、1日8時間以内となっていますか。ただし、商業や接客娯楽業などの業種のうち、常時10人未満の労働者を使用する事業場は週44時間までOK
  5. アルバイトに法定労働時間を超えて労働をさせる場合、時間外労働・休日労働に関する協定(いわゆる36協定)を締結し、所轄の労働基準監督署長に届け出ていますか。
  6. 1日の労働時間が6時間を超える場合には少なくとも45分、8時間を超える場合には少なくとも1時間以上の休憩を、労働時間の途中に与えていますか。
  7. 少なくとも週1日もしくは4週に4日以上の休日を与えていますか。
  8. アルバイトに、勤務日数に応じて年次有給休暇を付与していますか。
  9. 賃金は、毎月、決まった支払日に、その全額を支払っていますか。
  10. 都道府県ごとに定められている最低賃金額以上の額を支払っていますか。
  11. 規律違反やミスをしたことを理由に、就業規則に記載なく罰金等を課していませんか。
  12. 週40時間、1日8時間を超えた時間外労働については、通常の賃金の25%以上、休日労働については、通常の賃金の35%以上の割増賃金を支払っていますか。
  13. 午後10時から午前5時までの深夜労働については、通常の賃金の25%以上の割増賃金を支払っていますか。
  14. 解雇する場合、少なくとも30日前に予告するか、30日分以上の平均賃金(いわゆる解雇予告手当)を支払っていますか。

法令違反のおそれがある要確認事項

上のチェック項目より優先順位は下がりますが、それでも基本的には法令違反となるチェック項目が以下の4つです。

  1. タイムカード等の客観的な記録から確認するなどにより、実際に働いた時間を適正に把握していますか。
  2. 準備や片付けの時間(学習塾等の場合、授業以外に行う質問対応、報告書の作成等に要した時間)を労働時間としていますか。
  3. 賃金を一方的に引き下げていませんか。
  4. 1年以内ごとに1回、定期に健康診断を実施していますか。

学業とアルバイトの両立のために特に配慮が必要な事項

以下の項目は、法令違反とは言えないものの、厚生労働省と文部科学省は、学生アルバイトの多い業界団体に対して配慮を要請しています。

  1. アルバイトが退職を申し入れているにもかかわらず、人手不足等を理由に、継続して働くことを強要していませんか。
  2. 相手の同意を得ることなく、一方的にシフトの決定・変更を行っていませんか。
  3. 試験の準備期間や試験期間中などに、学生の希望に反してシフトを入れていませんか。

まとめ

なぜか、アルバイトの場合は、正社員のような人事労務管理を行わなくてもよいと誤解している会社がありますが、むしろ逆です。

弱い立場の人に対してこそ、法的な保護は強くなります

例えば、今回の質問項目1にある労働条件通知書でも、正社員に比べて、アルバイトに渡す書類の方が必須の記載項目が多くなります。

労働条件通知書を渡さないのは言語道断ですが、正社員に渡している通知書を使い回してもダメです。

関連:【罰金あり】パート・アルバイトの労働条件通知書に必要な記載事項

なお、今回紹介したそれぞれのチェック項目に対する解説は、以下のPDF資料をご参考ください。

参考:学生アルバイトの労働条件に関する自主点検表[PDF]

参考:採用時に必要な手続きと様式集

人事労務管理では、雇用している間、退職時などにトラブルが発生しますが、重要なのは入口の部分、つまり採用時です。

採用時に適切な契約を結ぶ、服務や秘密保持の誓約書を提出させるなど、人事労務の入口の部分で、会社として可能な限りのリスクヘッジを十分に行っておくことが重要です。

採用と一口に言っても、求人、面接、内定、雇用契約、試用期間と各段階があります。

これらの各段階で厳正な評価・審査を行っている会社は稀です。

服務・秘密保持に関する誓約書の提出がない場合は、勤務を開始させないといった慎重かつ厳しい態度で臨むことで、その後のリスクを大きく減らすことができます。

以下のリンク先には、従業員に記入を求める以下の様式が含まれています。

  1. 採用時誓約書(服務)
  2. 採用時誓約書(秘密保持)
  3. 身元保証書
  4. 賃金の口座振込に関する同意書
  5. 特定個人情報等の取扱いに関する同意書
  6. 雇用契約書(正社員)
  7. 雇用契約書(有期契約社員)
  8. 雇用契約書(パートタイム・アルバイト)
  9. 雇用契約書(再雇用)
  10. 試用期間満了・本採用決定通知書

これらの様式を用いて、人事労務に関するトラブルを予防してください。

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