約76%が違反!長時間労働に関する行政の調査結果が発表!

こんにちは。福岡の社会保険労務士・安部敏志です。

厚生労働省が、長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導結果を公表しましたので、今回はその内容、そして今回の発表で気になった点を取り上げます。

以前、このサイトでも過重労働解消キャンペーンの重点監督結果を取り上げましたが、その続報に当たります。

具体的な違反内容や事例については発表内容をご覧ください。また、違反内容に関する解説は以前行っていますので、こちらも併せてご参考ください。

約74%が違反!過労に関する行政の重点監督結果の具体例を解説!
平成27年度「過重労働解消キャンペーン」の重点監督(企業への立入調査)の実施結果が発表となり、約74%の事業場が違反という結果でした。今回は法令違反の具体的な内容について解説します。
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1. 違法な時間外労働

違法な時間外労働として是正勧告を受けているのが4,790事業場、対象の56.2%で、前回の調査よりも増えています。

ちなみに是正勧告を受けると、一定の期限内に是正したという報告を提出する必要があります。

このうち、時間外労働の実態として最も長い労働者の時間数が、

  • 月100時間を超えるもの:2,860事業場(59.7%)
  • 月150時間を超えるもの:595事業場(12.4%)
  • 月200時間を超えるもの:120事業場(2.5%)
  • 月250時間を超えるもの:27事業場(0.6%)

となっています。前回の調査では月250時間を超えるという項目はありませんでした。時間外労働が月250時間を超えているわけですから、30日で割ったとして一日8時間以上の時間外労働ですよ・・・

9:00-18:00が通常勤務とすると、1日8時間以上の時間外労働ですから9:00-26:00(午前2時)、で30日で割ってますから土日も出勤ということです。

2. 賃金不払残業

賃金不払残業として是正勧告を受けているのが、813事業場、対象の9.5%です。

これは特に説明の必要がないほどわかりやすいと思いますが、要するに残業させたのにその分の割増賃金を払っていないということです。

3. 過重労働による健康障害防止措置が未実施

これが一般の方には最もわかりにくいと思います。

簡単にいうと、時間外労働があるとしても労働者の健康管理はきちんとしましょうということです。

過重労働による健康障害防止措置が未実施であるとして是正勧告を受けているのが1,272事業場、対象の14.9%です。

求人情報の監視・収集と管理監督者・残業代未払い問題

今回の発表内容のうち、特に気になった点を最後に取り上げます。

インターネット上の求人情報の監視

発表資料の添付で監督指導事例というのがありますが、その中の事例2(小売業)に関する内容には興味が惹かれました。具体的には以下の部分です。

インターネット上の求人情報等を監視・収集し、得られた過重労働に関する情報を契機に監督指導を実施。

違法な時間外労働を行わせていたほか、管理監督者に該当しない労働者を管理監督者として取り扱い、割増賃金を支払わず、また、年少者(満18歳未満)の学生アルバイトについて、年齢の証明書を備え付けていなかった店舗に対して指導を実施

今は「求人詐欺」という言葉があり、以下のように本も出版されています。人手不足と言われているため、さも好条件のように見せかけ、応募者を騙しているということです。

現在は新卒者に限定されていますが、労働基準法などの労働関係法令の規定に違反し、是正勧告を受けたり、公表されたりした場合、ハローワークは求人を一定期間、不受理とする対応を行います。

この事例では「インターネット上の求人情報」とあり、求人情報は監視されているということです。

管理監督者・残業代未払い問題

また、先程の引用のとおりですが、相変わらずの管理監督者・残業代未払い問題です。この事例では、管理監督者の範囲を本社が定めていたということで、企業傘下の他の全ての事業場が調査されています。

この件については以前書いていますので、以下をご覧ください。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?

労働基準監督署による監督指導はこれまでも行われていましたが、昨今のブラック企業問題やブラックバイト問題もあって、行政は積極的な情報発信を行っている印象があります。

この監督指導は、1か月当たり100時間を超える残業が行われた疑いのある事業場や、長時間労働による過労死などに関する労災請求があった事業場を対象としています。

発表文の中では、「厚生労働省では今後も、月100時間を超える残業が行われている事業場などに対する監督指導の徹底をはじめ、過重労働の解消に向けた取組を積極的に行っていきます。」とあり、残業が恒常化している企業は業務改善の対応が急務です。

約74%が違反!過労に関する行政の重点監督結果の具体例を解説!
平成27年度「過重労働解消キャンペーン」の重点監督(企業への立入調査)の実施結果が発表となり、約74%の事業場が違反という結果でした。今回は法令違反の具体的な内容について解説します。

参考

長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導結果を公表します
~4月から12月に対象とした8,530事業場の半数を超える4,790事業場で違法な時間外労働を摘発~

約76%が違反!長時間労働に関する行政の調査結果が発表!
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この記事を書いた人


安部敏志

あべ社労士事務所代表・社会保険労務士

国家公務員I種職員として労働基準法・労働安全衛生法等の立案や企業への徹底的な指導に従事した経験を武器に、退職後は逆に会社を守る立場として経営者・人事担当者からの人事労務管理に関するご相談に対応。

最近は記事の執筆やセミナー講師の依頼にも積極的に対応。仕事内容がわかりにくいとよく言われるので、業務内容・実績を紹介するページを作成しました!

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