就業規則を公開し採用や広報の武器としている会社がある!

こんにちは。福岡の社会保険労務士・安部敏志です。

以前も書いたように、就業規則というのは作ろうと思えば、テンプレートは至るところに転がっているので、簡単に作れます。

ただ、一旦作ってしまうと、変更は難しくなりますし、そもそも何も理解せずにテンプレートを使い回した就業規則では、万が一の事態に全く対応できない、欠陥だらけのルールとなってしまうわけです。

このあたりは以下の記事に書いています。

本当は怖い就業規則! よくある間違い・落とし穴を徹底解説!
人を雇っている会社のルールブックとも言える就業規則について、中小企業でよくある間違い、その落とし穴について解説します。「就業規則の作成は怖くない」「簡単にできる」と書く素人がいますが、実際に裁判になってからでは遅いのです。

今回は、ITベンチャー企業が自ら会社の就業規則をつくったという興味深い実例を紹介します。

会社の就業規則そのものを公開し、その経緯などを記事にするという試みは面白いですね。

私としても、一般の方が就業規則を作成する上で、どんなところにつまづき、どのような問題意識を持っているのかということを知ることができ、とても参考になりました(^0^)

ということで、それらの記事の中で、興味深かった点を紹介します。

参考

GitHubに会社の就業規則を公開した

弊社もGitHubで就業規則を公開しました。

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就業規則をむしろ守りでなく攻めの武器として捉えている!

今は様々なところで人材不足が叫ばれています。今後の日本の労働人口を考えると、さらに深刻な状況に陥っていくことは間違いありません。

そのような中で人財を惹き付けるためには、会社に魅力を持ってもらうしか方法はありません。

実際、就業規則を公開している理由として、

  • 健全性を保つ
  • 入社検討の材料になる
  • 広報活動になる

をあげていますが、これはまさに今会社にいる社員、そして求職者からの信頼を得ようとしている表れです。

募集欄に良いことばかり書くのと、就業規則に書くのでは、全くレベルが違います。

昔から募集欄の労働条件と実態が違うというのは問題視されていましたが、その解決法となると・・・

しかし、就業規則に書いてしまうと、それがその会社のルールとなり、裁判になっても就業規則を前提に議論されることになります。

零細企業に就業規則はいるのか?

従業員が10人未満であれば、労基署への提出義務はありません。ただ、それが就業規則は不要と結びつくかと言えば微妙なところで、仮に明文化なされていなくても、「給与額はどう決めるの?」「残業代は?」「有給日数は何日?」のような取り決めは必要です。もし、ルールが明文化されていない場合は、従業員側は雇用者が毎回違う事を言っていたとしても従わざるを得ない状況になる可能性があります。

無用な雇用トラブルを避け、かつ、従業員のことを考えるのであれば、ルールの明文化は必須で、それが正に就業規則そのものになります

記事の中でも書いていますが、確かに法的義務はありません。

問題は、就業規則そのものを明文化するかどうかということです。

実際に、人を雇って給料を払っているわけですから、労働条件などのルールはあるわけです。

であれば、そのルールがまさに就業規則に活かせる内容になるわけなので、実務的に考えるなら、少なくとも明文化はしておくべきでしょう。

いちいち、口頭で労働条件などを回答するのは面倒ですから。

そのため、10人未満の時点では、将来的に就業規則に利用できるような形で、ルールを明文化しておき、10人を超えそうな段階になれば、社労士の力を借りて法令を反映した形で整えていくといったのが現実的です。就業規則の変更の場合、手続きも必要になりますので。

就業規則作成のコスト感

就業規則の作成を社労士事務所に委託すると、ひな形に穴埋めするだけでも30万円程度が相場です。更に会社の実態に合わせていったり、理想とする制度の設計までをやっていくと、最悪ケースで100万円ぐらいはかかってきます。

うちの場合、制度設計をがっつりやった面はありますが、完成まで9ヵ月間、実働工数で2人月分ぐらいはかかっています。売上的には何も生まない2人月分の作業が100万円程度で済むのであれば、どっちが良いのかは微妙なところかと思います。

コスト感についても、とても実感がこもってます(笑)

ただ、自ら作ったメリットとして「規則の内容を完全に把握することになる」と書かれていますが、まさしくそのとおりです。

私がよく見る就業規則のパターンは、最初は社労士に作ってもらったけど、その後の改定を社員自身が行ったというものです。

これは一目でわかります。中身がちぐはぐになるだけでなく、私が見た中で最悪だったのが、ある部分では管理職には残業手当を付けないと書いているのに、他の部分では管理職手当の中に残業部分10時間分を含むと書いてありましたから。。。

社労士に任せるとしても、一つ一つについて社労士に説明してもらい、その内容を理解しておくということは重要です。本来、費用の中で大きいのはその分であり、作成代+講習代のようなイメージです。

なんだかんだ言っても、零細企業で30万円だとか100万円だとか払うのは辛いので、その費用が浮くのは大きいです。あと、自分で書かざるを得ない以上、規則の内容を完全に把握することになるので、将来的に規則を改定していく際に雇用側の意向を完全に反映させた改定がやりやすく、委託するにしても「丸投げしか選択肢がない」という状態は避けられます。

このあたりは、外注ではなく自前でシステム作ると~みたいな話にまんま通じる話です。

就業規則における管理職の定義と規定例
人事制度に関するご相談に対応する際は必ず就業規則の内容をチェックしますが、ほとんどの就業規則がテンプレートを用いて作成されているので、同じところで間違っています(^0^) 今回は、こんな就業規則は危ない!というテーマで管理監督者の定義を明確に書くべき理由について書きます。

まとめ

こういったこれまでの常識を覆す取組というのはITベンチャー企業ならではですね。

また、記事を読んでいただけるとわかるのですが、就業規則の作成そのものを楽しんでいる感じが素晴らしいです。

実は、就業規則の作成そのものは単純です。

職場の労働条件や服務規律といった実態を法的効果を踏まえつつ文章として落とし込んでいく作業なので、専門家であれば、普通はできます。

大事なことは、就業規則の作成をきっかけとして、会社が社員に対してどのように働いて欲しいか、ということを真剣に考え、話し合っていくということです。

就業規則は、それを社員に対して統一的に伝えるツールでしかないわけです。

記事の中で、

就業規則に脆弱性を抱えていて、悪意のある従業員が存在したら、零細会社であれば普通に破滅です。

と書かれていますが、これはまさにご自身で作成されたからこそ実感されたことではないかと思います。

このような形で就業規則の重要性が伝わっていくというのは、本当に嬉しいことです。

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この記事を書いた人


安部敏志

あべ社労士事務所代表・社会保険労務士

国家公務員I種職員として労働基準法・労働安全衛生法等の立案や企業への徹底的な指導に従事した経験を武器に、退職後は逆に会社を守る立場として経営者・人事担当者からの人事労務管理に関するご相談に対応。

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