労働基準監督署が異例の逮捕!労働基準監督官の司法警察権とは?

こんにちは。福岡の社会保険労務士・安部敏志です。

労働基準監督署って逮捕が出来るの?と友人に聞かれたので、今回は労働基準監督官の司法警察権について解説します。

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労働基準監督署による異例の逮捕

友人は以下の記事を読んで驚いたということです。労働基準監督官が司法警察官としての権限を持っているのは、別に最近の話ではなく、昔からです。

今回の記事でも異例とあるように、まさしく「伝家の宝刀」ということであり、それほど悪質な事案だったということでしょう。

この事案は結構ニュースになっていましたね。

労基署が異例の逮捕=賃金未払いの社長ら-岐阜

中国人技能実習生に賃金を適切に支払わず、労基署の調査も妨害したとして、岐阜労働基準監督署は22日、最低賃金法と労働基準法違反容疑で、縫製会社社長粟谷浩司(50)=岐阜県笠松町米野=、技能実習生受け入れ事務コンサルタント伊藤智文(50)=岐阜市中=両容疑者を逮捕した。同署によると、労基署が容疑者を逮捕するのは異例。

逮捕容疑は、2014年12月~15年8月、中国人技能実習生の女性4人に最低賃金計約165万円と時間外手当計約310万円を支払わなかった上、虚偽の賃金台帳を提出するなど労基署の調査を妨害した疑い。時事ドットコムニュース(2016/03/22-19:05)より→リンク切れ

労働基準監督官の司法警察権とは

司法警察というのはわかりやすく言えば刑事さんです。お巡りさんは警察官ではあるけど司法警察ではなく行政警察です。

そして、司法警察権というのは、捜索・差押や逮捕、検察官への送致(送検)などを行う権限があるということです。

以下の労働基準法第102条のような規定に基づき、労働基準監督官は司法警察官の職務を行うことができ、今回のケースはこれに該当したわけですね。

労働基準法第102条
労働基準監督官は、この法律違反の罪について、刑事訴訟法に規定する司法警察官の職務を行う。

この権限は強力なので、すべての行政職員が持っているわけではありません。

しかし、今回のように逮捕までされるのは確かに異例だとしても、労働基準法や労働安全衛生法に違反し是正がされない場合には労働基準監督官が司法警察官として捜査を行うことはそれほど珍しいことではありません。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回のケースでは、虚偽の賃金台帳を提出するなど調査を妨害したということで、その悪質性が問われ、結果逮捕までされたわけです。

「これまでに調査を受けたことがないし、滅多に来ないから大丈夫」というのは「これまでに交通事故にあったことはないから大丈夫」というのと同じです。交通事故にあったとき、起こしてしまったときのことを想定して保険に入るなどの対応を取っていますよね?

同じように、経営を行うのであれば、万が一を想定し対応しておくことがリスクマネジメントの基本です。

労働基準監督署の調査に対応する際のポイントは以下にまとめていますのでご参考ください。

労働基準監督署の調査に対応するときの3つのポイントとは?
私の過去の職歴もあって、労働基準監督署が突然来たとき、どのように対応をすればよいのかといったご相談を受けることも少なくありません。そこで、今回は労働基準監督署が突然、臨検に来たときにどのように対応すれば良いのか、対策の3つのポイントを解説します。

また、賃金台帳については以下の記事をご参考ください。

罰金30万円!調査の際に必ず確認される賃金台帳とは?
賃金台帳とは、労務管理を行う上で基本中の基本であり、労働基準監督署による監督指導でも必ずチェックされる重要事項です。今回は、賃金台帳に必須の記載事項、保存期間、実際に賃金台帳を作成する際にオススメのソフトを解説します。

しかし、技能実習生受け入れ事務コンサルタントという肩書きは知りませんでしたw

この人も一緒に逮捕されているので、きっとこの人が今回の対応を主導したのでしょうが、結果異例の逮捕までされ、氏名まで出ちゃったわけですから、何のためのコンサルタントなのか。。。

労働基準監督署が異例の逮捕!労働基準監督官の司法警察権とは?
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この記事を書いた人


安部敏志

あべ社労士事務所代表・社会保険労務士

国家公務員I種職員として労働基準法・労働安全衛生法等の立案や企業への徹底的な指導に従事した経験を武器に、退職後は逆に会社を守る立場として経営者・人事担当者からの人事労務管理に関するご相談に対応。

最近は記事の執筆やセミナー講師の依頼にも積極的に対応。仕事内容がわかりにくいとよく言われるので、業務内容・実績を紹介するページを作成しました!

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