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厚生労働省がマタハラで初めて事業場名を公表

厚生労働省が、妊娠を理由とする解雇を行い、度重なる指導・勧告に従わなかったとして、初めて事業場名を公表しました。

マタハラとは?

マタハラ(マタニティハラスメント)とは、2014年新語・流行語大賞の候補50語にも選出された言葉ですが、妊娠・出産に伴う精神的・肉体的な嫌がらせ行為のことです

本件はマタハラというより、妊娠を理由とする解雇であり、明確に違法(男女雇用機会均等法第9条第3項違反)なのですが。

そして、厚生労働省は、妊娠を理由とする解雇を行い、度重なる指導・勧告に従わなかったとして、茨城県にある「医療法人医心会 牛久皮膚科医院」について、事業場名、代表者名、所在地とともに公表しました。

参考:男女雇用機会均等法第30条に基づく公表について-初めての公表事案、妊娠を理由とする解雇

男女雇用機会均等法第9条第3項(婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等)
事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、労働基準法第65条第1項の規定による休業を請求し、又は同項若しくは同条第2項の規定による休業をしたことその他の妊娠又は出産に関する事由であつて厚生労働省令で定めるものを理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

なお、以下が不利益取扱いの例です。

  • 解雇すること
  • 期間を定めて雇用される者について、契約の更新をしないこと
  • あらかじめ契約の更新回数の上限が明示されている場合に、当該回数を引き下げること
  • 退職又は正社員をパートタイム労働者等の非正規社員とするような労働契約内容の変更の強要を行うこと
  • 降格させること
  • 就業環境を害すること
  • 不利益な自宅待機を命ずること。
  • 減給をし、又は賞与等において不利益な算定を行うこと
  • 昇進・昇格の人事考課において不利益な評価を行うこと
  • 不利益な配置の変更を行うこと
  • 派遣労働者として就業する者について、派遣先が当該派遣労働者に係る労働者派遣の役務の提供を拒むこと

女性が多い職場なのに「妊婦はいらない」

驚くべきは、看護師など他の企業に比べても女性の多い職場である病院にも関わらず、このようなマタハラ事案があったということです。

しかも、朝日新聞の記事によると、この院長は「妊婦はいらない。明日から来なくていい」と言い、厚生労働省からの指導に対しても「均等法を守るつもりはない」と従わなかったとのことです。

妊娠理由に解雇した医院を初公表 院長「妊婦いらない」

妊娠を理由に女性職員を解雇し、是正勧告にも従わなかったとして、厚生労働省は4日、男女雇用機会均等法に基づき茨城県の医院名を公表した。公表制度は1999年からあったが、実際に公表するのは初めてだ。

厚労省が公表したのは、茨城県牛久市の医療法人「医心会」の牛久皮膚科医院(安良岡勇〈やすらおかいさむ〉院長)。今年2月、正職員だった20代前半の看護助手の女性が、院長に妊娠したことを告げたところ、院長は後日、「妊婦はいらない。明日から来なくていい」と述べ、解雇したという。

女性が茨城労働局に相談し、茨城労働局長や厚生労働相名による解雇の撤回を求める是正勧告を行ったが、院長は「均等法を守るつもりは無い」として従わなかったという。

朝日新聞デジタル 2015年9月5日

法律を守るつもりはないと明言する覚悟は大したものですが、この院長は何か勘違いしているのでしょう。

医療機関として地域に貢献しているという自負があるのかもしれませんが、法律というルールを守らない人はダメです。いかに素晴らしいスポーツ選手でも、ルールを守らない選手を応援する人はいませんよね?

周囲からの応援・支えがあってこそ、人も企業も存続することはできません。

だからこそ、企業は顧客を大事にし、その顧客と最も接する機会の多い従業員を大事にする、そうすることで組織を存続させることができるわけです。

今回の事案により、この病院を応援する方は減るどころかいなくなるでしょう。特に、病院のように地域に密着している事業の場合、不名誉な情報は瞬時にまわりますし、下手すると、一生ついてまわります。

「牛久皮膚科医院? ああ、あのマタハラ院長の病院ね・・・」と言われることになるでしょう。

取り戻せない不名誉と強烈な社会的制裁

インターネット社会、スマホの流通などにより、誰で過去の情報を検索できます。

一度でもこのような不名誉な公表をされてしまうと、永遠にこの情報は残ります。このサイトでもこのように掲載してますし。

The Huffington Postの記事「「妊婦は要らない。あしたから来なくていい」マタハラ事業者、初の実名公表」によると、「同医院は留守番電話で「院長の体調不良により休診しており、再開の目処は立っておりません。ご迷惑をお掛けしております」との音声を流しているとのことです。

ほとぼりが冷めるまでということかもしれませんが、この期間の収入は途絶えますし、看護師や事務の方などの従業員も再開のめどがなければ、他に移ってしまうでしょうし、これは病院自体の存続自体が危うそうです。

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