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社労士と言っても業務の範囲は幅広く、人事労務を専門にする人もいれば、年金を専門にする人もいます。
当事務所は人事労務を専門にしていますが、顧問先は従業員数30〜100名規模の会社が多く、総務と人事を兼務した担当が1人だけ、多くても2人という会社がほとんどです。
真面目な人事労務の担当者が多く、せっかくなのでスキルアップのために、なにか役立つ資格を取得したいと相談を受けることがあります。
そこで今回は、実際に人事をしていた経験、そして現在の社労士としての経験から、人事労務の実務に役立つ資格と不要な資格を本音でお伝えします。
人事に必要な資格と不要な資格
まず、結論から書きますが、
- 人事の実務を行う上で、必須の資格というのはありません。
特に、はじめて担当になった人事労務の初心者、将来人事労務を担当したいと思っている人は、何か資格を取った方が良いのではと思うようですが、正直に言えば、時間とお金のムダです。
経理業務に役立つ簿記のようなものがあると良いのですが・・・
今回、人事に必要な資格としてどんなものが一般的に紹介されているのか調べてみたところ、以下のように、驚くほどの数が紹介されていました。。。
- マイナンバー実務検定
- ビジネスキャリア検定
- ビジネス実務法務検定
- メンタルヘルス・マネジメント検定
- 給与計算実務能力検定
- 人事総務検定
- 日商簿記
- FASS検定
- MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
- 衛生管理者
- キャリアコンサルタント
- 中小企業診断士
- 社会保険労務士
はっきり言いますが、会社の中で人事労務の実務を行う際に、上の資格はすべて不要です。
唯一、会社の状況によって必要となる資格が衛生管理者です。
50人以上の事業場に必要な衛生管理者
衛生管理者は、労働安全衛生法によって、50人以上の事業場で選任が義務づけられています。
そのため、あなたの会社が50人を超えている、または超えそうな場合は衛生管理者の資格が必要になります。
なお、衛生管理者は国家資格であり、試験に合格し免許を取得する必要がありますが、受験には最低1年以上の実務が必要になります。
そのため、人事労務担当として労働衛生に関する実務を1年間従事する中で、試験対策に取り組む必要があります。
業種によって必要な安全管理者
衛生管理者の選任は、すべての業種で必要ですが、業種によっては安全管理者の選任も義務となります。
資格よりも重要な業務効率化のスキル
今回調べてみて、心底驚きました。
聞いたことがない資格はあるし、「人事が取るべき資格」として紹介されているし。。。
断言しますが、資格を取るために時間を割くくらいなら
- いかに短時間で正確・効率的に業務をこなすことができるか
を意識し、日々の業務を行う方がはるかに役立ちます。
幸い、今はクラウドソフトも多く、しかも安価で提供されています。そのため、
- 業務効率化のために様々なソフトを試してみる
ことでも良いですし、Excelを使いこなすために
- 関数やマクロで業務の半自動化を試してみる
のも良いでしょう。また、プログラムを学んで業務の一部でも自動化してみるといった実務に直結するスキルアップの方がはるかに有益と考えます。
まとめ
自らの勉強のために資格を目指すこと自体は無意味ではありませんし否定もしません。
社内の昇格要件として、資格の取得が推奨されているなら、具体的なメリットもあります。
ただ、今回調べてみて、人事が取るべき資格として聞いたことがない資格が紹介されていたりして、心底驚きました。ビジネスなのでしょうが、ウソはよくありません。
ちなみに、私が取得しているのは社会保険労務士と衛生管理者の2つだけです。
独立するために必要と考え、社会保険労務士の資格を取得しましたが、会社の中で実務を行う上では不要です。
もちろん、資格を既に取得している方は努力したわけですし、体系的な知識を身につけるために勉強するのはすばらしいことです。
ただ、人事労務の実務を行う上で本当に大事なことは、顧客のために時間を費やすことです。
人事労務担当者にとっての顧客とは、会社の従業員です。
資格の勉強よりも、経営者や従業員と交流し、働きやすい・働きがいのある職場環境を構築することに時間を費やすべきです。
ウソ情報に振り回されず、本当に重要なことにのみ、限りある時間を費やしましょう。
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私自身、社労士という資格に誇りを持っています。企業からの社労士に対する不満をよく聞きますし、「社労士なんて役に立たない」と思われることは、正直悔しいです。
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そんな想いから、少しでも社労士業界全体のレベルアップに貢献できればと考えています。
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