3/1から法律で義務化された就活生への職場情報開示のポイントを解説

こんにちは。福岡の社労士・安部敏志です。

さて、3/1に平成29年(2017年)卒業の学生を対象とした就職活動が解禁となりました。

これは経団連の指針を踏まえた対応であり、そのような指針を踏まえるつもりはない企業は既に新卒採用のエントリーを行っていたわけですが。まあ、これは指針ですし。。。

しかし、同じ3/1に、こちらは法律により義務となったものですが、新卒採用を行う企業は職場情報を提供しなければならない制度がスタートしたのをご存じですか?

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事業主による職場情報の提供の義務化

これは企業規模を問わない義務づけです。10人未満の企業であろうが、1,000人以上の企業であろうが、新卒者を雇おうとしているなら、青少年の雇用の促進等に関する法律(若者雇用促進法)という法律によって対応することを義務づけられています。

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具体的な義務化の内容は以下のとおりですが2段階となっています。なお、努力義務と義務の違いは以下を参考にしてください。

  • 幅広い情報提供を努力義務化
  • 応募者等から求めがあった場合は、3類型ごとに1つ以上の情報提供を義務化
義務と努力義務の違いとは? 努力だからやらなくてもよいは本当?
法律を読むときには、法律用語を正しく理解しておかなければなりません。間違った理解・運用では下手をすると罰則を受けてしまいます。今回は、義務と努力義務の違いについて法的な観点から解説します。

このうち、今回、義務として提供を求められている3類型というのは以下のとおりです。注意すべき点は3類型ごとに1つ以上ということです。3つのうちの1つではありませんよ。

  1. 募集・採用に関する状況
  2. 労働時間等に関する状況
  3. 職業能力の開発・向上に関する状況

1. 募集・採用に関する状況

これは、過去3年間の新卒採用者数・離職者数、過去3年間の新卒採用者数の男女別人数、平均勤続年数、また参考値として可能であれば平均年齢の情報提供も求められています。

2. 職業能力の開発・向上に関する状況

これは、具体的には以下の情報となります。

  • 研修の有無及び内容
  • 自己啓発支援の有無及び内容(教育訓練休暇制度・教育訓練短時間勤務制度がある場合はその情報を含む)
  • メンター制度の有無
  • キャリアコンサルティング制度の有無及び内容(セルフ・キャリアドック(定期的にキャリアコンサルティングを受ける機会を設定する仕組み)がある場合はその情報を含む)
  • 社内検定等の制度の有無及び内容

また、研修の内容を示す際には、具体的な対象者も示すことが求められています。

3. 企業における雇用管理に関する状況

これは、前年度の月平均所定外労働時間の実績、前年度の有給休暇の平均取得日数、前年度の育児休業取得対象者数・取得者数(男女別)、役員に占める女性の割合及び管理的地位にある者に占める女性の割合になります。

情報提供の方法

情報提供の方法も示されているので注意が必要です。

  • ウェブサイトでの公表、会社説明会での提供、求人票への記載などによる、自主的・積極的な情報提供
  • 応募者等から個別の求めがあった場合は、メールまたは書面による情報提供

ウェブサイトに掲載している場合は、個別の求めがあっても、掲載箇所を示すことで構わないとなっています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

近年、若者を酷使するブラック企業が社会問題となり、行政もその対策に動いています。

特に、今回の義務化は、職場の実態を事前に知ることで就職先を選びやすくし、不本意な早期離職といったつまずきを防ぐ狙いもあるため、3年以内に3人に1人が辞めてしまう新卒者の離職率低下にも資するものです。

ただ、このような情報を既にウェブサイト上に掲載し、採用活動に活かしている企業もあります。

これを義務と受け止めるのか、それとも我が社の情報をぜひ見て欲しいとアピールしていく材料にしていくのか、それを決断するのは御社次第です。

ちなみに、今回の法改正に伴う点で、私が興味深く読んだのが、参議院厚生労働委員会による附帯決議です。

附帯決議まで読む専門家はそんなにいないのではないかと思いますが、今後の行政の動き、職業紹介を行っている企業がどのような影響を受けるのか、はっきり見えてきます。

この内容を取り上げると長くなってしまうので、毎週発行している登録者限定の本音の人事メルマガで取り上げようかと思っています。

参考

就労実態等に関する職場情報を応募者に提供する制度が始まります!(厚生労働省パンフレット)

最近読んだ本

先日、日本でいちばん大切にしたい会社5を読みましたが、やはり厳選されているだけあって、取り上げられている会社の一つ一つの話が本当に泣けてきます。

社員第一主義を掲げたときの周りの反応、奥さんボーナスの反響、家族のイベント参加率100%の会社、あえて特許も取らず「元祖」という言葉を入れなかった会社、いずれも素晴らしい会社です。

今回は福岡の会社「株式会社ふくや」さんも入っています。

日本でいちばん大切にしたい会社5
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この記事を書いた人


安部敏志

あべ社労士事務所代表・社会保険労務士

国家公務員I種職員として労働基準法・労働安全衛生法等の立案や企業への徹底的な指導に従事した経験を武器に、退職後は逆に会社を守る立場として経営者・人事担当者からの人事労務管理に関するご相談に対応。

最近は記事の執筆やセミナー講師の依頼にも積極的に対応。仕事内容がわかりにくいとよく言われるので、業務内容・実績を紹介するページを作成しました!

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