年次有給休暇で半休を導入する際の注意点

半休とは半日単位の年次有給休暇のことですが、半休制度は誤った運用がなされていることが多く、意図せず法違反となっているため要注意です。

年次有給休暇と半休の関係

まず、半休について法律的な根拠はありません

そもそも、年次有給休暇は、まとまった日数の休暇を取得させることで労働者の心身の疲労を回復させ、労働力の維持培養を図るとともに、ゆとりある生活の実現にも資するという趣旨から、本来1日単位での取得が原則です。

しかし、仕事と生活の調和を図る観点から、年次有給休暇の有効活用を目的として、平成22年施行の改正労働基準法により、1時間など時間単位で年次有給休暇を取得できる「時間単位の年休制度」が制定されました。

つまり、年次有給休暇の原則は1日単位、そして法的に1時間単位の制度はあっても、半休単位の制度はないということです。

半休に関する行政解釈

法律的・制度的な根拠のない半休ですが、会社は半休制度を導入しても構いません。

もちろん、逆に会社に半休制度を導入する義務はないため、従業員からの要望があったとしても導入しなくても構いません。

ただし、半休を導入する際には、以下の行政解釈「年次有給休暇に関するQ&A」で示されているとおり、日単位での取得を阻害しない範囲でという条件がある点は要注意です。

例えば従業員が年次有給休暇を請求した際に、会社側が半休にするように指示することは法違反になります。

質問
年次有給休暇を半日単位でとらせる場合には、どのような点に留意すればよいのでしょうか?
回答
半日単位の年次有給休暇については法律で規定されているわけではないので、使用者にこれを与える義務はありませんが、労働者が希望し、使用者が同意すれば、日単位での取得を阻害しない範囲で与えることは差し支えありません。

半休を導入する際の注意点

(1) 遅刻や早退は半休扱い?

年次有給休暇の計画的付与制度をのぞいて、年次有給休暇をいつ利用するかは労働者の自由です。

そのため、従業員が遅刻や早退をした場合に、会社側が勝手に半休扱いにしてはいけません。

ただし、労働者からの要望があって会社側も同意する場合は、双方の同意があるため半休扱いにすることは構いません。

(2) 半休は1日の半分の時間?

半休は午前休と午後休に分けられますが、午前休と午後休の時間が同じでない場合は要注意です。

わかりやすく例を示すと、以下の場合、午前休も午後休も1日の半分の4時間になるため、半休という扱いにしても問題はありません。

  • 1日の所定労働時間が8時間
  • 午前の勤務時間が8:00-12:00
  • 1時間の休憩時間を挟んで
  • 午後の勤務時間が13:00-17:00

それでは以下の場合はどうでしょうか?

  • 1日の所定労働時間が8時間
  • 午前の勤務時間が9:00-12:00
  • 1時間の休憩時間を挟んで
  • 午後の勤務時間が13:00-18:00

午前休は3時間、午後休は5時間、これで同じように半休と言えるでしょうか?

午前休は3時間にも関わらず、半休として4時間の年次有給休暇を取得した扱いをすることはできません。

また、従業員から半休という名称にも関わらず、午前休の方が短く不公平だと苦情を言われる可能性もあります。というより、実際に顧問先でこの関係の半休のトラブルが発生したことがあります。

このような就業時間の場合は、半休よりも時間単位年休にした方が従業員の公平感を得られます

まとめ

半休について法的な規制がないために導入しやすい面は確かにあります。

その一方、半休制度を導入する際には、公平な制度づくりをしておかないと余計なトラブルを招く面もあります。

半休制度の設計・運用には十分ご注意ください。

なお、年次有給休暇以外にも、法律で義務づけられている休暇・休業制度は意外と多くあります。以下の記事で法定休暇をまとめていますのでご参考ください。

参考:【まとめ】意外と多い法定休暇の種類と義務の内容

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