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モチベーション管理に役立つ2つの科学的理論と管理職の役割

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多くの経営者や管理職が、部下のモチベーション管理に悩んでいます。

今回は、モチベーション管理に役立つ2つの科学的理論のポイントをご紹介します。

内発的動機付けと外発的動機付け

内発的動機付けとは、

  • お金のためでもない
  • 怒られないためでもない

あくまで、その活動がしたいからする、というもので、趣味の活動などは良い例です。

それに対して、外発的動機付けとは、

  • 活動自体を楽しむのではなく、何かのために活動する

というものです。一番分かりやすい例が、生活のために仕事をすることです。

例えば、読書を考えてみましょう。

  • 読書自体を趣味として楽しんでいる場合、それは内発的動機付け
  • しかし、勉強や試験のために読書をしているのであれば、それは外発的動機付け

になります。

なお、この理論については、ダニエル・ピンク氏の「モチベーション3.0」という著書の中で、事例や実験結果を踏まえてわかりやすく紹介されています。

同氏の著書は毎回すばらしい内容であり、一読の価値ありです。

マズローの欲求5段階説

マズローの欲求5段階説は、自己実現理論とも言われるもので、生理的欲求、安全欲求、社会的欲求、尊厳欲求、自己実現欲求の5段階で人間の欲求を示したものです。

5段階の階層がピラミッドのように構成され、低階層の欲求が充たされると、より高次の欲求を欲するとされています。

人事制度の構築を考える上で、各従業員の欲求がどの段階にあり、どのような欲求を充たすような施策を行えば効果が現れるか考える上で役立つ理論です。

関連:人事制度の構築に役立つマズローの欲求5段階説の利用法と注意点

モチベーション管理と管理職の役割

先程の2つの理論から、以下のことがわかります。

  • 外部からモチベーションを向上させる制度を導入しても、外発的動機付けにしかならない
  • マズローの欲求5段階説によると、何に欲求を感じるかは人によって異なる

つまり、誰でもできて、そしてみんなに効くようなモチベーションアップの処方箋なんてない、ということです。

部下のモチベーション管理に悩む経営者や管理職が多いのは当然なのです。

巷の書籍やセミナーでは、さも「簡単にモチベーションアップができる」といった宣伝文句を見かけることがありますが、そんなものがあるならノーベル賞ものでしょう。

では、管理職の役割は何か?

私は、モチベーションアップが難しいからこそ、経営者や管理職は少なくともモチベーションを下げるような言動をしてはいけないと考えています。

残念ながら、部下のモチベーションを下げまくる以下のような管理職の存在をよく聞きます。

  • アイデアを出したらダメ出しから始まる上司
  • やたらに前例にこだわる上司
  • 他業種の動向など調査ばかり求めて決断をしない上司
  • 逐一、進捗報告を求め、内部向けの資料ばかり作らせる上司
  • 逆に、完全に放置しているのに、結果ばかり督促する上司

管理職の役割は「重要な存在である」と認めること

アイデアを求めるのなら、どんなアイデアが出てきても、まずはその努力を認めること、前例がないアイデアであれば、むしろ喜び、実現するための方法を一緒に考えることではないかと思います。

まずは部下に任せてみて、困難な状況になっていれば手を差し伸べるような器を見せることができるのが管理職でしょう。

結果はもちろん大事ですが、部下の育成という観点から部下の様子を観察し、計画通りの進捗なら誉め、計画から遅れているようなら相談に乗ることです。

以下のような名言もあります。

やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、 ほめてやらねば人は動かじ。(山本 五十六)

自分自身が目立とうとして、その結果、部下のモチベーションを下げるような管理職がいる会社に未来はないでしょう。

古典的名著と名高いD・カーネギーの「人を動かす」でも、自分を重要な存在だと思いたい気持ちは人間の最大の欲求の1つであると書かれています。

管理職の役割は、部下に「自分は重要な存在である」と実感できるように認めてあげることです。

その最もわかりやすい例が子育てです。

子供が自立した大人になれるように、達成したことをまずは喜び、困難に遭遇していたら相談に乗る、でも自分自身で達成できるように見守る、そういったことを手間を惜しまずにすることです。

子供が何かを成し遂げたときに「私が教えたからできたんだ!」なんて言わないですよね?

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