継続雇用制度による再雇用後の賃金は定年時の5〜7割という調査結果

こんにちは。福岡の社労士・安部敏志です。

今回は、継続雇用制度の導入による定年再雇用後の労働条件、特に実務を行う人事労務担当者にとって気になる賃金に関する法規制と調査結果について解説します。

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継続雇用制度の導入による労働条件の変更

まず、継続雇用制度の導入による定年再雇用後の労働条件については、法律上の具体的な規制はありません。

そのため、賃金、勤務時間などの労働条件について、会社と社員による当事者同士の合意・決定に委ねられます。

ただし、注意しておくべき法規制として、労働契約法第20条があります。

労働契約法第20条(期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止)
有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下この条において「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない。

この条文自体は、有期契約労働者に対する不合理な労働条件の禁止に関する規定であり、継続雇用制度に限るものではありませんが、再雇用制度の場合、1年ごとの嘱託となる会社が多い傾向にあります。

その場合、定年前の職務内容・責任の程度に変更がなければ、労働条件、特に賃金について、定年後の再雇用という理由だけで、異なるものになってしまうと問題となる可能性が高いことになります。

この点については、昨年人事業界で大きな議論となった裁判をきっかけに、同一労働同一賃金制度に関する議論の中でもまだ検討されている状況です。

同一労働同一賃金に関する法整備の方向性が発表されており、この中で個人的に関心を持った点を紹介・解説します。

継続雇用制度の導入による賃金の変更

定年前と定年後の職務の内容や職務の重要性に応じて、賃金を変更することについては一定の合理性が認められます。

それでは、実態としてどの程度の賃金変更となっているかという点について、東京都が平成24年度に行った「高年齢者の継続雇用に関する実態調査」では、定年時の賃金に比べて5〜7割程度という結果を示しています。

継続雇用者の賃金水準

5〜6割未満と6〜7割未満を合計すると45.9%となり、半数近くを占めています。

再雇用後の賃金を検討する際には、年金や公的給付の受給状況を勘案することになりますが、いずれにしても、賃金というのは労働条件の中でも特に大きな比重を占めるものであるため、社員の意欲をあまりにも低下させてしまうようなものにしてしまうと、大きな問題を抱えることになります。

継続雇用者との直接的なトラブルはもちろんですが、現役社員も継続雇用者に対する会社の姿勢を静かに見ているということを忘れないようにしましょう。

まとめ

今回は、継続雇用制度の導入による定年再雇用後の労働条件、特に人事労務担当者にとって気になる賃金に関する法規制と調査結果について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?

なお、定年、継続雇用制度に関しては以下の記事でも解説していますのでご参考ください。

定年は60歳? いや定年は65歳になったという誤解が未だにあるので、定年年齢、定年退職と定年解雇の違いについて正しい情報を解説します。
65歳までの雇用確保措置の種類、その中で代表的な継続雇用制度の種類・メリット・企業の導入状況について解説します。
継続雇用制度の対象者に関してよくある誤解、継続雇用が拒否できる場合、継続雇用しない条件について解説します。
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この記事を書いた人


安部敏志:社会保険労務士

「就業規則は働き方のルールであり、社内で自ら作成・修正すべき」という信念のもと、中小企業の人事担当者の育成に従事。
その他、専門雑誌等の記事の執筆にも積極的に対応。

事務所公式サイト:あべ社労士事務所

なお、同業の社労士から事務所運営や営業方法などの相談を受けることが増えていますが、当事務所は開業当時から この方法をそのとおりに実行しているだけです。

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