年間休日の平均が105日や120日と言われる理由・その間違いをデータで解説

こんにちは。福岡の社労士・安部敏志です。

法律を読むのが好きと言ったら変態と言われたことがあります。。。実は統計を見るのも大好きです。議論をするときには、イメージではなく数字を示したいものです。

あなたは「会社の年間休日数は何日ですか?」と質問されたらすぐに回答できますか? 何を見て回答しますか?

今回は厚生労働省による調査結果をもとに年間休日の平均(企業平均、労働者平均)、労働基準法上の最低限の年間休日数について解説します。

スポンサーリンク

年間休日数の平均は何日?

平成28年就労条件総合調査結果によると、最も多い年間休日数が100〜109日の32.0%、次に120〜129日の29.6%となっています。

規模別に見ると、300人以上の規模の企業では120〜129日、299人以下の企業では100〜109日が最も多くなっています。

なお、図には入れていませんが、調査結果によると、年間休日の平均については、1企業平均では108.0日、労働者1人平均では113.8日となっています。

「年間休日数の平均は何日?」と聞かれても、「誰から見たときの平均なのか」ということで以下のように変わります。

  • 企業から見た平均:108.0日
  • 労働者から見た平均:113.8日

会社の年間休日数は何日ですか?

冒頭で「会社の年間休日数は何日ですか?」と質問されたらすぐに回答できますか? という質問をしましたが、なぜこの質問が大事かというと、所定労働日数というのは残業代の計算に必要であり、また法定帳簿である賃金台帳に記載する義務があるからです。

で、年間休日数は、以下のように計算すればすぐにわかります。

365日(または366日) – 年間所定労働日数 = 年間休日数

つまり、会社の年間休日数を質問されて、会社で作成している業務カレンダーがあれば素晴らしい会社、賃金台帳、最近は給与計算ソフトを用いているでしょうが、それで計算して回答できる会社も大丈夫です。

一般のカレンダーを用いて数え始めたら、人事労務担当者ではなく、人事労務初心者と名乗った方がいいです。法違反の可能性すらありますし。

この理由については以下の記事で詳しく解説しています。

割増賃金の基礎となる1時間当たりの賃金の計算方法を賃金制度別に解説!
残業代の計算になぜ年間所定労働日数が重要なのかわかりますか? 今回は、給与計算ソフトを使っていても間違いがちな「割増賃金の基礎となる1時間あたりの賃金の算出方法」について解説します。

なお、法定帳簿である賃金台帳の記載項目については以下の記事で解説しています。

賃金台帳とは? 記載事項・保存期間・書き方を解説(記入例あり)
賃金台帳は、人事労務の法定三帳簿の一つであり、労働基準監督署にも必ずチェックされる重要書類です。今回は賃金台帳の記載事項、保存期間について、法律的な根拠を踏まえて詳細に解説します。

カレンダー通りの年間休日数だと120日前後

驚いたことに、年間休日数に関するインターネット上の記事を見ると、平均105日やら平均120日やら妙な数字が飛び交っています。

で、内容を見てみると、どうもカレンダー通りに土日祝日が休みの場合の数字として平均120日と言っているようです。

ちなみに、2016年の年間休日数は121日、2015年は120日なのですが、それは平均とは言わないでしょ。。。。

先程の規模別の図によると、3〜5割の年間休日数が120〜129日となっていますが、カレンダー通りの休日数である120日前後に、盆や年末年始の特別な休暇が入ってこの数字になっているのでしょう。

労働基準法と年間休日の関係

たまに質問されますが、労働基準法の中で休日に関係する規定は以下の部分のみです。

年間休日数ではなく、1週間に1回の休日を与えなければならないとなっているだけです。

年間365日、または366日で考えると、52週に端数が生じるため、少なくとも53日の休日というのが最低限の年間休日となります。

労働基準法第35条(休日)
  1. 使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない。
  2. 前項の規定は、4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者については適用しない。

