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変形休日制の内容と利用時の注意点

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変形休日制とは

変形休日制とは、4週間に4日以上の休日を付与する制度です。

労働基準法では、会社に対して週1日の休日の付与を義務付けています。これが法定休日の原則です

変形休日制は原則に対する例外的な位置付けの制度ですが、労働基準法で明確に認められているものです。

労働基準法第35条(休日)
  1. 使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない。
  2. 前項の規定は、4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者については適用しない。

変形休日制を利用する際の注意点

変形休日制を利用するためには、就業規則で単位となる4週間(またはそれより短い期間)の起算日を定める必要があります。

労働基準法施行規則第12条の2
  1. (略)
  2. 使用者は、法第35条第2項の規定により労働者に休日を与える場合には、就業規則その他これに準ずるものにおいて、4日以上の休日を与えることとする4週間の起算日を明らかにするものとする。

そして「4週間を通じ4日以上の休日を与える」というのは、特定の4週間において4日の休日が与えられていればよいという趣旨であり、どの4週間を区切っても4日の休日が与えられていなければならないとの趣旨ではありません(昭23.9.20基発第1384号)。

例えば、以下の図の場合、第1週から第4週、第5週から第6週のどちらも、4週間で4日の休日を付与しているため、変形休日として労働基準法第35条の要件を満たしています。

そして上の図の場合、第2週から第5週という4週間を見た場合は3日しか休日を付与していないことになりますが、これは問題ありません

その理由は、就業規則で単位となる4週間を第1週の初日、第5週の初日と定めているからです。

このように、変形休日制の利用により、極端に言えば、4週間の最初の1週間に4日間の休日を付与し、残りの3週間すべてが休日なし、つまり労働日としても構わないことになります。

しかし、労働基準法はあくまで最低基準の労働条件を定めるものです。休日に関する労働基準法違反にならないとしても、会社は以下のリスクを抱えることになるため、現実的にはオススメしません。

  • 会社が休日のない連続勤務を長期に亘って社員に行わせることは、企業に課されている安全配慮義務の観点から問題
  • 法定労働時間である週40時間を超える可能性は高く、割増賃金の負担が大きい

なお、労働基準法における休日の定義や法定休日と所定休日の違いなど、休日に関する基本的な内容について以下の記事で解説しています。

関連:労働基準法における休日の定義、法定休日と所定休日の違い

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