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人事担当に求められる3つの資質とは?

50名規模の会社の場合、総務・人事担当は1人だけ、多くても2人という会社がほとんどです。さらに小さな会社の場合、社長自身が人事を行っているというケースもあります。

ただでさえ少ない人数で行う業務であるにも関わらず、以前の記事で書いたように、人事の仕事というのは本来は会社の土台・骨格づくりです。そのため、その一人が担う責任は大きくなります。

今回は、人事に向いているのはどんな人かという切り口で人事担当に求められる3つの資質について解説します。

関連:人事の仕事に求められる3つのポイントとバランス感覚

人事担当に求められる資質

どんな人が人事に向いているか、どんな能力、スキルが必要かという質問に対して、私はいつも以下のようにお答えしています。

  1. 口が堅い人
  2. 顧客視点がある人
  3. 目立ちたがり屋でない人

1. 口が堅い人

1つ目の資質は口の堅さです。

人事担当が扱う情報は従業員の家族構成や賃金額といった個人情報を扱います。このような情報が漏れてしまうと、会社に対する不信感が募り、社内の人間関係も悪化させかねません。

もちろん、社会人として口の軽い人は論外なわけですが、なんとか情報を探ろうとしてくる人がいます。そんなとき、いつもは口が堅くても、つい表情に出てしまったり、根負けして情報を出してしまったりすることがあるかもしれません。

人事担当に求められる情報の秘匿性というのは、このような状況でも許されるものではないため、そんな情報を探ろうとしてくる人に対しても、場合によっては平気でウソをつくことも求められると言えます。

2. 顧客視点がある人

2つ目の資質は顧客視点がある人です。

これをあげると、ほとんどの人が不思議そうな表情をします。人事業務はバックオフィスであり、顧客なんていないのではと思うようですが、それは大きな勘違いです。

人事担当の顧客というのは従業員全員です。

人事の仕事内容と役割というのは、大きく分けると以下の3つです。

  1. 採用:会社が求める人を獲得する
  2. 労務管理:従業員が働きやすいサービスや環境、働きがいのある場を提供する
  3. 教育:従業員の能力を開発する、人材育成

優秀な人に会社に入っていただき、従業員が働きやすいサービスを提供し、従業員教育を行うことでバリバリと働いていただき、会社の成長に貢献してもらうわけです。

決して、採用してやる、労働環境を整えてやる、人材育成を行ってやる、という姿勢ではありません。

そこまで思っていなくても、従業員にこんなにやってあげてるという間違った意識を持ってしまう人事担当は残念ながら多くいます。

このような人事担当がいる会社では、たいてい人事担当が偉そうにしているんですよね。。。

人事担当に求められる顧客視点については詳細に解説していますのでこちらもご参考ください。

関連:人事担当に求められる顧客視点とは?

3. 目立ちたがり屋でない人

3つ目の資質は目立ちたがり屋でない人です。

最近の雇用形態の変化を受け、働き方が見直されてきています。それに伴い、成長している会社の採用方法、人材育成手法などに焦点が当たっています。

これまで地味な業務と考えられた人事の役割が見直されていることは嬉しいことですし、もちろん好事例をマネすることは素晴らしいことです。

また、従業員のモラール維持向上のために様々なイベントを考えたり、新しい従業員教育を導入することも良いことでしょう。

ただ、目立ちたがり屋の人の場合、「こんなに色々なことを企画した」、「参加率を上げよう」と押しつけがちです。

例えば、営業の人が、連日訪問し色々な提案をした、といっても、見込み客が「あの人はいつも押しかけてくるし、こちらが望むものではない提案ばかりで迷惑だ」と思っていたら、それは大失敗です。

つまり顧客が望むものを想像し提案することが成功なのであり、人事の場合も、従業員が望むもの、望みそうなものを企画しなければ失敗なわけです。

参加率が少ないのは従業員の関心が低いからです。本当に会社の成長に不可欠な企画であれば、企画内容ではなく、企画の目的、その企画によって従業員にどのような成長を望んでいるのか、ということをきちんと説明する必要があります。

黒子に徹することができる人こそ人事に向いていると言えるでしょう。

まとめ

今回は、人事担当に求められる資質について解説しました。

上の3つをあげると、人事担当に求められる資質は一番に正確性ではないかという人もいます。

確かに、小規模の会社の場合、総務・人事担当に加えて経理も担当することがあります。

賃金の支払いや労働保険・社会保険の手続きで間違いや遅れがあると、従業員の生活や将来の給付に影響を与えるため、単純なミスさえ許されない業務といえます。

しかし、どんな業務においても正確性は必要であり、正確性がないのはそもそも社会人として失格であると私は思っています。

特別の正確性という意味では正しいかもしれないので、資質として4番目にあげても良いかもしれませんが、私がこれまで見てきた人事部・人事担当、成功している会社、失敗している会社から考えて、上の3つに比べれば優先順位は低いと思っています。

また、労働基準法をはじめとする労働法というのは頻繁に改正されます。そのため、最新情報を日頃から収集しておく必要もありますが、これは人事に関する雑誌を購読したり、外部の専門家を活用したりすることでできることです。

最新情報に常に目を配っておくというのも特段人事担当だから行うべきことというよりは、社会人であれば当然のことです。

以前、大きな話題になったのですが、人事に対して「採用ごっこをやめろ」といった辛辣な記事あります。詳しくは以下の記事で紹介していますが、期待が大きいからこそ厳しくもあると理解しておきましょう。

関連:人事の「採用」は子供の遊び? Googleのデータ分析と興味深い結果

なお、海外の会社ではCEO、CFOと並んで、戦略的人事を担当する責任者としてCHRO(最高人事責任者)という役職が置かれています。

人事プロセスにおいて、全従業員を同じように扱う例が多いが、筆者の見解では、2%の人材が影響力全体の98%を占める。」という論文もあり、真の意味で人財活性化を考える会社にとって、人事の役割を考える際に以下の記事は参考になるでしょう。

関連:戦略人事とCHROに求められる役割とは? ポイントはG3体制!

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