平成29年度の介護職員処遇改善加算の拡充と就業規則の整備

こんにちは。福岡の社労士・安部敏志です。

今回は、先日発表された平成29年度介護報酬改定案、介護職員処遇改善加算の新しい区分とその要件をご紹介します。要件を満たすためには、就業規則の改定、賃金制度の見直しが必要になります。

詳細は後述しますが、ポイントは以下の3点です。

  1. 介護職員処遇改善加算に新しい区分が設けられる
  2. 同区分の要件として「経験若しくは資格等に応じて昇給する仕組み又は一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けること」が必要になる
  3. この要件を満たすためには、就業規則等の明確な書面による整備・全ての介護職員への周知が必要になる
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平成29年度介護報酬改定の概要

平成29年度介護報酬改定の概要については、昨年末の社会保障審議会分科会にて報告され、今年の1/30に厚生労働省から各都道府県に対して事務連絡が発出されています。

今回の改定の大きなポイントは、介護人材の処遇改善であり、「平成29年度より、キャリアアップの仕組みを構築し、月額平均1万円相当の処遇改善を実施するため、臨時に1.14%の介護報酬改定を行うものである」という点です。

介護職員処遇改善加算の新しい区分と要件

平成29年度介護報酬改定を受けて、介護職員処遇改善加算に新しい区分が設けられます。

その新しい区分である「加算(I)」・その要件「キャリア要件?」については以下の図のとおりです。

キャリア要件?として、「経験若しくは資格等に応じて昇給する仕組み又は一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けること」とありますが、そのイメージを示すのが以下の図です。

今回の要件を受けて、これまで職位・職責・職務内容等に応じた賃金体系としていたものについて、以下の3段階の対応を行う必要があるということです。

  • 経験、資格、評価のいずれかによる昇給の仕組みを設けること
  • その仕組みを就業規則等の書面で整備すること
  • すべての介護職員に周知すること

つまり、介護事業者としては、賃金制度の見直しを行い、それを就業規則または賃金規程を改定する必要があります。

最後の「すべての介護職員への周知」は、就業規則を改定したときには必須であるため、仮に就業規則以外の対応を行った者に対して予防的な意味もあるのでしょう。

実務的な注意点

なお、厚生労働省発出の事務連絡の中で、実務的に注目しておきたい点は以下の部分です。

  • 通常2月末日となっている介護職員処遇改善計画書の届出は、平成29年度当初の特例として、4/15(予定)になる
  • 介護報酬改定に関する関係告示・通知の発出は3月以降となる予定

参考

平成29年度介護報酬改定による介護職員処遇改善加算の拡充について

参考:介護事業の人事労務に関する課題

現在、当事務所では介護施設のクライアントが急増していますが、介護事業の人事労務に関する課題の1つとして、労働災害対策とメンタルヘルス対策があります。

以下の図のとおり、死傷災害(死亡及び休業4日以上の災害)として圧倒的に多いのが「転倒災害」、そして精神障害の請求件数では第1位の業種となっています。

メンタルヘルス対策は全業種共通の大きな課題ですが、介護事業においては他業種以上にしっかりと対策する必要があります。

平成29年度の介護職員処遇改善加算の拡充と就業規則の整備
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この記事を書いた人


安部敏志

あべ社労士事務所代表・社会保険労務士

国家公務員I種職員として労働基準法・労働安全衛生法等の立案や企業への徹底的な指導に従事した経験を武器に、退職後は逆に会社を守る立場として経営者・人事担当者からの人事労務管理に関するご相談に対応。

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