介護休暇の条件・日数・取得単位・給料の基礎知識

介護をする従業員を支援するための法制度の1つである「介護休暇」の条件・日数・取得単位・給料などに関する基礎知識を解説します。「介護休暇」と「介護休業」は異なるので要注意です。

介護休暇とは

介護休暇とは、育児・介護休業法により、要介護状態にある家族の介護や世話を行う従業員が取得できる休暇制度です。

育児・介護休業法 第16条の5(介護休暇の申出)
要介護状態にある対象家族の介護その他の世話を行う労働者は、1の年度において5労働日(要介護状態にある対象家族が2人以上の場合、10労働日)を限度として、当該世話を行うための休暇(以下「介護休暇」という。)を取得できる。

そして会社は、従業員から介護休暇の申出があった場合、業務の繁忙などを理由に拒むことはできません。

育児・介護休業法 第16条の6(介護休暇の申出があった場合における事業主の義務等)
事業主は、労働者から介護休暇の申出があったときは、当該申出を拒むことができない。

介護休業と介護休暇の違い

なお、今回解説するのは、介護「休暇」です。

介護「休業」という似た名称で別の制度があるためややこしいのですが、休業と休暇で言葉を間違えないように注意してください。

簡単に違いを整理すると以下のとおりです。

  • 介護休業:93日を限度とした休業(育児・介護休業法第11条)
  • 介護休暇:年5日(2人以上の場合は年10日)を限度とした休暇(育児・介護休業法第16条の5)

介護休業の詳細は以下の記事で解説しています。

関連:介護休業の条件・期間・給料・手当の基礎知識

介護休暇の日数

介護休暇の日数は、対象家族が1人の場合は年5日、対象家族が2人以上の場合は最大10日です。仮に対象家族が3人としても10日が限度です。

そして会社は、年次有給休暇の日数とは別に付与しなければなりません。

介護休暇の取得単位

介護休暇の取得単位は、1日または半日単位です。

ただし、1日の所定労働時間が4時間以下の労働者は、半日単位での取得はできません。

半日単位とは、1日の所定労働時間の1/2のことです。

勤務時間で午前と午後の時間が半々でない場合は、以下のような工夫が必要になります。

  • 労使協定によって異なる時間数を半日と定める
  • 半々となるように時間調整を行う
  • 時間単位の取得を認める

また、日によって所定労働時間数が異なる場合の「1日の所定労働時間」は、1年間における1日平均所定労働時間数を計算する必要があります。

そして、1日の所定労働時間数、または1年間における1日平均所定労働時間数に、1時間に満たない端数がある場合は、1時間に切り上げなければなりません

なお、法令上は1日単位・半日単位とされていますが、時間単位での取得を認めることも構いません。

むしろ、時間単位での休暇の取得を認めるなど制度の弾力的な利用が可能となるように配慮することが求められています。

介護休暇の申出ができる従業員の条件

介護休暇の申出は、正社員やパートなど雇用形態にかかわらず、原則としてすべての従業員ができますが、以下に該当する従業員はできません。

  1. 日雇い労働者
  2. 入社6か月未満の労働者(労使協定が必要)
  3. 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者(労使協定が必要)
  4. 半日単位で介護休暇を取得することが困難と認められる業務に従事する労働者(労使協定が必要)

ただし、4に該当する従業員に対しては、1日単位の介護休暇の取得は可能であり、会社は申出があれば拒否することはできません。

上の条件以外で、例えば、有期契約労働者、配偶者が専業主夫・主婦、夫婦とも同じ 会社に勤めている場合は認めないなど会社が独自に条件を設定することは法違反となります。

介護休暇中の給料

介護休業と同様に、介護休暇を取得する従業員に対して、会社は給料を払う義務はありません

つまり、有給でも無給でも構わないということであり、中小企業に限らず、大企業でも給料なしという会社が多い印象です。

それもあって、従業員としては、介護休暇ではなく年次有給休暇を利用したいという要望があるかもしれませんが、どちらを利用するかは従業員に任せましょう。

ただし、有給・無給は会社の裁量次第ですが、後々のトラブルを防ぐために、就業規則にきちんと規定しておくことが大事 です

また、介護休暇を取得した従業員に対して、賞与、昇給等で不利益な算定を行うことは禁止されています(育児・介護休業法第16条の7)。

まとめ

当事務所で就業規則の説明会を行う中で、従業員から最も多く質問を受けるのが休暇・休業制度です。

従業員の関心が高い内容ですし、法律に沿った運用をしておかなければ違反になるため、就業規則をきちんと整備しておきましょう。

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