契約社員の社会保険の加入条件を考える上で注意すべき2つのポイント

こんにちは。福岡の社労士・安部敏志です。

今回は、契約社員の社会保険の加入条件を考える上で注意すべき2つのポイントを解説します。

契約社員は社会保険に加入することができるのか、または加入させなければならないのかという質問をたまに受けますが、この記事を読んでいただければその質問がナンセンスなことがわかるかと思います。

なお、社会保険と言ったときには、広い意味での社会保険なのか、狭い意味なのかの社会保険なのかは常に注意しておく必要があります。

今回は広い意味での社会保険に加入できる契約社員の条件を解説します。

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契約社員の社会保険の加入条件

まず、契約社員と一口に言っても、会社によってその実態は異なるため、法的に整理して解説します。

契約社員とは期間の定めのある労働契約を締結している労働者のことですが、

  1. 正社員と同じ所定労働時間の有期契約労働者
  2. 正社員より所定労働時間の短い、つまりパート有期契約労働者

の2つのパターンがあります。この法的な関係を図示したものが以下の図になります。

雇用形態に関する法的な整理図

そのため、まずは会社で契約社員と言ったときに、上の図のどの雇用形態に該当するか確認してください。

そして、社会保険のそれぞれの加入条件を確認し、上の2つのパターンを当てはめて考えていくことになります。これがポイントの1つ目です。

有期契約労働者の社会保険の加入条件

正社員と同じ所定労働時間の有期契約労働者については、以下のようになります。なお、労災保険はすべての労働者が対象となるため、当然ながら契約社員は加入することになります。

  • 雇用保険:原則として加入
  • 社会保険(健康保険・厚生年金保険):2か月を超える契約期間の場合には加入

なお、2か月以内の期間限定で雇用される場合、健康保険については「日雇特例被保険者」として取り扱われますが、契約更新された場合には期間満了の翌日から通常の被保険者となります。

パート有期契約労働者の社会保険の加入条件

次に、正社員より所定労働時間の短い、いわゆるパート有期契約労働者については、以下のようになります。

  • 雇用保険:週の所定労働時間が20時間以上であり、かつ31日以上の雇用見込みがあれば加入
  • 社会保険(健康保険・厚生年金保険):週の所定労働時間が正社員の4分の3以上であり、かつ2か月を超える契約期間の場合には加入

契約社員で社会保険なしはありえる?

こうして見ると、契約社員が社会保険に加入していないケースというのは例外的と言えます。

特に、パートと契約社員の雇用形態が別々に存在していれば、おそらく契約社員の所定労働時間は正社員とほぼ同じでしょうし。

その一方で、そもそも事業所が社会保険の適用事業所でない場合は、その事業所で働く契約社員も非加入となります

実は、社会保険・労働保険といった公的な保険の場合、まず事業所として強制適用・任意適用が判断され、その次に、事業所で働く労働者が加入できるかどうか、つまり被保険者となれるかどうかが判断されることになります。

社会保険の適用事業所となるかどうかをまとめた表は以下のとおりです。

区分 対象事業所
強制適用
  1. 法人の事業所で、常時労働者が働く事業所(事業主1人の場合も含む)
  2. 常時5人以上の労働者が働く個人事業所
任意適用
  1. 常時5人未満の労働者が働く個人事業所
  2. 常時労働者の人数に関係なく、強制適用の2から除外される業種の個人事業所

このうち、任意適用の2について補足しておきますが、常時労働者の人数に関係なく(つまり5人以上であっても)、農林水産業や旅館・飲食店・クリーニング・理容等のサービス業など、個人事業所で業種によっては任意適用となる場合もあります。

そのため、正社員や契約社員といった雇用形態の前に、事業所としての適用なのかどうか、これがポイントの2つ目になります。

なお、社会保険・労働保険の基礎知識については以下の記事で詳細に解説していますのでご参考ください。

社会保険・労働保険の基礎知識として、社会保険の定義・種類・加入条件などを詳細に解説します。特に加入条件の部分はよく質問を受けますので念のため確認しておきましょう。

まとめ

契約社員の社会保険の加入条件について理解できましたか?

契約社員の定義、正社員やパートとの違い、無期転換の5年ルールなど契約社員の人事労務に関する基本的事項は以下の記事で解説していますので、併せてご参考ください。

契約社員の定義、契約社員と正社員・パートの法的な違い、無期転換ルールなどの契約社員に関する基本的事項を詳細に解説します。
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この記事を書いた人


安部敏志:社会保険労務士

「就業規則は働き方のルールであり、社内で自ら作成・修正すべき」という信念のもと、中小企業の人事担当者の育成に従事。
その他、専門雑誌等の記事の執筆にも積極的に対応。

事務所公式サイト:あべ社労士事務所

なお、同業の社労士から事務所運営や営業方法などの相談を受けることが増えていますが、当事務所は開業当時から この方法をそのとおりに実行しているだけです。

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