賞与支払届の書き方を詳細解説(記入例つき)

こんにちは。福岡の社労士・安部敏志です。

今回は、賞与を支給したときの手続き、意外と記入間違いの多い賞与支払届の書き方について解説します。

なお、賞与・ボーナスの基礎知識については以下の記事で解説していますのでご参考下さい。

賞与とは? 人事が知っておくべき賞与の法的意味・メリット・デメリット
賞与(ボーナス)の法的な意味、賃金との違い、支給時期の理由、人事労務上のメリット・デメリットを徹底解説します。
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賞与を支給したときの手続き

賞与についても、給与と同じく、健康保険・厚生年金保険の毎月の保険料と同率の保険料を納付しなければなりません。

対象となる賞与については、日本年金機構のページによると以下のとおりです。

賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対償として受けるもののうち、年3回以下の支給のもの。

なお、年4回以上支給されるものは標準報酬月額の対象となり、また、労働の対償とみなされない結婚祝金等は対象外。

そして、事業主が被保険者へ賞与を支給した場合には、支給日より5日以内に「被保険者賞与支払届」(以下「賞与支払届」)を提出しなければなりません

なお、社会保険料の対象となる報酬の範囲については以下の記事で詳しく解説していますのでご参考ください。

社会保険の対象となる報酬の範囲をわかりやすく表にしました!
社会保険の対象となる報酬の範囲はわかりにくいと感じられがちなので、わかりやすく表にしてまとめてみました。

この届出の内容によって、標準賞与額が決定され、賞与の保険料額が決定されることになります。

また、被保険者が将来受給する年金額の計算の基礎となるため、これを間違えてしまうと、社員の将来の年金に影響してしまうため、責任重大ですよ。

なお、標準賞与額の算定方法や賞与の保険料額については以下の記事で詳細に解説していますのでご参考下さい。

賞与計算のポイントは所得税と社会保険!【29年度対応の計算例付き】
賞与計算と給与計算の違い、29年度の最新の社会保険料率による実際の計算例を示して解説します。

賞与支払届の書き方

さて、それでは賞与支払届の書き方について解説していきますが、様式は個々の被保険者の支給額などを記入するものと総括表の2種類があります。

まず、順番としては、下の図の賞与支払届を記入していきますが、今回はわかりにくい箇所、間違いの多い箇所を解説します。

bonus-payment-sheet01

被保険者整理番号

まず、aの箇所は被保険者整理番号を記入します。

以下は協会けんぽの被保険者証の例ですが、赤枠の番号が被保険者整理番号になります。

social-insurance-number

賞与支払年月日

次に、bの賞与支払年月日を書きますが、b-1の部分はbと同じであれば記入は不要、つまり空白で大丈夫です。

標準賞与額

cの賞与額は標準賞与額を記入します。

標準賞与額については以下の記事で解説していますが、標準賞与額は実際に支給した賞与額の1,000円未満を切り捨てた額です。

つまり、実際に支給した賞与額(社会保険料などの控除前の金額)が850,500円であれば、標準賞与額は850,000円になり、cの欄には850と記入します。

賞与計算のポイントは所得税と社会保険!【29年度対応の計算例付き】
賞与計算と給与計算の違い、29年度の最新の社会保険料率による実際の計算例を示して解説します。

賞与額 通貨によるものの額

dの通貨によるものの額には、実際の支給額を記入します。先程の例で言えば850,500円と記入することになります。

種別

eの種別には、以下の該当する番号を入れます。多くの会社では1、2、5、6のどれかになるでしょう。

  • 1: 坑内員以外の男子
  • 2: 女子
  • 3: 坑内員
  • 5: 厚生年金基金の加入員であって、坑内員以外の男子
  • 6: 厚生年金基金の加入員である女子
  • 7: 厚生年金基金の加入員である坑内員

総括表の書き方

総括表の書き方はそれほど難しくありません。

bonus-payment-sheet02

ただし、全員に賞与の支払いがなかった場合も、総括表は提出する必要があります。その場合は、「支給・不支給」欄の「不支給・1」を○で囲んで提出してください。

また、賞与支払届は、電子媒体(CDまたはDVD)などによる届出が認められていますが、総括表については電子媒体による届出ができません。

電子申請の届出の際には、PDF形式やJPG形式による添付データとして提出することは可能です。

社会保険労務士に依頼して電子申請を行う場合であれば大丈夫ですが、念のためご注意ください。

賞与を支給した被保険者数

aの賞与を支給した被保険者数は、文字通りであり、賞与0円だった人はカウントしません。

もし、全員の賞与の支給がない場合は、この欄への記入は不要です。

また、その隣の賞与支給総額は、賞与支払届の各金額を合計した金額になります。

被保険者人数

bの被保険者人数には、社会保険の加入者の数を記入します。そのため、aの数と同じか、それよりも必ず多くなります。

賞与の名称

cの賞与の名称には、夏期賞与、決算手当、期末手当など、会社によって支給した賞与の名称があるでしょうから、その名称を記入します。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

賞与支払届の書き方についてご理解いただけましたでしょうか?

実際にはじめるとそれほど難しいわけではありませんが、従業員数の多い会社になると一苦労です。

従業員10名程度の会社であれば、年金事務所から送付される紙に記入して届出をしてもよいですが、年金事務所に事前に希望すれば、賞与支払予定月の前月に被保険者氏名等の基本情報を収録した電子媒体(CD-RW)を送付してくれます

参考 従業員に賞与を支給したときの手続き(日本年金機構ウェブサイト)

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2017/8/1追記

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料金そのままで機能アップということで、他の給与計算ソフトから頭一つ抜けましたね。

賞与支払届の書き方を詳細解説(記入例つき)
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この記事を書いた人


安部敏志

あべ社労士事務所代表・社会保険労務士

中小企業の人事労務担当者の育成を中心に業務展開。専門記事の執筆やセミナー・社内研修の講師業も実施。

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