人事・総務関係の実務に役立つ資格と一人前になれる期間は?

こんにちは。福岡の社労士・安部敏志です。

50名規模の会社の場合、総務・人事担当は1人だけ、多くても2人という会社がほとんどです。

売上に直結しない業務となるため、仕方のない面はありますが、人事というのは以前も書きましたが、会社の土台・骨格づくりを担う仕事です。

そして、年間を通じて行わなければならない業務は意外とあり、その一つ一つの業務もミスが許されないものとなります。

人事の仕事に求められる3つのポイントとバランス感覚
人事の仕事とは採用だけではありません。今回は人事に求められる仕事内容と役割について解説します。

そのため、それらのミスを許されない業務をいかに効率的に行っていくかという点がポイントになります。

今回は、人事担当を育成する際に必要な資格、人事担当として一人前になるための期間について解説します。

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人事担当に必要な資格

人事担当としてはじめて仕事を行うときに不可欠な資格というのはありません。

実務と経験を積みながら、日常の仕事を進めていくしかありませんが、仮に先輩や前任などいつでも相談できる人がいない場合、ミスを許されない業務であるため、かなりのストレスとなります。

そのため、以下のような資格取得を目指すことで、体系的な知識を身につけ、専門性を深めていくことは、今後の人事担当としてのキャリアアップを目指す上でもオススメです。

なお、不可欠な資格はないと言いましたが、50人以上の事業場の場合、労働安全衛生法により、衛生管理者の選任が義務づけられており、この場合は必要不可欠な資格となるため注意してください。

また、事業場という言葉に馴染みがない方は以下の記事をご参考ください。事業場という言葉・考え方は、労働基準法などの法令を読むときには必須の知識になります。

労働基準法における事業場とは?「事業場」と「企業」はどう違う?
労働基準法に限らず法令を読む際には、必ず言葉の定義を理解しておく必要があります。今回は、労働基準法における「事業場」の定義、「企業」や「部門」との違いを解説します。

衛生管理者

衛生管理者とは、事業場の労働衛生全般の管理を行う国家資格者のことで、労働者の健康障害防止、健康の保持増進に関する事項を担当します。

実際の事業場で行われていることを例にわかりやすく説明すると以下の業務を主に行う専門職となる人です。

  • 熱中症やインフルエンザなどの季節的な流行情報を発信し、社員の健康対策に貢献
  • それに加えて、今年流行したデング熱やMERSなどの情報を発信することも社員の不安を払拭する上で有効
  • 残業時間が個人や部署で偏りがないかチェックし、必要があれば産業医による面談を促す

2015年12月から50人以上の事業場に義務づけられたストレスチェック制度では、衛生管理者が中心メンバーになりますし、週1回の巡視や、毎月開催される衛生委員会への出席も職務となります。

なお、ストレスチェック制度については以下の記事で解説しています。

【自社だけで対応可能】12月より義務化されるストレスチェック対策を詳細解説-導入編
今回は、危機をあおり、あなたの会社からお金をふんだくろうとする悪徳専門家から身を守るために、「完全無料!自社だけで対応可能なストレスチェック対策」と題し、2回に分けて、ストレスチェック制度の内容を詳細に解説します。

ただし、注意点があります。

衛生管理者は国家資格になるため、試験に合格し免許を取得する必要があるのですが、受験には最低1年以上の実務が必要になります。

そのため労働衛生に関する実務を1年間従事する中で、試験対策に取り組みましょう。ちなみに私は衛生管理者の資格を持っています(^0^)

衛生管理者の役割については以下の記事で詳細に解説していますのでご参考ください。

50人以上の事業場に義務づけられている衛生管理者の役割とは?
衛生管理者という資格はご存じですか?実は国家資格でありながら、食品衛生と勘違いをされることの多いのですが、今回は、50人以上の事業場で全ての業種に選任が義務づけられている衛生管理者について解説します。

