【罰金30万円】面接で聞いてはいけないNG質問とは?

こんにちは。福岡の社労士・安部敏志です。

社員の少ない中小企業にとって人材は大切です、というよりも命運がかかってしまうといっても過言ではなく、その中でも、採用面接というのは最重要になります。

その一方で、経営者や人事担当者が誤解しがちなのですが、面接というのは、会社が応募者を見極めるだけではありません。

応募者も会社を見極めようとしています!

今回は、新卒、中途、パートなど雇用区分にかかわらず、採用面接時に聞いてはいけないこと、いわゆるNG質問をまとめています。

なお、これらは法令に定められているものであり、聞かない方が良いといったレベルではなく、聞いてはいけない質問事項になるのでご注意ください。

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面接時の基本的な心構えとは?

私自身も面接を行ってきた経験があるのでわかりますが、面接は受ける方だけでなく、面接をする方も緊張します。

たまに、緊張しないという人もいますが、それは慣れというより、むしろ他人の人生を決定づける要因にもなりえるという意識が不足しているだけです。

面接時の基本的な心構えについては、厚生労働省・熊本労働局の「公正な採用選考のために」にわかりやすく解説されていますが、企業には採用の自由が認められている一方で、応募者の基本的人権を侵すような採用の自由は認められているわけではないことをまず理解しておく必要があります。

そのため、採用選考にあたっては、以下の2点を基本的な考え方として認識しておくことが重要です。

  • 応募者の基本的人権を尊重すること
  • 応募者の適性と能力のみを基準とすること

面接で聞いてはいけない質問とは?

それでは、具体的に面接で聞いてはいけない質問について解説していきます。

面接を受ける本人に責任のないこと

先程書きましたように、面接というのは、する方もされる方も緊張するものです。

そのため、緊張感を少しでも和らげたいということから、話のしやすい身近な話題から質問することになります。

しかし、本籍地や出生地、家族状況としてご両親の職業や地位などは「本人に責任のない事項」として質問することが禁止されているので注意してください。

また、採用時に、戸籍謄(抄)本や本籍が記載された「住民票(写し)」を提出させることもダメです。

  • 本籍・出生地に関すること
  • 家族に関すること(職業、続柄、健康、地位、学歴、収入、資産など)
  • 住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近隣の施設など)
  • 生活環境・家庭環境に関すること

面接を受ける本人の自由であるべきこと

また、今どき、宗教や支持政党を質問する企業はないと思いますが、以前はよく質問されていた「尊敬する人物」も「本来自由であるべきもの」であり、偏見と差別につながる原因となるばかりか、応募者を精神的に苦しめ、その人権を侵すことになりかねないとして、禁止されています。

今回、この記事を書くために整理してわかったのですが、雑誌・愛読書も禁止なんですね。これは私も知りませんでした。

  • 宗教に関すること
  • 支持政党に関すること
  • 人生観・生活信条に関すること
  • 尊敬する人物に関すること
  • 思想に関すること
  • 労働組合・学生運動など社会運動に関すること
  • 購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること

収集してはいけない個人情報とは(罰則あり)

また、募集する際に原則として収集してはいけない個人情報というものがあり、違反した場合、罰則(6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金)がありますのでご注意ください。

  • 人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項
    • 家族の職業、収入、本人の資産等の情報
    • 容姿、スリーサイズ等差別的評価につながる情報
  • 思想及び信条
    • 人生観、生活信条、支持政党、購読新聞、雑誌、愛読書
  • 労働組合への加入状況
    • 労働運動、学生運動、消費者運動その他社会運動に関する情報

なお、税金や社会保険などの人事労務管理を適切に行うために必要な質問は大丈夫です。

それと、このご時世に聞く人はいないと思いますが、スリーサイズを聞くのはダメと明確に記載されています。このように記載されているということは、聞いていた企業があるんでしょうね。。。

また、人生観や愛読書などはぜひ聞きたくなることですが、これもダメです。

ただし、働くことに関する質問は大丈夫なので、求職者の職業観について質問するようにしましょう。

先程の厚生労働省・熊本労働局のページには、適切な質問例として以下のように掲載されています。

この質問は新卒用には適しているかもしれませんが、中途採用の場合は微妙な気もします。。。ただ、職業観の質問を行う導入部分としては使えるでしょう。

  • 「働く」ことについてどのように考えていますか?
  • 当社でどんな仕事をしてみたいと思っていますか?
  • 当社での仕事にあなたのどんな面を活かしたいと思っていますか?
  • 何か資格とか技能を持っていますか?
  • 社会人として、どんなことが大切だと思いますか?
蛇足ですが、世界的名著である「ビジョナリーカンパニー4-自分の意志で偉大になる」の中で、著者であるジム・コリンズは、研究結果として「10倍型リーダー」の核心に迫る問いは「何のために仕事をするのか?」であると明言しています。この質問への回答によっては、あなたの会社は、ものすごい人材を獲得できるかもしれませんね!

なお10倍型リーダーの定義は本を参照していただくとして、ここでは偉大なリーダーと理解しておいてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

結構多いなと感じませんでしたか? 質問しようとするたびに、「この質問はしていいのかな?」と考えるのは実務的に面倒です。

それに、今のご時世、不適切な質問をしてしまったら、twitterなどのSNSで拡散されてしまうリスクが非常に高く、以下の記事によると、投資家はそのような企業情報を生の情報として歓迎しているようです。

参考 就活生から「クソ企業の告発」相次ぐ 投資家からは「じゃんじゃん出して」の声

そのため、面接を行う際には、事前に質問項目を作り関係者で共有しておきましょう

意外と共有ができておらず、違う人が何度も同じ質問をしたり、意図が不明な質問をしたりして面接官同士でフォローしなければならないようなことが起こったりします。

私自身も前職で面接担当をしていましたが、この共有は意外と実務的に大変なので、計画的に準備しておくことが重要です。

なお、企業には採用の自由が広く認められていますが、その一方で法令による制約もあります。募集・採用時の注意点について以下の記事でまとめていますので併せてご参考ください。

従業員を募集・採用する際の注意点・法令・裁判例を用いて解説!
人の募集・採用時に関して、企業には採用の自由がある一方で制約もあります。法令・裁判例を紹介し解説します。

また、中小企業・小規模事業者だから優秀な人材を確保できないと考えてしまうのは「明確に間違い」であることを統計は示しています。

実際、4割の中小企業・小規模事業者は優秀な人材を確保できており、人材を確保できている企業とできていない企業、その勝負がついているだけです。

あなたの会社が人材を確保できない理由は?4割の会社が知っている秘訣とは?
最近は人材不足と言われています。中小企業・小規模経営者にとって人材が確保できないというのは致命的です。それではみんな苦労しているのかというと、きちんと人材を確保できている中小企業は存在します。今回は人材を確保できている企業とできていない企業を明確に分けている特徴についてご紹介します。

採用を初めて科学的手法で分析したオススメの良書です。試行錯誤するのはもちろん良いことですが、科学的な手法を活用する方が近道ですよ。

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この記事を書いた人


安部敏志

あべ社労士事務所代表・社会保険労務士

中小企業の人事労務担当者の育成を中心に業務展開。専門記事の執筆やセミナー・社内研修の講師業も実施。

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