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6300人が答えた「働く目的と理想の仕事」(内閣府世論調査)

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働きやすい環境整備は確かに重要ですが、それでは採用したい人材の「働く目的」「理想としている仕事」はどの程度把握していますか?

今回は、内閣府の世論調査から6300人が回答した「働く目的と理想の仕事」を紹介します。

  • 今の時代、働きやすい企業であることが重要
  • いやいや、多少仕事で辛いことがあっても働きがいこそ重要
  • そんな目に見えないものより、高収入を約束することが重要

色々な考え方はあるでしょうが、もしかしてそれは単なる思い込みで、求職者はそんなことを求めていないかもしれません。。。

今回は、内閣府が毎年発表している「国民生活に関する世論調査」の中から総数6,319人が回答した

  • 働く目的は何か?
  • どのような仕事が理想的だと思うか?

という項目の回答結果をグラフにまとめ、興味深い点を取り上げます。

働く目的は何か(男女別)

注意

以下は本来であればグラフが表示されます。
もしグラフが表示されていない場合はページの更新をしてください。

男女合わせた総数のグラフを見ると以下のようになっています。

  1. お金を得るために働く:53.4%
  2. 生きがいをみつけるために働く:18.4%
  3. 社会の一員として、務めを果たすために働く:14.2%
  4. 自分の才能や能力を発揮するために働く:9.0%

こうして見てみると「お金を得るために働く」というのが他を圧倒して高いわけです。

「今の人は給料よりも働きがいを求めている」っていう人にはこのグラフを見せると良いですね。

性別で分けて見ても「お金を得るために働く」は他を大きく引き離してトップですが、強いて言えば以下のようなわずかな特徴があります。

  • 男性は「社会の一員として、務めを果たすために働く」という回答の割合が高い
  • 女性は「生きがいをみつけるために働く」という回答の割合が高い

働く目的は何か(年齢別)

年齢別に分けたのが上のグラフです。

すべての年代で「お金を得るために働く」が第1位なのは同じですが、70歳以上になると「生きがいを見つけるために働く」「わからない」が大きく回答を伸ばしています。

また、年齢が上がるにつれて「社会の一員として務めを果たすために働く」という回答が上がってきます。

同様に「生きがいを見つけるために働く」という回答も、40代を除いて、年齢が上がるにつれて上昇しています。

こうして見てみると、「給料が安くても、面白い・働きがいのある仕事を求めている人が多い」という説は間違いのようです。

では、「給料が高ければ高いほど良いのか?」というとそれも間違いであることを次のグラフで示します。

どのような仕事が理想的か?

すべての性別・年代で「お金を得るために働く」が他を圧倒的に引き離してトップだったわけですが、「どのような仕事が理想的か?」という質問への回答が上のグラフです。

なお、複数回答ありとなっている質問のため、回答全体の合計が100%を超えています。

まず「自分にとって楽しい仕事」「収入が安定している仕事」の2つが50%を超えています。

このうち、注目したいのは、「高い収入が得られる仕事」が17.7%とそれほど高くないという点です。

つまり以下のようにまとめることができます。

  • 「お金を得るために働く」人が圧倒的に多い。
  • しかし、高い収入ではなく、安定した収入で自分にとって楽しい仕事を理想と考える人が多い。

当事務所のクライアントで、離職率を下げるために、成果連動型を残しつつ収入安定型の賃金制度をも取り入れた結果、離職率を大幅に下げることに成功した会社があります。

その要因はこの調査結果にも裏付けられています。

成果連動型は、会社だけでなく、頑張って稼ぎたいと思う人にもプラス面がありますが、常に頑張り続けることができる人ばかりではありません。成果連動型賃金の要素が強すぎると、収入の減少にがっかりし、安定を求めて退職してしまう人も出てきます。しかも会社が評価していた人に限って。。。

なお、グラフにはしていませんが、この調査項目では、性別・年齢別、従業上の地位別(雇用者・自営業者・家族従業者)、そして興味深い職業別の回答があります。

ただ、職業別といってもそれほど細かく分けられているわけではない点にご注意ください。

各職業で最も回答の割合が高かった項目は以下のとおりです。

  • 管理職:自分にとって楽しい仕事
  • 専門・技術職:自分の専門知識や能力がいかせる仕事
  • 事務職:収入が安定している仕事
  • 販売・サービス・保安職:自分にとって楽しい仕事
  • 農林漁業職:自分にとって楽しい仕事
  • 生産・輸送・建設・労務職:収入が安定している仕事

まとめ

今後、採用を考えている、または離職の多さに悩んでいる職種があるときには、このような調査結果を参考にするのも有用です。

「木を見て森を見ず」は典型的なダメなやり方ですが、森だけ見てもダメです。当事務所では「木を見て森を見て、また木を見ることが大事」とクライアントによく説明しています。

人によって求めることは様々です。

しかし、個々の求職者や従業員だけを見て、勝手に全体像をイメージしてしまうと偏った思い込みをしていまいます。たまたま周りにAB型の人が多いからといって、日本人はAB型が多いと思うのは間違いですよね?

調査結果や統計により全体像の把握も定期的に行っておきたいところです。

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