また、50人以上の事業場に義務づけられている産業医の職務や選任義務に関する基本事項は以下の記事で解説していますのでご参考ください。

いまさら聞けない産業医の職務と選任義務を基本から解説!
最近はストレスチェックに関するご相談の関係で、産業医について質問されることが多くなってきましたので、今回は50人以上の事業場に義務づけられている産業医について解説します。

社会保険労務士

人事に関する資格と言えば社会保険労務士です。

社会保険労務士というと、私もそうですが、自ら事務所を開いているというイメージがあるかもしれませんが、勤務社労士という形で、会社に所属している方もいらっしゃいます。

社会保険労務士が行う業務はかなり幅広く、就業規則を中心とした人事制度を扱う人もいれば、労働保険・社会保険の届出代行、給与計算の代行をする人もいます。

労働法の基礎知識を体系的に身につけるにはオススメですし、将来の独立も視野に入れることが可能なので、オススメです。

人事担当として一人前とみなせる期間は?

当事務所の顧客の大半では、総務・人事担当が1人または2人という状態です。

今後、会社の規模を大きくするためにも、総務・人事担当の育成が不可欠であるということで、ご依頼をいただいておりますが、人事の仕事には、年1回しかない業務もあるため、一通りの仕事をこなすためには最低でも1年かかります。

例えば給与計算であれば毎月支給しなければならないため、支給日1週間前程度が忙しくなりますし、年末調整の準備が始まる11月頃から1月頃の約3か月は年間で最も忙しい時期になります。

また、労働保険・社会保険関係では、新卒者がいるのであれば4月の入社時期は手続きが集中することになりますし、毎年6月から7月にかけては年度更新・算定基礎届の時期となるので、年末調整と並んで忙しい時期になります。

労働保険の年度更新と社会保険の定時決定の基礎知識
人事担当者の1年間の業務で最も忙しい時期の1つ、労働保険・社会保険の年次業務のシーズンですね。今回は、この労働保険の年度更新、社会保険の算定基礎届(定時決定)の基本を解説します。

そのため、当事務所による支援を行う際にも、年間スケジュールを常に意識し、業務の先取りを行うように促していますが、年間業務のイメージが湧かないと、どうしても最初の1年は目の前の仕事に忙殺されてしまうようです。

したがって、通常年次業務のサイクルを2回繰り返し、3年目には一人前とみなせるのではないかと考えています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、人事担当を育成する際に必要な資格、人事担当として一人前になるための期間について解説しました。

どんな仕事でもそうですが、日々の業務に忙殺されることなく、俯瞰して自らの業務を見ることができるかといった点が優秀かそうでないかを分けるのではないかと思っています。

前任など相談できる人がいないという方は、人事や労務に関する書籍を読んだり、外部の専門家の指導を受けたり、効率的な方法を模索し、日々の業務を俯瞰しながら進めていってください。そして、今後のキャリアアップを目指す上でも時間をかけて資格取得を目指すことをオススメします。

なお、私は、今後、大企業よりも中小企業にこそ戦略人事を司るCHROという役割が重視されることになると予想しています。人事担当の最終ゴールはもしかしたらCHROということになるかもしれませんね。

CEOの右腕となるCHROとは? その意味と役割を詳細解説!
経営者向けの雑誌でも紹介され、ようやく日本でも知名度が増してきた感のあるCHROという用語について、今回はCHROの役割、人事部長との違いをご紹介します。
人事・総務関係の実務に役立つ資格と一人前になれる期間は?
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この記事を書いた人


安部敏志

あべ社労士事務所代表・社会保険労務士

国家公務員I種職員として労働基準法・労働安全衛生法等の立案や企業への徹底的な指導に従事した経験を武器に、退職後は逆に会社を守る立場として経営者・人事担当者からの人事労務管理に関するご相談に対応。

最近は記事の執筆やセミナー講師の依頼にも積極的に対応。仕事内容がわかりにくいとよく言われるので、業務内容・実績を紹介するページを作成しました!

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