リーダーの条件と要求される5つの資質 – 会社が絶対手放さない人とは?

こんにちは。福岡の社労士・安部敏志です。

将来のリーダー人材の育成に悩んでいない会社というのはほとんどありません。

仕事は一番忙しいヤツに頼む – 会社が絶対手放さない人の条件【三井住友海上 柄澤康喜社長】」という記事を読み、印象に残った部分を私見を踏まえてご紹介します。

将来のリーダー人材を見つけ育てたい経営者サイド、どのようにすれば成長し出世できるのか知りたい労働者サイドの双方に役立つ内容となれば幸いです。

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リーダーの条件は巧遅拙速

柄澤社長は、巧遅拙速という言葉を好んで使用するそうです。

巧遅拙速とは孫子の兵法の言葉である「巧遅は拙速に如かず」、巧遅は巧みでも遅い、拙速は拙くても速い、つまり、完璧さより速さが勝るという言葉です。

私自身の職業は法令や判例に基づき判断することが多いため、正確さは何より重要です。しかし、それ以上に速さを重視しています。

もちろん、ご相談を受けて曖昧な回答を返すわけではありません。

ただ、ご相談内容に応じて、判断が難しければ「調査が必要なので明日までに返します」と必ず期限を明示して返答します。

これはクライアントには正直かなり喜ばれています。同業者の中には質問後2〜3日経っても何の返事もしないような人もいるようで、メールが届いていないのかと心配になった経験があると多くのクライアントに言われました。

そして、柄澤社長はこの巧遅拙速が求められる時代に生きるリーダー像として5つの力が必要だと言っています。

リーダーに求められる5つの資質

リーダーには、次の5つの力が必要だ。

第一に「自分の価値観を持つ」。まわりに左右されない「ブレない軸」といってもいい。価値観が不明確で軸がブレるリーダーには誰もついてこない。

「自己の価値観」を中核として、「決断する力」「スピード」「イノベーション力」「コミュニケーション力」が結びつく。

5つの力をリスト化すると以下のとおりですが、この中で中核となるのが「自分の価値観を持つ」です。

これはまさに「言うは易く行うは難し」です。自分の価値観を持つためには相応の経験値が必要です。経験がなく直感力が優れていなければ、単なる独りよがりになります。

  1. 自分の価値観を持つ
  2. 決断する力
  3. スピード
  4. イノベーション力
  5. コミュニケーション力

決断する力はリーダーの最低限の条件

ただ、あなたの会社が、将来のリーダーとなる人材を渇望しているのであれば、この5つを備えた人材を探そうと考えるよりも、この5つの資質の中で、最も必要とする資質は何か、もっと深掘りして定義しておく必要があるでしょう。

例えば、私が自らの事務所を今後任せたい人材として、まず要求したいのは「決断する力」です。

先程の5つの資質はもちろん全てが重要なのですが、決断する力がなければ誰もついてきません。

間違うこともあるでしょうけど、ただ決断を先延ばしにして様子を見ているような人はリーダーではなくリーダーの指示に従うサポート役の方が適切です。

柄澤社長も以下のように語っています。

巧遅拙速を実行するには、まず、決断する力のスピードを高めなければならない。

私の場合、決断を早めるために実践してきたのは「最悪を想定する」ことだった。

手がける案件についてリスクファクターを洗い出し、最悪の事態を想定して、それが許容範囲内であったら決断する。

巧遅拙速を実行するために必要なのは決断力、そして決断するためには勇気が必要です。

自分でも完璧でないとわかっているものを見せて批判を受けるのは辛いものです。

だからこそ、上司は拙速を誉める必要があります。ダメ上司は完璧でない部分の指摘をします、しかし、そうすると部下は二度とその上司に提案できなくなります。

そして大切なことはリスクマネジメントです。

最悪を想定しておけば、何かが起こっても対処できます。

人事労務に関する仕事をしていると「当社にはリスクがありません」という人もいますし、逆に「リスクをゼロにしたい」という人もいますが、それはどちらも間違いです。

リスクがない会社は存在しないし(単に気づいていないだけ)、逆にリスクをゼロにすることは不可能です。

リスクはコントロールするものであり、リスクがあっても得られるものが大きければ挑戦するしかありません。

次世代リーダーの育成法

そして、柄澤社長は決断力を身につけさせるために、あえて一番忙しい部下に難しい案件を任せていたと語っています。

私が上司の立場になって意識して行ったのは、難しい案件はあえて一番忙しい部下に託すことだった。

忙しい人間ほど、限られた時間内に多くの案件を処理するスピードが要求され、決断力が研ぎ澄まされているからだ。

これは厳しい育成法とも言えますが、昨今の生産性に関する議論にも結びつく内容です。昨年流行した伊賀泰代女史の「生産性」にもありましたが、限られた時間という制約があってこそ生産性は上がります。

仕事というのは決断の連続です。忙しければなおさら決断力が要求されます。決断が間違うこともあるでしょう。

しかし、それが経験となって、まさに巧遅拙速が実行されることになるわけですね。

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この記事を書いた人


安部敏志

あべ社労士事務所代表・社会保険労務士

中小企業の人事労務担当者の育成を中心に業務展開。専門記事の執筆やセミナー・社内研修の講師業も実施。

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