ただし、注意しなければならないのは、労働時間の規制、1日8時間、1週40時間という規制です。

年間の法定労働時間については以下のように計算することができます。

365日 ÷ 7日 × 40時間 = 2085.7時間

時間外労働、いわゆる残業がないとして、法定の1日8時間労働として計算すると、年間所定労働日数は260日になるため、年間休日数は以下のようになります。

365日(または366日) – 260日 = 105日(または106日)

この計算によって年間休日数が105日という数字が出てくるわけです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

統計や法律を踏まえて、実態を見てみると、意外と面白い発見があると思いませんか?

せっかくなので、人事労務担当者であれば、法律上の最低限の年間休日数は53日、平均の年間休日数は110日前後、カレンダー通りの年間休日数は120日前後と覚えておきましょう。

なお、休暇と休日について混同している方がたまにいますが、休暇と休日は法的にまったく違います。以下の記事で詳しく解説していますのでご参考ください。休暇を休日として扱ってしまうと割増賃金の計算を間違ってしまいますよ・・・

休日と休暇の違いをわかりやすく解説! 混同すると割増賃金に影響あり!
休日と休暇はまったく違います。混同して就業規則に規定すると割増賃金に影響が生じ意図せぬ負担が生じることを解説します。

また、以下の記事では、有給休暇の消化率に関する統計を紹介していますので併せてご参考ください。

平成28年の有給休暇消化率は48.7%! 規模別・業種別の消化率もグラフにしてみた!
平成29年に発表された最新の調査結果から、有給休暇の取得率、会社の規模別・産業別の取得率をグラフにしてみましたのでご参考ください。

参考 年間休日の平均は120日|年間休日が少ない場合の対処法3つ

年間休日の平均が105日や120日と言われる理由・その間違いをデータで解説
本記事以外の人事労務情報も満載の
Facebookページを、
いいねしてチェックしよう!
スポンサーリンク

フォローする

自社・他社の評判・分析を正しく把握するために

自社・他社の評判・分析を正しく把握するために

うちの会社はどんな評判なのだろうか、退職者が最近増えているけどもしかして同業他社に転職しているのだろうか、最近はそんな悩みを聞くことが増えています。

求人情報などの表の情報だけでなく、クチコミを調べるのは、今や求職者も会社の人事担当者も基本です。

求職者であれば入社予定の企業のクチコミ情報を集めますし、人事担当者にとっては自社・同業他社がどのようなことを言われているのかを分析することが重要です。

最近はこのような企業の内情を知るためのクチコミサービスは増えていますが、その中でも登録企業数は43万社以上、そして年収情報まで掲載されている国内最大級のキャリコネ転職サービス では企業の内部情報を無料で見ることができます。

今すぐ転職したいという人でなくても、現在の仕事で本当に良いのか、他社の状況を知っておくことは有用ですし、人事担当者としても自社の状況改善・他社の動向把握のためにもこうしたサービスを有効に活用しましょう。

キャリコネ転職サービス

人事の秘訣を知りたくありませんか?

人事の秘訣を知りたくありませんか?

毎月1回、人事に悩む経営者や人事担当者向けに、公開型のブログでは書けない本音を交えた人事の秘訣をお伝えしています。

また、人事担当者が対応すべき時期的なトピック、購読者限定のお得なサービスのご案内などを配信していますので、ぜひお気軽にご登録ください。

注意
*は必須項目を示しています。なお、氏名の欄には本名を漢字で入れてください。「たこ」など明らかにふざけた名前を登録している方がいますが、見つけ次第削除しています。


この記事を書いた人


安部敏志

あべ社労士事務所代表・社会保険労務士

従来の顧問契約とは異なり、中小企業の人事労務担当者の育成を主要業務とする。専門記事の執筆やセミナー・社内研修の講師にも対応。

あべ社労士事務所の業務案内

error: Content is protected !!