家族の介護をする場合「残業免除」を企業に義務化!2017年1月から!

こんにちは。口べたなのに最近講師を依頼されることが増えてきた福岡の社労士・安部敏志です。

さて、来年1月(H29.1)から家族の介護をする労働者の残業が免除される制度が始まります。

今回は、この家族の介護をする労働者の残業が免除される制度の概要・実務的な対応と注意すべきポイントについて解説します。

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残業の免除(介護のための所定外労働の制限)

この残業免除制度は、改正育児・介護休業法に基づく省令により実施されるものであり、報道でも大きく取り上げられています。

厚生労働省は、家族の介護をしている労働者の残業を免除する制度を、企業に義務づける方針を決めた。

就業規則に明記することを求め、国の指導に従わない悪質なケースでは企業名を公表する。来年1月に施行される改正育児・介護休業法に基づく省令で実施する。安倍政権が掲げる「働き方改革」の一環で、「介護離職ゼロ」の実現を目指す。

制度を利用できるのは、同じ会社で週3日以上の勤務を1年以上続けている人。パートタイマーなど非正規労働者も含まれる。勤め先に申請すれば、介護対象の家族が亡くなったり、症状が回復して介護の必要がなくなったりするまで残業が免除される。

申請できる期間は1か月~1年間だが、更新可能で期間も延長できる。介護される家族の状態は原則、食事や排せつに手助けが必要な「要介護1」以上。

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介護者の残業を免除、来年1月から企業に義務化(YOMIURI ONLINE)

ただ、来年1月から始まる改正育児・介護休業法の新しい制度は実は8つありますが、この残業免除のみが新設される制度であり、他の7つは既存の制度の改正になるため、こちらが大きく取り上げられているのでしょう。

介護者残業免除制度の概要

制度概要としては以下のとおりです。

exemption-of-overtime-work-for-nursing-care

これは育児・介護休業法改正のリーフレットから借用したものですが、これを読んで、家族の介護をする労働者は全員、H29.1から残業を免除されると思うのは早計です。

育児・介護休業法の成り立ちや法令の構成をご存知の方であれば、あれっと思うはずです。

で、詳細を確認してみると、この制度は正しくは以下のようなものです。

所定外労働の免除を介護終了までの期間について請求することのできる権利

そして、もちろん全員の残業が免除になるわけでなく、以下のような条件があります。

  • 当該事業主に引き続き雇⽤された期間が1年未満の労働者等は、労使協定により除外できる。
  • 1回の請求につき1⽉以上1年以内の期間で請求でき、事業の正常な運営を妨げる場合には事業主は請求を拒否できる。

会社の実務的な対応

育児・介護休業法に関する制度のほとんど全てについて、会社は、就業規則または別規程を作成し実務的な対応を行うことになります。

私のクライアントやセミナーを受講した方は、私が耳にタコができるくらい繰り返し言うのでご存知かと思いますが、就業規則を作成・改定する上でのポイントは3つあります。

今回の制度に関しては、会社は、就業規則の中で詳しく自社にあった制度として設計し、規定しておかなければ、大きな損失になります。

もちろん労働者にとっても損失になります。法令による説明内容と現実的に運用可能な制度には乖離が生じるため、混乱・トラブルが生じかねないでしょう。

就業規則を作成・改定する際には、以下の3点を事前に十分検討した上で、規定していくことになります。

特に、人員配置の問題は、部署間にバラツキが出ると業務に支障も出るため、具体的な手続きと併せて調整する必要があります。

  1. 対象者をどうするか?
  2. 人員配置をどうするか?
  3. 具体的な手続きをどうするか?

日本は世界に先駆けて「超高齢社会」に突入しており、介護の問題というのは、育児の問題以上に、多くの人が関係する切実な問題です。

ちなみに、超高齢者などの定義は以下のとおりです(Wikipediaより)

  • 高齢化社会→高齢化率7-14%
  • 高齢社会→同14-21%
  • 超高齢社会→同21%-

この残業免除制度については、そもそも残業がほとんどない会社であれば問題はないのですが、現実的には残業がある会社の方が多いわけです。

そのような意味で、今回の制度改正は時宜にあったものですが、実務的な視点で対応するには、よくある「法令どおりの対応をしておけばよい」ではトラブルになってしまう可能性が高いということに注意しておきましょう。

参考

育児・介護休業法について(厚生労働省Webサイト)

家族の介護をする場合「残業免除」を企業に義務化!2017年1月から!
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この記事を書いた人


安部敏志

あべ社労士事務所代表・社会保険労務士

国家公務員I種職員として労働基準法・労働安全衛生法等の立案や企業への徹底的な指導に従事した経験を武器に、退職後は逆に会社を守る立場として経営者・人事担当者からの人事労務管理に関するご相談に対応。

最近は記事の執筆やセミナー講師の依頼にも積極的に対応。仕事内容がわかりにくいとよく言われるので、業務内容・実績を紹介するページを作成しました!

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