いまさら聞けないブラック企業の特徴とは?行政による定義から再確認!

今年で4年目を迎えるブラック企業大賞のノミネート企業6社が発表されました。

今や、企業にとっては、行政に監督指導され罰則をかけられるよりも、世間にブラック企業と認知されてしまう方がリスクが高い状況と言えます。

労務コンプライアンスを専門とする当事務所では、ブラック企業と呼ばれないためにはどうすればよいのかといったご相談をよく受けます。

そのため、今回は、ブラック企業の特徴について、公的機関による定義、海外でどのように見られているかといった視点を踏まえて解説します。

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ブラック企業の特徴とは?

ブラック企業対策プロジェクトによると、メディアにおけるブラック企業という言葉の登場件数は、2013年から急激に増加しているとのことです。

例えば、「過労死」という言葉は、「Karoshi」として、「Karaoke」と並んで日本発の世界標準語言葉になっています。

「ブラック企業」という言葉も以下のようにWikipediaに掲載されていますし、それ以外でも「black company」で検索してみると、結構出てきます。

参考

海外では、ブラック企業について、日本特有の状況として既に広く知られてきているようで、以下の3つのカテゴリーとして分類されています。

ブラック企業問題は、長時間労働から生じる病気や過労死の要因の1つともなっている。日本企業は、従業員に長時間労働を求めることで知られている。しかし、一方で、従業員に適切な給与を支払い、出世の機会を与え、高度な雇用確保を保証している。

ブラック企業は、長時間労働に釣り合うこれらの利益を提供しない。ブラック企業は、3つのカテゴリーに分類される。

1つは、「使い捨て型」で、長時間労働、低賃金で従業員を酷使する企業である。

2つ目は「選択型」で、大量に採用して、企業が本当に欲しい少数名を除き大量に辞めさせる企業である。

3つ目は「無秩序型」で、セクシャルハラスメントなどの職権濫用行為が横行する企業である。

Black Companies – The Ugly Side Of Japanese Business・ブラック企業-日本のビジネスの醜い一面より引用

そもそもブラック企業の定義は?

まず、ブラック企業という言葉自体の定義ですが、実は法的には何もありません。

あえて公的なところから引用すると、厚生労働省は緊急対策として若者の「使い捨て」が疑われる企業等への取組を強化を発表しました。

公的機関としてブラック企業という言葉は使っていませんが、もちろんブラック企業を意識した対策となりますので、ブラック企業を定義すると、

  • 若者の「使い捨て」が疑われる企業

ということになります。

そして、厚生労働省はこの対策として、以下の重点確認事項をあげています。

公的機関による確認事項ですので、当然のことながら、これらに該当すれば、すべて法違反となります。

  1. 時間外・休日労働が36協定の範囲内であるか
  2. 賃金不払残業(サービス残業)がないか
  3. 長時間労働者については、医師による面接指導等、健康確保措置が確実に講じられているか

ブラック企業と認知された企業はどうなる?

まさに、以下の記事では、ブラック企業というダーティイメージにどう対処するか、という視点で分析されています。

ブラック企業の代表格として扱われてしまったワタミですが、企業広報という視点だけでなく、創業者が政治家という公人になってしまったがゆえに、身動きが取れなくなったという点では、マイナスイメージを払拭する機会を逃してしまったのは間違いないですね。

実態としてブラック企業であるか否かはさておき、そのような指摘をされた企業は通常、ダーティイメージを打ち消すための施策を打たなくてはいけない。

特に小売業や外食など、企業イメージが売上に直結する場合はなおさらだ。

ワタミとユニクロ「ブラック企業」批判後の明暗を分けたものは何か?より引用

こんな企業はブラック企業?

例えば、こんな企業があったとしたら、いかがでしょうか?

ブラック企業でしょうか?

