契約社員の期間を決める際の法律上の留意事項とは?

契約社員の契約期間はどのように決めていますか?

手続きが面倒なのでなるべく長めの期間にしたいという企業もあれば、最初は試用期間の意味合いを込めて1年単位という企業もあり、対応はバラバラのようです。

今回は、契約社員の契約を決める際の法律上の留意事項、実務的な部分の解説を行います。

なお、今回の記事は、実際に当事務所にいただいた契約期間に関係するご相談をもとに作成しており、その際の回答もご紹介しています。

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契約社員の契約期間とは?

契約社員との契約というのは、労働基準法第14条に基づき、原則として3年が上限になります。

例外として、専門的な知識等を有する労働者、満60歳以上の労働者の場合は、5年が上限となります。

労働基準法第14条(契約期間等)
労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年(次の各号のいずれかに該当する労働契約にあつては、5年)を超える期間について締結してはならない。

契約社員の労働条件とは?

なお、よくある誤解なので補足しておきますが、契約社員と契約する場合、正社員に対して行っている手続きがすべて不要と思い込んでいる経営者がいます。

契約社員というのは、あくまで労働契約の期間が定まっているというだけであり、手続きとして免除されるものはありませんし、むしろ、労働条件通知書のように必要要件が増える場合の方が多いので要注意です。

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実務的な対応:契約期間はどのように決定する?

さて、ここからは、実際にいただいたご相談です。仮に、A社、A社の契約社員Bさんとしておきます。

先程解説しましたように、契約社員との契約というのは、労働基準法第14条に基づき、原則として3年が上限になります。

法的にはあくまで上限が定められているだけですから、3年以内であれば、2年、2年半、2年11か月、どんな期間でも良いわけです。

A社は、契約社員と契約する際、契約の開始時期に限らず、上限ぎりぎりの3年で契約していました。

つまり、4/1に契約を開始した場合は3年後の3/31まで、10/1に契約を開始した場合は3年後の9/30まで契約していたわけです。

Bさんの場合の契約は、なんと、1/15開始、そして3年後の1/14という中途半端な時期に終了することになっていました。

それに気づいたA社の人事担当者が、Bさんに直近の3/31まで残ってもらうようにお願いしたが、Bさんは既に他の会社で働くことが決定していたため断られた、どうすればよいだろうかというご相談を受けたわけです。

今回のポイント

途中で解説しましたように、あくまで法律で定められているのは上限なのですから、3年以内であればどのように期間を決めても良いわけです。

そのため、A社は契約期間としてきりの良い数字で契約を結んでいたわけですが、本来は実務的な影響を考えて、会計期間を考えた期末や年度末などにしておくべきだったでしょう。

また、すべての契約社員の契約期間満了時期が一度に重なるよりは、半分ずつにするなどの工夫も必要でしょう。

いずれにしても、労働契約というのはあくまで契約です。

中途半端な期間の延長となると、あくまでA社の都合であり、Bさんにお願いするしかありません。

Bさんは契約に従っているだけであり、そんな契約期間にした企業に責任があるわけです。

まとめ

今回のようなケースは意外と多くあります。

あなたの企業が、日本でNo1の人気がある会社なら、契約社員からもぜひ延長したいと希望が殺到し問題はありませんが、優秀な人であれば、色々なところからお誘いがかかりますし、契約社員だからと安心していたら、すぐに奪われます。

退職というのは防ぎようがありませんが、少なくともダメージを小さくするための手だては準備しておきましょう。

参考 厚生労働省HP・労働契約(契約の締結、労働条件の変更、解雇等)

なお、平成24年の労働契約法改正により、有期労働契約が繰り返し更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申し込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるという無期転換ルールが平成25年から施行されていますので、ご関心のある方は以下の記事で詳細に解説していますのでご参考ください。

無期転換ルールの対応時期は全員が2018年ではありません!
人事労務の平成30年(2018年)問題、いわゆる無期転換5年ルールの対象となる社員、多くの誤解がある点を解説します。
契約社員の期間を決める際の法律上の留意事項とは?
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この記事を書いた人


安部敏志

あべ社労士事務所代表・社会保険労務士

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