週休2日制を採用している企業は実は半分以下という事実

役所や大手企業が週休2日制を導入し、学校も土日が休みです。

飲食店などの接客業になるとカレンダー通りに土日を休日とはできませんが、それでも何となく、世の中のほとんどが週休2日制になっているイメージがありませんか?

実際、就業規則や各種規程の策定などに関するご相談を受けていも、週休2日制にすべきかどうかで悩まれる経営者は多いですし、働く人の中でも、今や週休2日制は当たり前と強気に言ってくる人もいるようです。

そこで今回は、行政の統計を用いてその真実を明らかにします。そして統計を調べていく中で気づいた行政の隠された意図についても明らかにします。

2016/4/21追記

最新の統計である平成27年就労条件総合調査結果をもとに作成したグラフは以下の記事をご覧ください。

週休2日制の企業って実は半分くらいという統計の真実・・・
今や週休2日制は当たり前だと言っている人がいたので、以前、そのような事実はないことを書きました。今回は、最新の調査をもとに、週休2日制を導入している企業の割合、産業別の割合をグラフにしてみました。
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週休2日制の企業は50%以下!

厚生労働省の統計「平成26年就労条件総合調査結果の概況」をもとに、以下のグラフを作成しました。

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このグラフは、完全週休2日制を採用している企業の割合です。

この5年で着実に伸びてきており、直近の平成26年が46.9%と最も高い割合となっています。

実は、これまでの歴史でも、この割合が50%を超えたことはありません。

つまり、日本の企業全体として考えたとき、週休2日制が当たり前という事実はありません。

用語のおさらい:完全週休2日制とは?

先程のグラフで示した数字は「完全週休2日制」を用いていますが、「完全週休2日制」というのはよく誤解されていますので注意しておきましょう。特に多い誤解は、必ず土日が休日と思ってしますことです。

完全週休2日制とは、1年の中で、必ず毎週2日の休日があるということです。

例えば、祝日がある週だと、土日と祝日、この3日のうちどこか2日が休みになりますので、土日のどちらかは仕事になるということです。この場合は、完全週休2日制(土・日・祝)という記載になります。

なお、毎週土日、そして祝日が必ず休める場合は、「完全週休2日制(土・日)、祝日」という記載になります。

100人未満の企業の大半は週休2日制ではない!

次に、企業の規模別の週休2日制の導入状況をグラフにしました。

これは容易に想像できると思いますが、規模が大きくなるにつれて週休2日制の導入が進んでいます。

社員1,000人以上の企業であれば、72.5%の企業が、週休2日制を採用しています。

その一方、社員数30-99人の企業の場合、週休2日制の導入は43.5%にとどまっています。

この規模であれば、業種を問わず中小企業となりますので、やはり中小企業で週休2日制を導入している企業は半数以下ということになります。

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週休2日制を促進したい行政と統計に隠された意図とは?

この統計を見ているうちに私は不思議なことに気づきました。

それは、厚生労働省がこの調査結果の本文に書いている以下の文章です。

主な週休制の形態をみると、「何らかの週休2日制」を採用している企業割合は84.3%(前年85.3%)となっている。
「完全週休2日制」を採用している企業割合は、46.9%(同46.0%)となっている。これを企業規模別にみると、1,000人以上が72.5%(同69.5%)、300~999人が62.0%(同62.0%)、100~299人が52.0%(同54.2%)、30~99人が43.5%(同41.7%)となっている。

「何らかの週休2日制」とは何でしょうか?

それは、先程グラフで示した「完全週休2日制」に、「完全週休2日制より休日日数が実質的に少ない制度」として、月1回、月2回、隔週、月3回の週休2日制を採用している企業の割合を加えているということです。

これっておかしいと思いませんか?

月1日でも週休2日制になっていれば、この「何らかの週休2日制」を採用しているという企業の中に入ります。

例えば、ある月の中で1日祝祭日があって、その日を休みにすれば、この「何らかの週休2日制」を採用しているという企業の中に入ります。

ちなみに、週1日を休日にするのは労働基準法上の義務です。

つまり、「何らかの週休2日制」というのは、カレンダーに従っていれば達成できるわけです。

そして、この「何らかの週休2日制」を採用している企業割合は84.3%です。

行政からすれば、『週休2日制を行っている企業は84.3%もいる』ということを示したかったのかもしれませんが、統計で使われている用語を正しく理解すると、むしろ逆の印象を持ってしまいます。

週の中に、祝日と日曜があったとしても、その2日とも休みにならない企業が、100% – 84.3% = 16.7%もあるんだと思ってしまうわけです。

まとめ

いかがでしょうか?

これが統計が示している事実ですが、多くの方のイメージと異なるのではないでしょうか?

自らの政策に誘導したい行政や、そういった行政の言葉を鵜呑みにしてしまう素人専門家は、今や週休2日制は当たり前ですよと言ってきます。

しかし、事実は違うということを、統計は明確に示しています。

もちろん、ここで私が言いたいのは、半分以上の企業は週1日しか休ませてないのだから、週休2日なんてやめましょう、ということではありません。

働く人には、しっかりと休んでもらいつつ、働くときにはしっかり働いてもらう、そのため週休2日にするという決断は素晴らしいものです。

決断をするときには、専門家に相談するとしても、事実を正確に確認しましょう、ということです。

そして休日を考えるときには、必ず有給休暇も一緒に考えることをオススメします。

有給休暇については、6か月以下の懲役又は30万円以下という罰則もありますし、トラブルにもなりやすいものですので。

罰則あり!有給休暇の日数等の基礎知識を完全解説!
労使双方に誤解の多い有給休暇の日数・発生要件等の基礎知識について、法令の内容、判例などを活用し、完全解説します。

また、統計によると、実際の年次有給休暇の取得率は47.6%と半分にも満たない状況です。詳しくは以下の記事をご参考ください。

有給休暇の取得率は47.6%・・・今後義務化される有給消化の影響は・・・
平成27年就労条件総合調査結果に基づく、有給休暇の取得日数・取得率、産業別の取得率、現在国会に提出されている労働基準法改正案に基づく今後の動向についてご紹介します。

統計に関する本はたくさんありますが、以下の本は実際の政府統計を用いて解説しているので、実用的な理解ができてオススメです。

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この記事を書いた人


安部敏志

あべ社労士事務所代表・社会保険労務士

国家公務員I種職員として労働基準法・労働安全衛生法等の立案や企業への徹底的な指導に従事した経験を武器に、退職後は逆に会社を守る立場として経営者・人事担当者からの人事労務管理に関するご相談に対応。

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