助成金申請の注意点と悪質な会社の見分け方

こんにちは。福岡の社労士・安部敏志です。

助成金周りに跋扈する悪質な会社・コンサルタントが問題となり最近は審査が厳しくなっています。今回は助成金申請の際の注意点・見分け方について解説します。

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法令遵守の審査は厳しくなっている

以前も書きましたが、当事務所では助成金に関するご相談やお問合せは数多くあります。

28年度雇用関係助成金の最新情報と助成金申請を依頼する際の注意点
雇用関係の助成金というのは数多くあります。今回は、当事務所によくあるご相談を踏まえて、助成金の申請を依頼する際の注意点をまとめました。

その中でも困ってしまうのが既にもらってしまった助成金の後始末です。

特に最近は、助成金申請と直接的な関係がない部分でも、法令遵守の視点で厳しくチェックされます。審査時にチェックされていなかったとしても、後からチェックされることはありえます。

  • 社会保険・労働保険に加入しているか
  • 賃金が最低賃金額を下回っていないか
  • 時間外手当が支払われているか
  • 時間外手当の算定基礎がおかしくないか
  • 年次有給休暇の付与日数がおかしくないか

まあ、当たり前のことです。そもそも「法令に違反しているような会社に助成金を支給するのか」という指摘を受けたら、ぐうの音も出ませんからね。

実態と異なる書類等を作成して助成金を受給しようとすることは犯罪

私も役所で助成金を担当したことがあるので悪質と思われる事案に対応したことはありますが、最近報道された「ローパー」事件などの影響か、行政から強いメッセージが出ています。

なんとタイトルが「実態と異なる書類等を作成して助成金を受給しようとすることは犯罪です」、メッセージが明確ですねw

内容は以下のとおりですが、これはれっきとした詐欺罪です。

両立支援助成金の支給申請に際して、事実どおりに申請すると全く助成金を受給できなかったり、期待した額の助成金を受給できないことになるのをおそれ、もともと存在しなかった書類や実態と異なる書類を作成して提出し、助成金を受けようとすることは、不正受給に当たります。実際に助成金を受給しなくても、申請するだけで不正受給になります。

このような不正受給は、書類の偽造により、公金を詐取しようとする犯罪(詐欺罪、刑法第246条)に当たります。

そして、さらに以下のように続きます。かなり詳しく書いているので、かなりの実例があったのでしょう。

困ったことに、こういった経営コンサルタントというのは逃げ足が速いのと、責任逃れが上手ということですね。。。

最近、「助成金の受給手続きにくわしい、より有利(高額)な助成金を受けられる方法を知っている」と主張する一部の経営コンサルタント等が、両立支援助成金の申請に関して、事業主に不正受給に当たる助言をする例が発生しています。

このような外部の者の助言に従って、不正受給を行う事業主がいますが、両立支援助成金の申請は、事業主の責任において行っていただくものですので、助成金の不支給や返還、雇用関係助成金の3年間の支給停止の措置や、場合によっては刑事告発等の対象となるのは、事業主自身です。

不正受給をした事業主の中には、申請手続きを外部の者に依頼しているため、自身が「不正をした」という認識を持っておらず、「くわしい方の助言に従っただけで不正受給とは思わなかった」、「たくさんお金をもらえる、かしこい方法のつもりだった」と主張する人がいます。

しかし、これは誤りであり、このような行為は、書類の偽造により、公金を詐取しようとする「詐欺罪」にあたると御理解ください。

また、詳細な2つの事例も紹介されています。書類の偽造ですからね・・・助成金をもらいに行って最後は刑事告発され書類送検・・・

事業主Aは、助成金の申請にあたって「事業所内保育施設の建設に要した費用の領収書の写し」の提出が必要だったが、助成金の申請手続きに詳しいという外部の者から「他の事業主はみんなこのようにかしこくやっている」と助言を受け、建設会社に依頼して、実際に支払った金額よりも高額な額面の領収書を発行してもらい、本来受給できる金額より多額の助成金の支給を受けた。

後日、会計検査院の調査において事実が判明し、指摘を受けたため、事業主Aは助成金を全額返還するとともに、雇用関係助成金の3年間の支給停止決定を受けた。さらに、労働局により詐欺罪(刑法第246条、10年以下の懲役)で刑事告発され、警察の捜査を受けて書類送検された。

事業主Bは、助成金の申請にあたって「対象労働者の出勤簿の写し」の提出が必要だったが、もともと出勤簿を作成していなかった。このため、助成金の申請手続きに詳しいという外部の者が、出勤簿を作成し、その写しを添付して支給申請したが、記載内容が実際の出勤状況と違うことがわかったため、事業主Bの助成金は不支給になり、雇用関係助成金の3年間の支給停止決定を受けた。

悪質な助成金ビジネス業者対策

助成金情報を持ち込んできた会社やコンサルタントが悪質かどうかを見分けるのは難しいでしょう。

単に親切な会社なのかもしれませんし、実際、私も人事労務のご相談を受ける中で「こんな良い会社だったら問題ない」ということで、助成金のご案内をすることもあります。

ポイントとなるのは以下の3点です。とはいっても着手金を要求するから悪質とも言えないので悩ましいところですが。

  1. 助成金の支給対象・審査条件を丁寧に説明しているか
  2. 報酬は成功報酬制であり着手金はゼロか
  3. 助成金申請とは別に労務に関する法令遵守状況をチェックできるか

特に雇用関係の助成金の場合、就業規則の規定が条件になっていることがあります。その場合、助成金申請に関係する規定は誰でも内容を確認しますし、申請に慣れているコンサルタントであればその点でミスはしません。ただ、実はそれ以外の規定で法令違反になっているケースもあります。

で、助成金のためと思って適当に就業規則をつくってしまうと、後々困ることになるわけです。あっ、事業主が困るのであって、コンサルタントは全く困りませんよ。

この点については以下の記事で詳しく解説していますのでご参考まで。

本当は怖い就業規則! よくある間違い・落とし穴を徹底解説!
人を雇っている会社のルールブックとも言える就業規則について、中小企業でよくある間違い、その落とし穴について解説します。「就業規則の作成は怖くない」「簡単にできる」と書く素人がいますが、実際に裁判になってからでは遅いのです。

結局のところ、ビジネスを行う上で大事なのは、信頼のできる会社や人ということですね。こんなことを書いている私も、自分が顧客となった方ですが、悪質な不動産会社に関わったことがあり、酷い目に遭わされましたが。。。

なお、助成金の種類は違いますが、国会でも問題になったローパー問題に関するリンクを貼っておきます。

参考

「ローパー」社員に退職勧奨 王子HDに啓発指導

ローパー退職勧奨、指南ビジネス広がる 複数の人材会社

助成金申請の注意点と悪質な会社の見分け方
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この記事を書いた人


安部敏志

あべ社労士事務所代表・社会保険労務士

国家公務員I種職員として労働基準法・労働安全衛生法等の立案や企業への徹底的な指導に従事した経験を武器に、退職後は逆に会社を守る立場として経営者・人事担当者からの人事労務管理に関するご相談に対応。

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