  • 毎日の退社時間は原則深夜0時を超えるのが普通
  • 月の残業時間は基本100時間超、200時間超の人がいてもそれほど驚かない
  • 残業代は定額支給。そのため残業すればするほど時給換算では下がる。基本は時給200-300円程度
  • 職場内は常に怒号が飛び交い、上司や同僚は寝不足もあって常に不機嫌
  • 上司に書類を持って行くと、内容が悪ければ、書類は木っ端みじんに破られ、投げつけられる
  • 上司によっては「ここから飛び降りろ」と激高する人もいる(フロアは18階)
  • 立たされ続けたまま説教をされる(最長3時間)

これは実在する組織の話であり、しかもかなり大きく有名な組織です。

それは・・・

私の前職です(^0^)

「少しおおげさに書いてるんでしょ!」と思いますか?

いえいえ・・・

大げさどころか、ここではとても書けないようなもっと伝説的な逸話があり、むしろ抑え気味に書いてます(笑)

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さて、ブラック企業の特徴として、先程の類型では以下の3つに分類されていました。

私の前職の場合は、1と3には該当し、2には該当しません。

少なくとも私の知る限り、セクハラは聞いたことがありませんが、パワハラは身近にありました・・・。

ただ、パワハラを受けても、「そんなの気にしてられるか」という雰囲気はありましたし、私も周りに心配されるほどパワハラを受けていたようですが、あまり気にしていませんでした。

  1. 「使い捨て型」で、長時間労働、低賃金で従業員を酷使する企業
  2. 「選択型」で、大量に採用して、企業が本当に欲しい少数名を除き大量に辞めさせる企業
  3. 「無秩序型」で、セクシャルハラスメントなどの職権濫用行為が横行する企業

それでは、私の前職はブラック企業だったのか?ということですが、職場環境・労働条件という面では、間違いなくブラック企業、ただ、やりがい・将来への希望という意味ではブラック企業ではないと言えます。

実際、国家・国民のために働いているんだという自負がありましたし、頑張って将来偉くなり、もっと国をよくしたいと本気で考えていましたから。

こう考えると、以下の2つの条件をどちらも満たす企業は、完全にブラック企業に該当するということになるのでしょうね。

ポイント:ブラック企業とは?

  • 働きやすさがない企業→職場環境・労働条件が悪い
  • 働きがいがない企業→仕事にやりがいを感じない、将来に希望を持てない

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ブラック企業とは、どのような企業なのかイメージがわきましたか?

今回は、公的機関による定義を再確認したため、ブラック企業=法違反を行う企業と思われたかもしれませんが、実はそれだけでは不十分です。

改めて解説しますが、今回ノミネートされた6社のうち、暁産業株式会社については、悪質なパワハラがノミネート理由の一つとされています(会社と直属の上司に約7,200万円の支払いが地裁により命じられた)。

パワハラというのは現時点では行政による監督指導対象とはなりません。

つまり、法違反さえ行っていなければ大丈夫と考えるのは間違いで、広く労働環境、職場環境を改善するという観点で取り組むことが必要です。

実際、氷山の一角と言われている数字ですら、年間100万件を超えているわけですから。

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労働者からの職場のトラブルへの不満などに関する労働相談件数というのは、7年連続で100万件を超えています。その中で最も多いのが「いじめ・嫌がらせ」、いわゆるパワハラです。

職場環境は二の次、倒産したら元も子もないと言う人がいますが、二の次にしている職場環境が原因で人手不足に陥って倒産することもあるということを重々承知しておく必要があります。

参考

なお、以前、人事労務管理の専門家として、どのようにブラック企業を見分けたらよいのか、教えて欲しいという相談があったので、以下の記事を書きました。

http://worklifefun.net/howto-find-black-company/

また、ブラックバイトについては、行政も実態調査に乗り出しています。この調査結果を踏まえることで、行政が企業に最も要求している対策がわかりますのでぜひご一読ください。

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この記事を書いた人


安部敏志

あべ社労士事務所代表・社会保険労務士

国家公務員I種職員として労働基準法・労働安全衛生法等の立案や企業への徹底的な指導に従事した経験を武器に、退職後は逆に会社を守る立場として経営者・人事担当者からの人事労務管理に関するご相談に対応。

最近は記事の執筆やセミナー講師の依頼にも積極的に対応。仕事内容がわかりにくいとよく言われるので、業務内容・実績を紹介するページを作成しました!

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