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賃金や賞与によるモチベーション向上は限定的
「従業員のモチベーションを上げたい」と思ったときに、まず思いつくのが、
- 賃金を上げる(基本給を上げる、または手当を付ける)
- 賞与を支給する
といった金銭的な報酬ですが、非金銭的な報酬を活用する企業が少ないと考えています。
モチベーションの理論として有名な「マズローの欲求5段階説」は、人事制度の構築や見直しの実務を行う上で役立つ理論であり、報酬制度を考える上でも有用です。

関連:人事制度の構築に役立つマズローの欲求5段階説の利用法と注意点
「賃金を上げる」「賞与を支給する」といった方法をマズローの欲求5段階説に当てはめてみると、
- 生理的欲求 = 賃金の保障
という第一階層(最も下の階層)の欲求です。
つまり、既に従業員自身が賃金にそこそこ満足している状態であれば、効果は限定的なものになるでしょう。
もちろん、臨時のボーナスは喜ばれるはずです。ただ、それは一時的、そして会社が期待するほどではないという意味で。
モチベーション管理で注意すべきことは、従業員1人ひとりの欲求を適切に把握し、それに応じた制度を準備しておくということです。
非金銭的な報酬の種類
では、金銭的な報酬以外に、どんな報酬を検討すべきでしょうか?
最近は、働きがい、働きやすさといった言葉で括られがちですが、分類してみると以下のようなものがあります。
- 職場環境
- 利便性の高い勤務場所・快適な勤務環境
- 柔軟な勤務形態 - 有給休暇、育児・介護休業
- 仕事上の広い裁量
- 職場の良好な人間関係
- 信頼できる上司・同僚
- 他者からの承認
- 公平・公正な評価
- 会社の知名度
- 社会貢献
- 表彰制度
- ボランティア休暇
- 自己実現
- やりがいのある仕事
- 成長の実感がある仕事
- キャリアパス
- 社内公募制度
- メンタリング制度
従業員のモチベーションを上げるオススメな2つの方法
以上のように、非金銭的な報酬の種類というのは、ざっと挙げても15種類あります。
今回は、その中でも、導入しやすく、そしてお金もかからないオススメの2つの方法を紹介します。
これら2つの方法は、世界的に有名なコンサルタントであるブライアン・トレーシーの会社でも実際に導入された制度であり、紹介後すぐに導入した顧問先もあります。
特別な休暇制度
1つ目が「特別な休暇制度」、法定休暇以外に、期間を限定して休暇を認めるものです。
1週間連続の特別休暇、あるいは1か月のすべての金曜日を休暇にするなども週休3日制のようなものなって面白いかもしれません。
従業員の希望を踏まえた「特別な休暇制度」を設計するわけです。もちろん有給で。
この制度のメリットは、特別休暇を与えたとしても、その従業員が行う業務は何も変わらない点です。
となれば、会社にとって何のデメリットもなく、導入しやすいのではないでしょうか?
特別な休暇を授与された従業員は、きっと周囲から羨ましがられるでしょう。これはマズローの欲求5段階説でいう尊厳欲求に該当します。
特別な研修制度
2つ目が「特別な研修制度」、1人当たり30万円以上するような高額な研修の受講を特別に認めるものです。
私自身、以前10万円の研修を受講したことがありますが、そこそこ質の良い無料の研修がある中で、自信を持って高額にしていることもあって、想像を超えて素晴らしい内容でした。
「特別な研修制度」は、以下のように、従業員・会社の双方にメリットがあります。
- 従業員自身の能力向上
- 会社・他の従業員への貢献
もちろん、特別な研修を受講することで従業員自身の能力が向上し、会社にメリットをもたらします。
日本企業は歴史的にOJTを重視してきましたが、今や人材不足であり、人材育成を意識しつつ仕事をすることは困難な時代になってきました。
そのため、Off-JTによる集中的な学びは今後ますます重要になってきます。
加えて、この「特別な研修制度」で実践していただきたいのが、
- 特別な研修を受講した従業員によるフィードバック研修
です。特別な研修に参加した従業員は、研修後に、講師として社内の他の従業員に研修内容のプレゼンを行うわけです。
受講するより講師をする方が学びが深くなります。
なにより、講師となる従業員は、先生という立ち位置を得ることになります。マズローの欲求5段階説でいう「尊厳欲求」に該当します。
まとめ
今回は、モチベーションを上げる非金銭的な報酬の活用方法としてオススメの2つを紹介しましたが、意外と非金銭的な報酬を活用していない企業は多いため、ぜひご検討ください。
なお、報酬を与えるときには、表彰式といった形をきちんと整えましょう。従業員の頑張り・成果に対して、会社としての感謝を明確に示し名誉を与えることは重要です。
懲戒制度ばかり充実していて、表彰制度がないような就業規則を見たら、従業員はどう思うでしょうか?
- 毎年のように改正される労働法令への対応に頭を悩ませている
- 総務や経理などの他の業務を兼務しているので、人事労務業務だけに時間を割けない
といった悩みを抱える企業の経営者・人事労務担当者向けに、公開型のブログでは書けない、本音を交えた人事労務に関する情報・ノウハウ、時期的なトピックに関するメールマガジンを「無料」で配信しています。
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