人事の実務に必要な資格と不要な資格を13年間の経験から断言します!

こんにちは。福岡の社労士・安部敏志です。

社労士と言っても業務の範囲は幅広く、人事労務を専門にする人もいれば、年金を専門にする人もいます。

当事務所では人事担当者の育成を主な業務にしており、社労士というより人事担当者育成コンサルタントといった方が適切かもしれません。

さて、当事務所のクライアントは20〜100名規模の会社が多く、そのような場合、総務と人事を兼務し、担当は1人だけ、多くても2人という会社がほとんどです。

で、真面目な経営者や人事担当者ほど人事業務に役立つ資格を探し取得しようとします。

そこで、今回は、実際に自ら人事をしていた経験、そして現在の業務内容から、人事の実務に役立つ資格と不要な資格を本音でお伝えします。

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人事に必要な資格と不要な資格

まず、結論から書きますが、

人事の実務を行う上で、必須の資格というのはありません。

特に、はじめて人事担当になった人事初心者、将来人事を担当したいと思っている人は、何か資格を取らないといけないのではないかと思うようですが、それは時間とお金のムダです。

人事に必要な資格としてどんなものが紹介されているのか調べてみたら、以下のような驚くほどの数が紹介されていました。。。

  • マイナンバー実務検定
  • ビジネスキャリア検定
  • ビジネス実務法務検定
  • メンタルヘルス・マネジメント検定
  • 給与計算実務能力検定
  • 人事総務検定
  • 日商簿記
  • FASS検定
  • MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
  • 衛生管理者
  • キャリアコンサルタント
  • 中小企業診断士
  • 社会保険労務士

はっきりと言いますが、会社の中で人事として実務を行う際に、上の資格はすべて不要です。会社の中でキャリアを積み重ねるために必要ということもありません。

それよりも「いかに短時間で正確・効率的にこなすことができるか」と意識しながら日々の業務を行う方がはるかに役立ちます。もちろん、自らの勉強として資格を目指すこと自体は無意味ではありませんし、社内の昇格要件として明示されているなら目指す具体的なメリットはあります。

唯一、状況によっては必須となる資格は衛生管理者です。

衛生管理者は50人以上の事業場で選任が義務づけられており、人数にあわせて必要な資格者の数が決まっているため、会社の規模によっては必要な資格となります。

そのため、あなたの会社が50人を超えている、または超えそうな場合、衛生管理者の資格は必要ということになります。

なお、業種によっては安全管理者も法令による義務となります。50人以上の事業場に義務付けられている資格は以下の記事でまとめていますのでご参考ください。

50人以上の事業場に義務とされている資格・職務を徹底解説!
社員数50人以上というのは人事労務管理上要注意です。50人以上で選任が義務となる3つの資格・職務を解説します。

衛生管理者

ここからは会社規模によってはすべての業種で必須となる衛生管理者について簡単に紹介しておきます。

衛生管理者は、事業場の労働衛生全般の管理を行う国家資格者で、労働者の健康障害防止、健康の保持増進に関する事項を担当します。

実際の業務を例に、わかりやすく説明すると以下の業務を主に行う専門職となる人です。

  • 社員の健康を害するような危険・有害な業務の衛生対策を確認
  • 熱中症やインフルエンザなどの季節的な流行情報を発信し、社員の健康対策の促進
  • 過重労働対策として、残業時間について個人や部署で偏りがないかを確認し、必要があれば産業医による面談を促す

また、2015年12月から義務づけられたストレスチェック制度では、衛生管理者が中心メンバーになりますし、長時間労働・過重労働が問題となっている今の時代、衛生管理者が果たすべき役割は高まってきています。

衛生管理者は国家資格になるため、試験に合格し免許を取得する必要があるのですが、受験には最低1年以上の実務が必要になります。

そのため、人事担当として労働衛生に関する実務を1年間従事する中で、試験対策に取り組む必要があります。

衛生管理者の詳細については以下の記事で詳しく解説していますのでご参考ください。

衛生管理者の選任・仕事内容・必要な人数等の基本事項を詳細解説!
衛生管理者という資格はご存じですか? 今回は50人以上の事業場ですべての業種に選任が義務づけられている衛生管理者の職務内容・法的義務について解説します。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回、人事の実務に役立つ資格と不要な資格ということで、調べてみて驚いたのですが、聞いたことがない資格がたくさんあり、また人事が取るべき資格として紹介されていて驚きました。

ちなみに、私が取得しているのは社会保険労務士と衛生管理者の2つだけです。

社会保険労務士は独立する上で必要なので取得しましたが、会社の中で実務を行うのであれば不要です。

もちろん、資格を既に取得している方は努力したわけですし、体系的な知識を身につけるために勉強することは素晴らしいことです。

ただ、人事の実務を1人でこなす上で本当に大事なことは、人事の資質を有し、誰が顧客なのかを理解し、そのために時間を費やすことです。

資格の勉強に費やす時間があるのなら、経営者や社員と交流した方が良い人事担当者になることができます。

残業時間を減らすための方法として業務効率を図るためのシステム化を考えたり、社員1人ひとりの能力向上のために研修を企画したり、ハラスメントで苦しんでいる人がいないかチェックしたり、人事担当者がやるべきことに終わりはありません。

資格取得を勧める人が多いのは、資格を広め受検者が増えれば儲かるからです。今回紹介したように会社の人事担当者として必須になる可能性があるのは衛生管理者だけです。

情報に振り回されず、本当に必要なことのみに限りある時間を費やしましょう。

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この記事を書いた人


安部敏志

あべ社労士事務所代表・社会保険労務士

従来の顧問契約とは異なり、中小企業の人事労務担当者の育成を主要業務とする。専門記事の執筆やセミナー・社内研修の講師にも対応。

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