テレワークを行う上での押印以外の代替手段を検討してますか?

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分類: テレワーク

テレワーク中なのに、書類にハンコを押すために出社が必要などという笑えない話が広まりましたが、そもそも書類にハンコが必要なのかという点で、多くの方は今まで考えたことすらなかったのかもしれません。

契約書に押印は必要なのか?

もともと、私は紙の印刷物が嫌いなので、請求書はPDF送付という形がベストなのですが、そのときに押印が必要なのかという点で調べたことがあり、請求書に押印が必須という結論は出てきませんでした。

ただ、契約書や請求書に押印が必要という経理担当者の固定観念、慣習というのは根強く、先方の会社から、電子データでもダメ、押印された請求書を印刷して郵送すべしと要請されれば従わざるを得ないし、ちょっとしたPC操作によってかなり効率化できることがわかったので、そのままやり過ごしていました。

しかし、コロナ対応として、国が強烈に後押しするテレワークへの対応という観点から、押印が必須という固定観念を払拭するために、内閣府、法務省、経済産業省の連名による公文書「押印についてのQ&A」が発出されています。

以下のとおり、以前調べた結果と同じですが、「契約に当たり、押印をしなくても、契約の効力に影響は生じない。」ということをこのように公的に示してくれるのはとてもありがたいことです。

問1. 契約書に押印をしなくても、法律違反にならないか。

  • 私法上、契約は当事者の意思の合致により、成立するものであり、書面の作成及びその書面への押印は、特段の定めがある場合を除 き、必要な要件とはされていない。
  • 特段の定めがある場合を除き、契約に当たり、押印をしなくても、契約の効力に影響は生じない。

参考:押印についてのQ&A(内閣府、法務省、経済産業省)

テレワークで求められる押印以外の手段

また、問3への回答の中に以下の文章がありますが、簡単に言い換えると、

「重要な文書だからハンコが必要」と言っていても、100円ショップで売られているような三文判で押印して処理しているのなら、誰でも押印できるし、万全とは言えないよね? ということです。

形式的証拠力を確保するという面からは、本人による押印があったとしても万全というわけではない。そのため、テレワーク推進の観点からは、必ずしも本人による押印を得ることにこだわらず、不要な押印を省略したり、「重要な文書だからハンコが必要」と考える場合であっても押印以外の手段で代替したりすることが有意義であると考えられる。

となると、印鑑証明書を添付した上で、実印で押印するということになるわけですが、会社内でそこまで求められる手続きは一般的にありません。

つまり、「重要な文書だからハンコが必要」などと会社で言っている人がいるなら「では、印鑑証明書を添付して実印を押すんですか?」ということになるわけです。

認印で済ましている手続きであれば、すでに簡易な手続きで済ませようと考えているわけなので、国はテレワークを推進しているんだから、今後は押印以外の手段で代替することを皆さんできちんと考えてください、というのを法的に正しく、少々の皮肉を込めて指摘されているというのが正しい読み方な気がしています。

なお、以下のように、上司や同僚の印鑑を無断で使用して処分されるというニュースはよく見ます。やはり印鑑って意味ないですよね。

参考:男性技師に停職1か月 事務処理遅れ他職員の印鑑でごまかし 三重県教委

押印以外の代替手段

押印についてのQ&A」では、押印以外の代替手段として以下の方法が示されています。

  1. 継続的な取引関係がある場合

    • 取引先とのメールのメールアドレス・本文及び日時等、送受信記録の保存(請求書、納品書、検収書、領収書、確認書等は、このような方法の保存のみでも、文書の成立の真正が認められる重要な一事情になり得ると考えられる。)
  2. 新規に取引関係に入る場合

    • 契約締結前段階での本人確認情報(氏名・住所等及びその根拠資料としての運転免許証など)の記録・保存
    • 本人確認情報の入手過程(郵送受付やメールでのPDF送付)の記録・保存
    • 文書や契約の成立過程(メールやSNS上のやり取り)の保存
  3. 電子署名や電子認証サービスの活用(利用時のログインID・日時や認証結果などを記録・保存できるサービスを含む。)

テレワークに限らず、そもそもその業務に意味があるのかという視点で、社内の業務を継続的に見直すことは働き方の見直しという意味でも重要です。

また、押印以外にもまだまだ社内の独自ルールといったものはたっぷりあるでしょう。

ぜひ、社内の業務を定期的に見直してみてください。

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