Work Life Fun

仕事も人生も楽しむ社労士

労働基準監督署の処理の流れについて質問を受けたので回答します

※当サイトはリンクに広告ページが含まれている場合があります

今回は、労働基準監督署が行う処理の流れについてご質問をいただきましたので回答します。

労働基準監督官とは?

労働基準監督署が行う処理の流れを紹介する前に、まずは労働基準監督官の役割について解説しておきます。

労働基準監督官とは、厚生労働省ウェブサイトにある労働基準監督官採用試験で以下のように定義されています。

労働基準監督官は、労働基準関係法令に基づいてあらゆる職場に立ち入り、法に定める基準を事業主に守らせることにより、労働条件の確保・向上、働く人の安全や健康の確保を図り、また、不幸にして労働災害にあわれた方に対する労災補償の業務を行うことを任務とする厚生労働省の専門職員です。

つまり、労働基準監督官は法に定める基準を事業主に守らせることが役割であり、法違反でない民事的な事項に関する相談は基本的に関係がありません。この場合は各労働局に設置されている総合労働相談コーナーで相談を受けることになります。

関連:労働相談は14年連続で100万件超、いじめ・嫌がらせが最多

労働基準監督署が行う処理の流れ

それでは本題の労働基準監督署が行う処理の流れについて紹介します。

厚生労働省ウェブサイトの資料から上の図を拝借しましたが、この図に基づくと、労働基準監督官の主な業務は以下の3点に集約されます。

  1. 定期監督
  2. 申告監督
  3. 災害調査

定期監督は、年間計画に基づき重点対象とする事業場に監督、つまり立入調査のことです。

申告監督というのは労働者からの申告に基づいて監督すること、災害調査というのは死亡などの労働災害があった場合の調査のことです。

この図のように法違反があれば、即時の対応、1か月以内の対応など期限を切られて是正勧告書という書面を渡されます。この是正勧告に対して、会社は是正した証拠を示した報告が求められます。

この報告を提出しなければ、再監督などの形で再度の調査・指導が行われます。そして、是正をしない、報告をしない、ウソをついて逃れようとするといった悪質な対応を繰り返すと司法処分が行われるわけです。

最近では技能実習生に関する悪質事例ということで逮捕までされましたが、これは悪質の最たる例です。

関連:労働基準監督署が異例の逮捕!労働基準監督官の司法警察権とは?

まとめ

今回は労働基準監督署の処理の流れについて解説しました。

ご質問いただいた会社は、図の中の「使用者からの事情聴取」の段階であり、来署依頼の文書で様々な帳簿を持ってくるように依頼されたようです。

突然、帳簿を求められて慌てないように日頃から法定帳簿はきちんと整備しておいてください。法定帳簿がないという時点でアウトですから。

その上で主張したいことがあれば裏付けとなる証拠書類、事情聴取のシミュレーションなど、きちんと準備しておくことです。

また、指導を受ける際には必ず根拠となる法律を確認するようにしてください。担当する監督官によっては法律以上のことを指導という名目で求めてくることがありますが、法律以上のことを行うかどうかは会社が決めることです。

関連:労働基準監督署の調査に対応するときの3つのポイントとは?

【無料】効率的に人事労務の情報を入手しませんか?
  • 毎年のように改正される労働法令への対応に頭を悩ませている
  • 総務や経理などの他の業務を兼務しているので、人事労務業務だけに時間を割けない

といった悩みを抱える企業の経営者・人事労務担当者向けに、公開型のブログでは書けない、本音を交えた人事労務に関する情報・ノウハウ、時期的なトピックに関するメールマガジンを「無料」で配信しています。

過去の配信分は公開しません。

情報が必要な方は、いますぐ以下のフォームから購読の登録をしてください。購読して不要と思ったら簡単に解除できますのでご安心ください。


up_line